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6.守護者とか嫌です!

三人称に変更しました!


 

 いろいろ確認が終わり部屋にまったりとした空気が流れた。

 

 「あ、あの! ユウナ様はそれでいいかもしれませんが、魔王様はどうなるのでしょうか」

 

 このまま解散してしまいそうな感じにライムが慌てる。

 全部終わったような雰囲気になっていたが、魔王が放置されたままだった。

 

 「まだ気絶したままですし……、なにかお体に悪影響はないのでしょうか!」

 「魔王ですか……? もう起きているようですが」

 「え!?」

 

 優奈が魔王を見ると、瞼がぴくぴく動いていた。ちょうどライムも気づいたようだ。

 

 「魔王様気づかれたのですか!」

 「もうちょっとこのライムの胸のふかふか感を堪能したかったのにな。ちぇー」

 「よかった……、もう起きられなかったらどうしようかと。

 私のせいでお体とレベルが……、申し訳ありません」

 

 泣きながら魔王を抱きしめるライム。

 

 「泣かないでライム、悪いのはガイアでしょ?

 ライムが僕を傷つけるようなことしないのは知ってるからね?」

 

 そう言うと魔王は小さな指を伸ばして、ライムの涙を拭いてあげた。

 

 「魔王記憶はちゃんとありますか?」

 「あるよ~、ガイアのせいで僕のレベルが1に戻っちゃったんだよね?」

 「あと体も子供に戻っていますね」

 「申し訳ないけど、水晶花に結構力を持っていかれてしまったので、すぐに体を戻してあげることが出来ない」

 

 ブルベルは頭を下げ魔王に謝った。

 

 「しばらく待ってもらえるなら全部は無理だけど、少しずつ体を戻すことは可能です」

 「レベルはやはり時のタクトがないと無理なのでしょうか」

 「魔王のレベルはやはりカンストして?」

 「ええ、カンストしてらっしゃいます」

 「なら申し訳ないけど、時のタクトがないと無理ですね」

 

 ブルベルとライムが話してる間、魔王はライムの胸に顔を埋めて幸せそうな顔をしてた。

 優奈を好きと言いながらライムの胸に顔を埋める魔王を見て苛立つ優奈。

 優奈の蔑むような視線に気づいたのか、魔王が慌てて胸から顔を離した。

 対抗するようにミイナの頭を撫でてあげる優奈、魔王の悲しそうな顔見て溜飲を下げたようだ。

 

 「やはり時のタクトですか……」

 「レベル戻らなくてもいいよ? ユウナと一緒にレベルあげする!」

 「しかしそれでは、ご公務に支障が出ませんか」

 「大丈夫じゃない、弟と四天王が代わりにやってくれるでしょ? 僕の弟は優秀だからね!」

 

 えっへんと胸をそらして威張る魔王。

 それは威張って言うことじゃないと頭を押さえ顔を振る優奈。

 

 「あと何か確認しておきたいことはありますか?」

 「そういえばミイナはダンジョンを離れていても大丈夫なんでしょうか」

 「そうですね、コア自体は誰もたどり着けない場所にありますし。

 離れていてもダンジョンの把握は出来るので問題ないでしょう」

 

 本体はダンジョンの中にあると聞いて安堵する優奈、自分が連れ出したせいで何かあったら悔やんでも悔やみきれない。

 

 「はいはい! レイファール様守護者なんですけど、ユウナに任せるのはどうでしょうか」

 

 はい!っと勢いよく手をあげとんでもないことを言い出したアイリス。

 

 「あらいい考えね、ユウナならこの世界をよりよくしてくれそうだし。

 レイファール様私は賛成です」

 「ふむ、私も賛成です」

 

 ノルンとブルベルまで同意をしはじめ、慌て始める優奈。

 街の運営に冒険者ギルドの仕事と優奈は忙しいのだ。

 

 「待ってください! 守護者と言われても何をすればいいのかわかりませんし。

 私には仕事がありますので困ります!」

 「そうですね、ユウナが守護者ですか。悪くはありませんね」

 

 レイファールまで乗り気になりどうやって回避しようかと悩む優奈、

 これからレベルもあげなければいけないため、本当に困るのだ。

 

 「まず守護者について説明しましょうか。

 守護者と言われてますが仕事内容は管理人みたいな感じです」

 

 レイファールは守護者について説明を始める、主な仕事は神界への窓口とこの世界の管理になる。

 レイファールが創った世界は何個かあり、それぞれの世界に守護者がいる。

 かなりの権限を有しており、世界が滅亡しないように日夜努力をしているのだ。

 

 「守護者になればこの世界とリンクされますので、どこで何が起こったのか把握しやすくなります。

 あと女神になって頂きますから、神力( しんりょく)が使えるようになります」

 

 世界とのリンクと聞き、少し心が動く優奈。

 勇者として世界でなにが起こったのかいち早く知ることが出来るのは大きい。

 

 「守護者になれば各地のダンジョンコアに頼んでダンジョン操作できるようになるわよ。

 守護者はマスター権限をもってるからね」

 「それは、守護者の好きなようにダンジョン改変ができるということですか!」

 

 ダメ押しのようなノルンの言葉に優奈が反応する、各地のダンジョンはとても危険で死亡率が高いのだ。

 少しでもダンジョンでの危険を減らせるのなら守護者になる価値がある。

 

 「まぁ、出来ないこともあるけど。かなり自由に改変できるんじゃないかしら」

 

 うふふと笑いながら優奈を見つめるノルン。。

 優奈の頭に初心者用のトライアル作成など様々な案が浮かんでくる。

 これが実現できればかなり死亡率を減らすことが出来るはずだ。

 

 「女神様達に乗せられた感じがしますが……、私でよければ守護者の任受けさせて頂きます」

 「期待していますよ、ユウナ」

 

 守護者になることによるメリットが大きすぎる為ついに優奈が折れた。

 しかし仕事が増えることには変わりがないので、大きなため息をつきこれからについて頭を悩ませることになった。

 

 

ちび魔王「ユウナちょろいねー。手のひらころころだね」


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