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11.交通手段



 数日後、執務室の机の前で唸っている優奈の姿があった。

 机の上にはタチバナの街の拡張計画書が広げてある。

 レイファールより許可が出たため、女神達が遊びに来れる様に安全に配慮されている。

 計画書の内容に不満はない、このままサインをしてもいいくらいなのだが

 温泉以外に何かもう一つ目玉が欲しいのだ。

 あとは移動手段を何とかしたいと思っていた、安く安全にこの街へ来れるような何かが欲しかった。

 

 「うーん、私秘蔵の魔石を使ってでも各街を転移陣で結ぶべきかしら……。

 でもやり過ぎると冒険者の仕事を奪ってしまうし」

 

 優奈は頭を抱える、街から街への護衛の仕事は冒険者の大事な収入源の一つなのだ。

 しかし安全に各街を行き来出来るに越したことはない。

 

 「ユウナ様確かに護衛の仕事は減ってしまうかもしれませんが、

 ユウナ様のダンジョン改革が進めば冒険者の収入は増えますのでそこまで気になさらなくてもいいのでは」

 

 机に緑茶を置きながらリリアが進言をしてきた。

 優奈はお礼を言い緑茶に口を付ける。

 そして冒険者ギルドの支出報告書を探し出し目を通し始める。

 優奈がプロミエの大迷宮に手を加えてから数か月、素材の買取がかなり増えているのがわかる。

 深部に潜れるようになったパーティが多いのか、高性能のダンジョン産魔道具もかなり流通し始めている。

 

 「確かにこれを見る限り、冒険者の収入は上がっていると見ていいわね。

 これならむしろ安全に各街へ移動が出来る様になれば、

 各ダンジョンの素材が流通し始めるので街の経済が活性化するわ」

 

 例え大都市だけを結ぶのだとしても、やはり転移陣はコストがかかり過ぎる。

 ゲームみたいな飛空艇が作れればと思ったところで、

 昔どこかのダンジョンで手に入れた魔道具を思い出した。

 慌ててアイテムボックスの中から取り出したそれは、

 反重力の魔法陣が封じられた魔道具だった。

 これを手に入れた当時すでに飛行魔法が完成して居たため使わないと思いしまい込んでいたのだ。

 これと飛行魔法を組み合わせれば、飛空艇が作れるのではと思った優奈は

 リリアに魔道具ギルドに行ってくると伝え屋敷を飛び出した。

 これより後この魔道具を発端としてこの世界の交通手段が劇的に変化することになる。

 

 

 

 その頃神界では、ミイナのコア改造が大詰めを迎えていた。

 

 「処理能力向上OK、容量拡張OK、神力変換機能OK」

 

 ファラが一つ一つ丁寧に、各機能をチェックしている。

 昔ファラの前任者が他の世界のダンジョンマスターに恋をし、

 ポイント不足解消の足しになればと自分の神力をポイントに変換する機能を

 そのマスターのコアに追加したことがあるのだ。

 もちろん重大な規約違反の為、前任者は永遠の命を剥奪されその世界に追放された。

 風の噂によれば、件のマスターと結婚し幸せな生涯を送ったらしい。

 ファラ達はその時の記録を頼りにコアに改造を施している。

 最高神に匹敵するほどの力を持った優奈の為に、コア自体の性能も大幅に強化されている。

 コアの大改造という今までにない事態に興奮した男神達の手により、

 予定になかった機能まで盛りに盛り込まれ、今やミイナはスーパーコアに変貌を遂げていた。

 

 「あとはユウナにダンジョンの設計図を書いてもらえば終わりね」

 

 ダンジョン生成をスムーズに行えるように、予め優奈にダンジョンの設計図を書いてもらう予定になっている。

 ミイナが優奈の元に戻れるまで今しばらくの時間がかかりそうだった。

 

 

 

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