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8.ミイナのダンジョン六階層

すみません、ちょっと遅れました!



 「ユウナ! ユウナ起きてくれ!」

 

 ライルは優奈を揺さぶり起こす、そして欠伸をしながら優奈が起きあがった。

 

 「もう交代の時間? 今交代するわ」

 

 目をこすりながらもぞもぞと起きだした優奈にライルが異常事態を告げた。

 

 「カズトとリィドが戻ってこないんだ、かれこれ20分はたっている」

 

 その言葉にがばっと跳ね起きる優奈。

 

 「和人さんとリィドが? どういうこと二人で六階層に行ったの?」

 

 優奈が詰問するとライルが謝りながら説明をした。

 

 「凄くいい匂いがするので原因を突き止めたいと言われたんだ。

 リィドも付いているし奥まで行かないと約束させたんだが……」

 「いい匂い? そんな匂いなんてしないけれど」

 「ああ、俺も匂いは感じなかったがカズトとリィドは感じていたようだ」

 

 優奈とライルが話しているとブルベルとアリア、そしてラビィとライムも起きだしてきた。

 

 「どうかしたんですの?」

 

 ラビィの問いにライルが優奈にしたのと同じ説明をする。

 

 「匂いですか、わたくしもそんな匂いは感じませんわね」

 「私も匂わないわね」

 

 アリアとライムも首を振って答える。全員匂いを感じないようだ。

 

 「とりあえず奏を起こして捜索に向かいましょう」

 

 優奈が奏を起こすと、眠たそうな顔で奏が起きてきた。

 その顔色は元に戻っており、疲労も大分抜けているようだった。

 

 「ううん……、優奈おはよう」

 「おはよう、奏調子はどう?」

 「かなりよくなったかな。迷惑かけてごめんなさい」

 「別にいいわよ、ただし無茶はしないように気を付けてね」

 「うん……」

 

 優奈の役に立ちたくてスキル上げを頑張っていたのに、

 逆に迷惑をかけてしまい奏は落ち込む。

 かけてあった服をぎゅっと握りしめたその時ふっといい匂いが鼻についた。

 心惹かれる匂いにきょろきょろと周りを見渡し始める。

 

 「奏どうしたの?」

 「何かすごいいい匂いがするのだけど、どこからするのかな」

 

 その言葉に全員驚き奏を見つめる。

 いきなり全員に振り向かれ驚く奏。

 

 「な、なに……?」

 「和人さんとリィドがいい匂いがすると行って原因を探しにいったまま帰ってこないのよ。

 私達にはその匂いがまったくしないの、奏それはどんな匂いなの?」

 「どんなって言われても、すごい心惹かれる匂いかなぁ。うん匂いの元を確かめに行きたくなるのわかる」

 

 その言葉に考え込む優奈、その時ライルがあっと声をあげた。

 

 「もしかして、魅了系の状態異常なんじゃないか? 

 状態異常耐性をカズトは持ってないし、リィドもIしか持ってないと言っていた。

 奏も持ってないだろ?」

 「状態異常耐性? 持ってないと思う」

 「チャームプロテクト!」

 

 ライムの声が響きキラキラとした光が奏の体に吸い込まれていく。

 

 「奏どう? まだ匂いはする?」

 「ううん、もうしないわね」

 「魅了に決まりだな、早く助けに行こう」

 

 ライルの言葉に全員頷きすぐに支度にかかる。

 

 

 

 急いで六階層への階段を駆け下りる優奈達、階段を降りながら奏がヘイストを奏でていく。

 それに気づいたライムも次々とバフを全員にかけていった。

 そして階段を降りると壁一面花で埋め尽くされた通路が現れる。

 

 「匂いの元はこれかしらね」

 「花から微弱な魔力を感じます、これが原因とみて間違いないかと」

 「ライム、奏のプロテクトはどれくらい持つの?」

 「全通路に花があるとしたら、あまり長時間持たないかもしれません」

 「戦闘中に奏が魅了されると困るわね、燃やすのはまずいし……、凍らせてしまいましょうか」

 

 そう言うと魔力を練り上げ一気に開放する!

 

 「フリーズブレス!」

 

 氷の龍が現れ、ブレスを吐き出す! そして次々と通路の花が凍っていく。

 ブレスの勢いは留まる所を知らず次々と六階層の通路を蹂躙していった。

 

 「ちょっとやり過ぎたかしら? 少し寒いわね、まぁいいわ行くわよ」

 

 そう言うと優奈は通路を駆けだした。慌てて全員走り出す。

 ライルは優奈と並走すると話しかけた。

 

 「ユウナ場所わかるのか?」

 「ええ、指輪に集中してみて? 和人さんの場所がわかるでしょ」

 「お、本当だ便利だなこの指輪」

 「でしょでしょ」

 

 得意満面な笑みを浮かべ駆けていく優奈、奏がいるので少し速度は落してある。

 何度か行き止まりにあたりつつも何とか和人の反応が強い広場にたどり着いた。

 広場の入り口で立ち止まり中を見ると大きな花から体を生やした緑の髪の女性型の魔物が中央にいた。

 和人とリィドは弦に縛られ天井から吊るされていた。

 女性型の魔物を見てアリアが正体を看破する。

 

 「あれは、アルラウネですね。たぶん二人を苗床にするつもりなのでしょう」

 「この階層に魔物がいなかったのは全部苗床にされたのか」

 「通路を覆うほどの花があったし、たぶんそうでしょうね。

 火が弱点だけど使うと天井の二人が焼けちゃうのでそれ以外で! 奏はその場で待機してて」

 

 優奈は簡単に指示を出すと剣を手にアルラウネに突撃する。

 やっと優奈達に気付いたアルラウネは先頭を走ってくる優奈を視認すると、周りの花から花粉をまき散らす。

 視界が黄色くなるほどの花粉にアルラウネが見えなくなるが、気配を頼りに右側を一閃するとすぐに後ろに飛び離れる。

 後ろから付いてきた4人も花粉で視界を塞がれアルラウネを見失う。

 ブルベルが風魔法で視界を晴らすと、アルラウネが和人とリィドの首に手をかけにやぁと笑っていた。

 

 「チカヅイタラ、フタリヲコロス」

 

 アルラウネがそう言った瞬間、優奈とアリアが目にも止まらぬ速度で駆けアルラウネを切り裂く。

 

 「「汚い手で」」

 

 「和人さんに!」「リィドに!」

 

 「「触らないで!!」」

 

 ガァァァァァァァ

 

 断末魔の悲鳴を残し消えていくアルラウネ。

 壁の花も天井の弦も消え、和人とリィドが落ちてくる。

 慌てて二人を抱き留める優奈とアリア、そっと地面に降ろすとすぐにライムが駆け寄ってきた。

 

 「外傷はなさそうですね、アルラウネが倒されたのですぐに魅了も切れると思います」

 

 その言葉にほっとする優奈とアリア。

 そしてそんなアリアの姿をラビィがからかう。

 

 「ふふふ、アリアったらよくリィドと喧嘩してると思ってましたら、嫌よ嫌よも好きなうちでしたのね」

 「ち、ちちちち違うわよ!」

 「大丈夫ですわ、リィドに言ったりしませんし。ですけどこの男にわからすのは大変ですわよ。頑張って下さいまし」

 

 真っ赤になって違うし違うしと否定するアリアはとても可愛かった。

 

 「アリアも女の子だったってことね、結婚式には呼んで頂戴ね」

 「ユウナ様ぁ~!」

 

 優奈にもからかわれちょっぴし涙目のアリアであった。

 

 

 その後目を覚ました和人とリィドに説教をする優奈達。

 和人は仕方ないとしても状態異常Iしか取ってないリィドはかなり絞られた。

 そしてこのダンジョンの殲滅が終わったら、リィドは強制的に状態異常IIIを取ることを決定される。

 

 「まじかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 そして六階層にリィドの悲痛な叫びが響き渡った……。

 


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