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31.祭りが終わって

遅れてすみません!少し短めです。


 総選挙から数日後、溜まっていた仕事を取りあえず片付けた優奈は全員を食堂に集めた。

 

 「総選挙の後片付けも終わったのでプロミエの大迷宮の攻略に戻ろうと思います!

 まずリリア、ダンジョン内でも念話が可能な道具を用意しました。

 この世に二つとない貴重なものなので失くさないように」

 「畏まりました」

 

 レイファールに創って貰ったイヤリング型の魔道具をリリアに手渡す。

 対になったイヤリング同士で会話が可能になっている。

 

 「次に和人さんとライルとベル用の新しい装備を用意しました!

 前に言ってた私とお揃いの装備ですっ」

 

 三人にニットとコートを順番に手渡していく。

 その場で装備しくるりと回るブルベル。

 

 「お揃いの装備までそろえたならパーティ名が欲しいわね」

 「そういえばパーティ名なかったわね、これからもこのメンバーで各地のダンジョンに行くのだし今度決めましょうか」

 

 額を寄せ合いパーティ名を考え始める三人「漆黒の女神~ユウナ愛してる~」等ユウナが頭を抱える名前が聞こえてくる。

 

 「えっと、雪菜は魔道具ギルドに入会する手はずを整えたので明日からギルドへ通ってね」

 「わかったわゆなちゃん、何か持っていくものとかあるのかしら」

 「それはこっちで用意したので、明日リリアから受け取ってね」

 「了解よ」

 

 そして最後に残った奏に向き合う優奈。

 

 「奏は……」

 「私はゆなと一緒にダンジョンへ行きたい」

 「言うと思ったわ、でもダメよ。血を見るだけで貧血おこすような人をダンジョンへ連れて行けないわ」

 「頑張るから!」

 

 ふぅとため息を吐く優奈、椅子に座りなおし奏の目をしっかりと見つめる。

 

 「きついこと言うようだけど、足手まといなの。

 戦闘では一瞬の隙が命取りになるのよ、奏命を奪える?

 殺るか、殺られるかの世界なのよ」

 

 唇を噛み俯く奏、優奈の言うことはわかるでも優奈の役に立ちたいのだ。

 雪菜のように魔道具に興味もない、でもこの世界に来るときにもらったスキルは戦闘用だったので、

 それで優奈の役に立てたらと思ったのだ。

 そんな奏の姿を見て優奈が条件を出した。

 

 「とりあえずね、これからいくダンジョンは45階層から開始するので初心者は連れて行けないの。

 だから私達がダンジョンをクリアするまでに冒険者ギルドの初心者講習を無事にやり遂げたら次のダンジョンから連れて行ってあげる」

 

 優奈の言葉にぱぁぁと顔を輝かせる奏、しかし次の言葉に顔を引きつらせる。

 

 「奏用に特別なプログラムを用意するわ、まずその講習をやり遂げること。

 そのあと躊躇なく魔物を屠れるようになること。

 最後に奏が持ってるレアスキルを使いこなせるようになること、これが条件」

 「わかった、やり遂げて見せる」

 

 悲壮な顔をして宣言する奏に和人とブルベルが「頑張って」と応援の言葉をかける。

 その二人も初心者講習を思い出し顔が引きつっているのは仕方ないことだろう。

 

 「あ、プロミエの大迷宮クリアしたら和人さんとベルは中級者講習に行ってもらうからね」

 「「はい!?」」

 「慣れた頃が一番危ないのよ、だから初心者講習を受けてある程度たったらもう一度講習を受けてもらうことになってるの。

 これは任意なんだけどできれば受けた方がいいわよ」

 「「ハイ」」

 

 そんな二人みてライルが一言「初心者講習よりは酷くはない」と慰めにもならない言葉をかけていた。

 

 

 

 

 

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