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24.会議.


 「それでは問題点を一つずつ洗い出しましょう」

 

 会議室に優奈の声が響く。

 長方形のテーブルについてるのは『けもみみ総選挙実行委員会』のメンバーだ。

 ここはタチバナの街の中心である広場にある建物の会議室だ。

 この建物は1階はエントランスになっており、噴水とその周りには椅子が設置されており市民の憩いの場になっている。

 2階は会議室やホールがあり、3階はタチバナの街の行政機関が入っている。

 

 「はい、まず観光課から。

 一つ、創造神様達が総選挙に参加されるのを喧伝致しますと広場に入りきらないほどの人が詰めかけると予想されます。

 二つ、その場合宿が足りなくなり混乱が起きると思います。

 具体的には貴族等による宿屋への恫喝などですね。

 神殿関係者も絶対に詰めかけますし、この街では対応しきれなくなります」

 

 銀色の髪の人狼(ワーウルフ )の男性が紙に書かれた内容を読み上げていく。

 

 「そうね、下手すると各国の王族が全員詰めかけるわよね……」

 「観光課から提案なのですが、女神様達が参加なされるのを全く宣伝しないで開催しますと、あとで必ず各国や神殿から苦情が入ると思われます。

 ですので、パンフレットに大きく『女神ユウナ様が急遽参加!』そして下に小さく小さく注意書きで他の女神様も参加される場合があります。

 と記入して誤魔化すのはいかがでしょうか。これならあとで非難されても言い逃れが可能です」

 「そうですね、ユウナ様を全面的に押し出せばユウナ様目当ての観光客は増えると思いますが一般人ですので問題はないと思います。

 冒険課としても各国の王族の警備などできませんので、回避できるなら回避して頂きたいです」

 

 そう言うのは冒険課の責任者でもある、冒険者ギルドマスターのリエンだ。

 冒険課とは街の警備そして、街の外の脅威などを冒険者ギルドへ依頼など冒険者に関わる仕事をこなしている。

 

 「はぁぁぁぁぁ、やっぱりそれが一番無難かしらね。あまり目立ちたくないのだけど……」

 「世界で一番有名人なくせになに言ってるんですか」

 

 目立つのを嫌がる優奈に容赦ないリエンの突っ込みがはいる。

 その後各課から進行に関してや、舞台の設営場所など色々問題を提起されたが特に大きな問題点は出てこなかった。

 そろそろ会議を終わらせようかという時にリオンの質問が優奈に飛んだ。

 

 「ユウナ様、質問なのですが創造神様達は来年も参加されるのでしょうか」

 

 その言葉にピシリと全員が固まった。

 それはその場にいる全員が考えないようにしていたことだった……。

 そんな同僚達を見てリオンがため息をつく。

 

 「お前らあのな、これを先延ばしにしてその後が大変になるだけで何の解決にもならないんだぞ?」

 「そうね、これで来年も参加するとかまた一か月前に言われたら今回みたいな誤魔化しは聞かないだろうし。

 各王家から問い合わせもくるだろうし……、ちょっと待ってね」

 

 (アイリス様聞こえますか、アイリス様)

 (あらユウナちゃんから話しかけてくれるなんて、どうかしたの)

 (この間の件なのですが、来年も参加する可能性ってありますか?)

 (……ユウナちゃん恐ろしい事聞いてくるわね)

 (こちらは切実なのです、教えて下さい……)

 (もちろん参加します)

 (……だそうよ)

 (わかりました、ありがとうございます)

 

 アイリスとの会話を終えた優奈がその場で頭を抱え始める。

 それを見た全員から大きなため息が出たのは仕方ないことと言えよう。

 

 「ユウナ様提案があります!」

 

 意を決したように大きな声をあげたのは、観光課の男性だった。

 

 「来年も参加されるなら、宿屋などが大きな問題になってきます。

 しかし総選挙の為だけに王族も泊まれるような宿屋を作るのは無理があります、土地ももうあまり空いてないですし。

 それで前にユウナ様はこの街を拡張できるように設計されたと聞きました。

 なのでこの機会に街を拡張、さらにもう女神様が祭りに参加する街として喧伝。

 そして祭りを増やし、新たな観光名所なども作成し観光と大迷宮の街として生まれ変わらせてはどうでしょうか」

 

 ざわざわと周りが騒ぎ始める。

 警備など問題は出てくるが、確かに女神が来る街として観光客を増やしてしまえば宿屋などを増やしても問題はなくなる。

 

 「まって、でも王族が泊まるような宿屋を作っても肝心の王族と貴族が宿屋を維持できるほど来てくれないと採算がとれないわ」

 「それなのですが、前に温泉が湧きだしたのを覚えておりませんか。その時はまだ街も発展途中だったため放置していたのですがいまだに温泉が湧き出ています。

 その温泉を本格的に採掘して、保養地としても宣伝出来れば貴族が何度も足を運んでくれると思います」

 「女神に会えて、温泉に入れる観光地……、ありね。祭りも増やしてもいいと思うわ、あとはこの街限定で女神が自由に降りて来れるようにすればもっと付加価値がでるわね」

 「そんなことが可能なのですか!」

 「さすがにそれはちょっと交渉してみないとわからないけど、とりあえず今の案を早急に検討しましょう。

 街の拡張・宿屋の建設・温泉施設の建設・新しい祭り・さらに警備について各課で検討をして頂戴」

 

 「「「「「了解しました!!」」」」」

 

 今の案を検討すべく急いで会議室から出ていく担当者達、それを見ながら優奈は街の拡張について考えを巡らせる。

 王族や貴族が来るような街にするならば、大迷宮の入り口をもっと厳重にしなければならない。

 現在は扉一つしかないのだ、スタンピートが起こっても大丈夫なように大迷宮付近も作り直しをしなければと思ったところで大迷宮をクリアしてないことを思い出す。

 総選挙が終わったら絶対にクリアしてやると決意を新たにし優奈も帰宅するために立ち上がった。

 

 

 

 

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