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10.魔法少女

 「優奈さんひどい……」

 「ユウナひどい……」

 

 一週間後の夜、初心者講習から戻ってきた和人とブルベルが優奈を非難していた。

 場所は屋敷の食堂だ、優奈とライル二人でお茶をしてる所に二人が現れ優奈を見つけるなり次々と文句を言い始めた。

 

 「ふうん、それだけ文句を言えるってことはまだ講習の主旨がわかってないのかしら? もう一度講習いっとく?」

 

 優奈の言葉を聞きぶんぶんと大きく首を振る二人、余ほどひどい目にあったのだろう目には涙まで浮かんでいる。

 

 「あのね、あの講習は初心者の夢見がちな甘さを拭うために行っているの。

 普通に戦闘訓練だけしてダンジョンへ送り込んでも死ぬのが落ちなの。

 だからあそこまで厳しくやっているのよ」

 「それはわかっているんですけど、せめて行く前に教えて欲しかったです……。まさか軍曹式とは」

 「私なんてステータスが高すぎるからって、ステータス落す魔道具まで使われたのよ」

 「ほう、どのくらいステータスあるんだ? ブルベルもLv1なのだろう」

 

 ぽいっと冒険者カードをライルに投げるブルベル、ステータスを見たライルが唖然とした顔をしている。

 

 「Lv1だよな……? どう見てもカンスト以上のステータスにしかみえないんだが」

 「当然でしょう、最高神なのだから。ちなみに優奈は一つ下の一級神だけど同じくらいのステータスよ?

 本来ならもう少し下がってもいいのだけど、優奈はレイファール様のお気に入りだからね」

 

 そう言うと冒険者カードをライルの手から取り上げ、メイドがいれてくれたお茶を飲み始めるブルベル。

 ギギギギっとライルが優奈の方に顔を向ける。その顔には、え?まじで嘘でしょ?と書いてある。

 無言で冒険者カードをライルに放り投げる優奈。

 

 -------------------------------

 ユウナ・タチバナ 女性

 

 職業 勇者・女神 レベル1

 

 攻撃力 10000

 体力 10000

 耐久 10000

 敏捷 10000

 魔力 10000

 魔耐 10000

 

 -------------------------------

 

 

 一緒に冒険者カードをのぞき込んだ和人が、自分のカードと見比べてフリーズした。

 この世界のLv1は大体100前後、和人が300前後でライルは500前後だ。

 

 

 「これでカンストしたらほぼ倍のステータスになるのか、二度と勝てないな……」

 「問題は『勇気あるもの』が死にスキルになったことかしらね」

 「強敵と戦う度にステータスがあがるやつだったか? いらなくないかそれ」

 「そうね、でもスキルが1個使えなくなるって結構悲しいものがあるのよ」

 

 (では新しいスキルをあげましょう)

 

 優奈は慌てて席を立ちライルから冒険者カードを取り返した。

 そしてスキル欄に燦然と輝く文字が増えていた。

 

 スキル:いつもにこにこあなたの隣に這いよる創造神

 創造神といつでもスキンシップがとれます

 

 スキル:創造神にかわってお仕置きよ!

 魔法少女に変身できる

 

 

 「なんでこんなスキル作った!!」

 

 ベシッ!と冒険者カードを床に叩き付けふるふると震える優奈。

 冒険者カードを拾った和人がスキルを見て噴き出した。

 

 「なんで異世界のネタを知ってるんですか」

 

 (ユウナの漫画を見て勉強しました)

 

 「もしかして私が漫画見てるとき一緒に見てました?」

 

 (いいえ、アイテムボックスの中から勝手に取り出して読んでます)

 

 頭を抱えだす優奈、いつのまにか自分のアイテムボックスがレイファールに侵食されていた……。

 そんな優奈の隣では和人がライルに魔法少女についてレクチャーをしている。

 魔法少女の衣装を見てぱぁぁぁと顔を輝かせるライル、そして優奈に一言。

 

 「ユウナ変身してくれ!!!」

 「お断りだ!!!」

 

 (せっかく可愛い衣装なのに……)

 

 その言葉を聞きライルが暴走し始める。

 

 「ユウナお願いだ! 魔法少女になってくれぇぇぇ!」

 「嫌よ、絶対に嫌!! この年になってコスプレとか無理に決まってるでしょ!」

 「あら、着てあげればいいのに。ユウナは可愛いからきっと似合うわよ」

 「ふふ、ふふふふ。レイ様! ベルが魔法少女になりたいそうですよ!」

 

 (ブルベルも魔法少女になりたいのですか?)

 

 そしてブルベルが光に包まれる!キラキラと光る光の中ブルベルの服が下から順に変わっていく。

 そうまるで魔法少女の変身シーンのように。

 

 「創造神にかわってお仕置きよ!」

 

 ポーズとともに強制的にセリフを言わされるブルベル、服はふりっふりの可愛いものに変わっている。

 ブルベルは自分の服とポーズ、そしてセリフに真っ赤になり床に座り込んだ。

 

 「見ないでぇ、見ないでぇ」

 「あれは無理だわ……」

 

 優奈はブルベルの服をみてあれはないと首を振る。

 魔法少女になってくれとせがむライルに、見ないで見ないでと言いながら壁に向かって体育座りしてるブルベル。

 カオスな夜は更けていく……。

 

 

 

 そしてテーブルに置かれた優奈の冒険者カードのスキルがひっそりと書き換えられていく。

 

 スキル:女神の慈愛 祈りを捧げることにより、周囲を癒していく。

 対象:生命

 

 

 

 

 

 

 

そろそろダンジョンへ突入するのですが、モンスターどうしようか悩みます。

どこかにモンスター図鑑とかないかな……。

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