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エニウェトク環礁沖海戦1

1941年12月8日トラック諸島沖


鋼鉄の巨体が押し寄せてくる波をかき分けて進んでいた。


大日本帝国海軍第一艦隊は、日米開戦の約一週間前から出撃準備を整え、その準備は一昨日に終わっていた。


そのため、日本の宣戦布告からの行動は素早かった。


目指す目的地はハワイ、真珠湾。


当初の計画では、海軍が昔から温めていた、漸減邀撃作戦があった。


漸減邀撃作戦とは、フィリピン乃至マリアナを目指し、進撃してくる米艦隊を、潜水艦攻撃、航空機による攻撃、夜間の水雷戦隊による攻撃、主力艦隊による艦隊決戦の四次にわたって攻撃し、その戦力をすり減らしていくというものだった。


しかし、六六艦隊の完成によって少し自信をつけた帝国海軍は、途方もない計画を立案する。


緒戦から、敵主力艦隊との戦いの後、敵の本拠地であるハワイの真珠湾まで敵艦隊を追撃、残存の敵艦隊もろともその基地機能を叩き潰そう、というものだった。


しかし、これはあくまでも主力艦隊同士の艦隊決戦に辛勝や勝利ではなく、圧勝したらの場合であり、現実的には無理だろうと考えられていた。


また、旧来の漸減邀撃作戦ではなく、開戦当初から積極的な攻勢に出なければならなかったということに、日米の国力差が如実に現れているだろう。


前にもマクモリス大佐が話していたように、悲しいまでの国力の差から短期決戦を挑むしかなかったのである。


そして日米の主力艦隊決戦は、今や秒読み段階となっていたのである。


1941年12月9日エニウェトク環礁沖


大東亜戦争開戦時の連合艦隊の編成は、


第一艦隊


第一戦隊 扶桑 山城

第二戦隊 駿河 近江 紀伊 河内

第七戦隊 高雄 愛宕 赤城 黒姫

第九戦隊 戸隠 鳥海 羽黒 妙高

第十一戦隊 矢矧 木曽 揖斐 酒匂

第十二戦隊 阿賀野 那珂 久慈 阿武隈

第六駆逐隊 雪風 涼風 灘風 島風

第七駆逐隊 春風 夏風 秋風 冬風

第八駆逐隊 敷波 綾波 漣 浦波

第九駆逐隊 岸波 山波 川波 白波


第二艦隊


第三戦隊 土佐 丹波 加賀

第四戦隊 長門 陸奥 播磨

第八戦隊 天城 新高 葛城 浅間

第十戦隊 鈴谷 生駒 鞍馬 雲仙

第十三戦隊 鬼怒 長良 矢矧 球磨

第十四戦隊 大谷 入間 九十 隅田

第十駆逐隊 浦風 江風 羽風 凪風

第十一駆逐隊 追風 帆風 谷風 汐風

第十二駆逐隊 涼波 巻波 高波 大波

第十三駆逐隊 早波 沖波 浜波 長波


第三艦隊


第一航空戦隊 大鳳 龍鳳

第二航空戦隊 翔鳳 瑞鳳 神鳳

第十五戦隊 中津 伊古田 三沢 吉野

第十六戦隊 奥入瀬 渡良瀬 四万十 由良

第十四駆逐隊 秋月 新月 冬月 若月

第十五駆逐隊 涼月 照月 初月 春月

第十六駆逐隊 宵月 花月 夏月 満月


第四艦隊


第三航空戦隊 飛龍 蒼龍 雲龍

第四航空戦隊 瑞龍 神龍 翔龍

第十七戦隊 綾瀬 川内 神通 天龍

第十八戦隊 多摩 平井 龍田 加古

第十七駆逐隊 三日月 睦月 如月 皐月

第十八駆逐隊 文月 望月 菊月 長月

第十九駆逐隊 夕月 水無月 卯月 霜月


第一〜四戦隊の戦艦12隻、第一〜第四航空戦隊の空母11隻、第七〜十戦隊の重巡16隻、第十一〜十八戦隊の軽巡32隻、第六〜第十九駆逐隊の駆逐艦56隻から成っていた。


今回は、第一艦隊と第二艦隊そして第三艦隊が出撃していた。


これは、陸軍の南方作戦支援の南遣艦隊を除くほぼ全ての艦であった。


そして現在、第一戦隊、第二戦隊、第三戦隊、第四戦隊の順に戦艦が単縦陣を組み、その左側を第一艦隊の巡洋艦と駆逐艦が、右側を第二艦隊の巡洋艦と駆逐艦が囲んで進撃をしていた。


空母部隊である第三艦隊は、第一、第二艦隊の後方30海里を進撃していた。


その時、上空から多数の爆音が聞こえた。


参謀達が空を見上げる。


そこには日の丸の描かれた双発の爆撃機の編隊があった。


どの機も少なからず被害を受けているようで、対空砲火の激しさを想像させた。


「木更津空司令部より入電!」

「読み上げろ」

「はっ、

ワレ敵艦隊ノ雷撃ニ成功ス。巡洋艦一撃沈確実、戦艦一撃破。

以上であります」

「航空隊もなかなかやるではないか」

「しかし、潜水艦部隊の攻撃が不発だったのは痛いですな」


確かにそうだった。


前日、敵艦隊発見の一報を受け数隻からなる潜水艦部隊が攻撃を仕掛けたものの、どれも煮え切らない結果に終わり、逆に潜水艦2隻を失う損害を受けたのである。


だが、それは元々予想されていたことであり、気にするものはほとんどいなかった。


そして敵艦隊との接触を告げる報告が第一艦隊旗艦戦艦扶桑の艦橋に響いたのは、それからわずか40分後のことだった。


「報告します!水平線上に多数のマストを視認!

敵主力艦隊と思われます!」


「よし。全艦に通達だ。第一、第二艦隊の巡洋艦、駆逐艦は、対潜警戒の駆逐艦を残し全て突撃せよ。

第一から第四の各戦隊は、このまま直進、距離二五○(25,000m)から砲撃開始。以上だ。」


こうして、後にエニウェトク環礁沖海戦と呼ばれることになる戦いが幕を開けた。











すいません


次回から海戦パートになります。

少し多くなるので、もしかしたら2話に分けるかもしれません。

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