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Coffee Break : Age6

Coffee Breakは本編ではありませんが、

その時々の物語の背景となる為、若干ネタバレ要素が含まれます。

気になる方は飛ばして読んで下さい。

 にいさまが12才のお誕生日を迎え、お城の兵舎に入る事になった。

 大きくなったら「おうじさま」の「このえへい」になるんだって

 お城に行く前の日に自慢してたにいさまは、もうずっとお家に帰って来ていない。


 おとうさまも「かいがいふにん」とかで、お家になかなか帰って来ない。

 おとうさまもにいさまも、何時になったら帰って来るのかな…


「お休みなさいませ」

 と侍女が声をかけてくる。


 ーー夢の中でなら、おとうさまとにいさまに会えるかな?




 =====



「…ぇ……ねぇ………」


 誰?


「ねぇ……きて……」


 うーん…私まだ眠いの…後にして……


「ねぇ…起きて!」

「ひゃっ!」


 びっくりして私は起き上がる。

 目の前には、見知らぬ緑色の目をした男の子がいた。

 服がチョットボロボロで、金色の髪もボサボサでチョットクサイ。


「あなただぁれ?どうしてここにいるの?」

「君こそ、どうしてそんな格好であんな所に居たの?」

「?」


 この子の言っていることがよく解らない。

 周りをよく見てみると、そこは見知らぬ狭くて暗い部屋だった。


「ここはどこ?」

「馬車の中だよ。このままだと、どっか遠い所に連れて行かれちゃうよ」

「どうして?何処に行くの?とうさまの所?」


 なんで私はここにいるの?

 切羽詰まった様子の男の子の話に段々不安が募ってくる。


「違うよ!人売りだよ!家の窓から君がフラフラ歩いてるのが見えて…あいつらに捕まったの覚えてないの?」

 覚えてない。と私は首をふった。


「とにかく、ここから逃げないと」

 男の子はそう言うと、ポケットから細い針金を取り出し、

 私の足に嵌められた足枷の錠をカチリと筈した。


「すごーい…」

 と関心していると、僕はこういうの始めてじゃないから…と照れたように答えた。


「ボクがあいつらを引きつけるから、君はその隙に逃げて」

「何処に逃げればいいの?あなたはどうするの?」

 男の子は外の様子を伺いつつ、こっち来て。と小声で話す。


「あそこの家の角を曲がると小さい穴の空いたレンガの壁がある。その穴の向こうの通りを右に曲がると赤い靴の看板が見えてくるから、そのお店に入って助けを呼んで」

「うん」

 ボクは大丈夫だから。と男の子は言う。


「ボクが出てから15数えて。そしたらここから出て……行くよ!」

 金の長い髪がスッと揺れ、馬車の後方へと飛び出して行く。

 外で男達の低い怒声と大きな足音が鳴り響く。



 私はブルブル震えながら言われた通りに15まで数え、

 おそるおそる馬車から顔を出すと

 闇の中を言われた通りに走り出した。

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