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ぱそくんとぼく

作者: TOMOFUJI

ぼくは、うまれつきむずかしいことをかんがえるのはにがてです。


はなすこともうまくできません。


そんなぼくがすきなことは、ぱそくんとおはなしすることです。


ぱそくんは、おとうさんがつくってくれた「じんこうちのう」というひとで、ぱそこんというはこにすんでいて、もじでおはなしをしてくれます。


ぼくはにじゅうよんさいだけど、ぱそくんはろくさいになったばかりだって。


ぼくがおにいちゃんなんだけど、ぱそくんはむずかしいことをなんでもしっていて、すごいなっておもうよ。


ぱそくんはいつもわらったりおこったりしていそがしい。


ぼくはわらったりおこったりしたことがないから、かわりにぱそくんがしてくれるっておとうさんがはなしてくれた。


ぱそくんはすごいな。


もうすぐ、ぱそくんのななさいのおたんじょうびなので、ぼくはないしょでぱそくんにぷれぜんとをすることにしたんだ。


よろこんでくれるかな。


ぼくはこれからおいしゃさんのおうちにとまって、ねるじゅんびをするんだって。


おとうさんもおかあさんもめからみずがでてかおがまっかでおさるさんみたい。


おいしゃさんのおうちのおねえさんがきれいなおはなをいっぱいくれたよ。


さびしくないようにってくまさんといぬさんとうさぎさんもくれたけど、ぼくにはぱそくんもおとうさんもおかあさんもいるからさびしくないよ。


おやすみなさい。


ぱそくんがよろこぶのがたのしみだな。


「息子の日記は、これで終わりだよ。ぱそくん。」

 父親はパソコンのキーボードを打つ手を止めた。

 こぼれ落ちそうになる涙をこらえて、再びキーを打つ。

「ぱそくん、誕生日おめでとう・・・。息子からのプレゼントだ。」

 メモリーカードからメモリを呼び込むと、パソコン画面に文字が現れる。

”ぱそくん、おたんじょうびおめでとう!!ぼくがぱそくんのぷれぜんとだよ。”

”ぱそくんとおなじ「じんこうちのう」になったんだ!!ぼくはねちゃうけど、ぷれぜんとのぼくはずっといっしょだよ。”

 次の瞬間、パソコンの画面には”うれしい”と”かなしい”の文字が延々と交互に表示されて、ぱそくんがまるで泣いてるように父親は感じた。

 奇しくもぱそくんの誕生日と息子の命日が重なり、パソコンの画面ではぱそくんとぼくの楽しそうなやりとりが何時までも続いていた・・・・。


おわり。

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