「見たことのない人間」
俺は中学の時みごとな「中二病」だった。が、まさか高校にこんな奴がいるなんて…。
「はい。今日の授業はここまでです。さようならー」
ガヤガヤ…。
「おい。転校生。こちらへ来い。」
(まさか俺のコト!?)
「そう。お前のことだ。津我夜 雄太」
「なんで俺の名前知ってんだよ!?」
「おっと。私は、佐ヶ美 千差だ。」
(こいつ高校生にしては小さいな。しかも眼帯はなんなんだ?)
「私は小さくなどない。この目は神から受け取った天使の眼【Eye in the sky】だ。」
「おっ、お前何で心の中の声をッ!?」
千差は、ふっ。と笑った。
「あたりまえであろう。天使の眼はすべてを見れるのだから。」
(こいつ、中二病じゃないか?)
「私は魔術召喚師だ。中二病ではない。」
ゴすっっ!
そして、連れ出された。
(ここは…?)
「すまぬ。不覚にもなぐってしまった。」
「いや。絶対わざとだろっ!」
素早い突っ込み。声の主は左から。
「私は架空の生物【オーク】の使い手。星見すずです。」
「よろしく。雄太…。いえ、夜風【nightwind】」
がっシャっ―ン!!
「!?」
「新人と悪魔のお出迎えか。」
「では、一気に倒しますか。」
「血の契約に従い、我、汝の命令を聞け。天使の眼、召喚っ!」
「我の思い通りに動け。キメラを召喚するっ!」
すると、一陣の風が吹きあられた。
千差の手には見たことのない武器があった。
するどく、おおきく、10人がかりでも持てそうにない重たそうなやつ。
すずの傍ら。キメラといったが見た目は
小さく、犬みたいだった。が、その瞬間。
「悪魔」と呼ばれていた手を引きちぎった。
そして。
「キメラっ!横斜め下っ!」
「ガンティンクルっっ!」
吹っ飛ばした。そして消えた。
「どう?これが私たちの戦い。」
「けっこう修業したんですよ?」
「なんだ。お前ら!?」
「女王〖ツバサ〗につかえてる魔術召喚師だ。」
ふるえた。大地、空、そして空気も。