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タナカの異世界成り上がり  作者: ぐり
王国放浪編
47/114

Route47「もしあのまま戦っていたら……俺たちは全滅していた」

 著しい成長を遂げたタナカたち一行。今日も今日とてハル皇国を目指し東へと向かっていた。変わったことといえば堂々と街道を進んでいる点だろうか。慎重派のタナカにしてはめずらしい行動である。それは成長して自信を持った余裕からの行動なのか。はたしてタナカはそんなに単純な漢だっただろうか。謎は深まるばかりである。ただ確かに言えることといえばそんな彼を放置するほど世界は優しくないということだ。

 そして街道を進むさなか、ばったり出会うタナカたち一行と王国軍のとある小隊。それは必然だったのだろう。タナカたちはまったく気にしていなかったことだが、この頃にはすでにプリン王国も魔族による不穏な動きへの警戒を高めていた。その影響からか軍の動きは活発化し、分隊規模での巡回が頻繁に行われるようになっていたのだ。

 示し合わせたかのように立ち止まる双方。若干の間をおいて小隊から声があがる。


「ばっ、化け物!」


 そして間髪いれず反応するタナカたち。


「な、なんだと!」


 タナカ、スケさん、カクさんの三人が同時に後ろを振り返る。しかし当然誰もいない。実にお約束である。


「バカっぽいが油断するな!」


 分隊長から檄が飛び慎重に包囲しようと迫ってくる兵たち。それに対してタナカたちは……。


「ここは拙者が」


 一歩前にでて大鎌を構えるスケさん。


「念のため補助魔法だけでもかけておくか?」


 そして魔法をかけようと準備するカクさん。二人ともまったく動じていなかった。実に頼もしい漢たちである。それは成長した自分たちの力に対する確かな自信があったからだろう。しかしここでタナカから意外な指示が――。


「……二人とも。ここは退くぞ」


 いうが早いかひさしぶりの生活魔法「生氷」をみまう。タナカたちと小隊の間に出現する巨大な氷塊。あっさり追っ手を封じたタナカはスタコラサッサと逃亡する。そんなタナカの行動に深刻な事態を察したスケさんとカクさんも何も言わずに後に続くのだった。






「――ここまでくればひと安心か」


 現場からかなり離れたところで一息つくタナカ。そんなタナカに疑問の声をあげるカクさん。


「いったいどうしたってんだ? あの程度、今の俺たちなら楽勝だろう?」


 しかしタナカからはそれを肯定する言葉はなかった。


「バカ野郎!」


 めずらしく怒りをあらわにするタナカに戸惑うスケさんとカクさん。


「少し強くなったからって油断しすぎだ。もしあのまま戦っていたら……俺たちは全滅していた」


「なんと!」


「まじかよ……」


 驚愕の事実。スケさんとカクさんは驚きで言葉が続かない。


「俺はこれまで幾百幾千幾万と様々な戦いをこの目に焼き付けてきた……」


 もちろんアニメやゲームをはじめとする趣味から得た経験である。


「そして気付いたことがある。恐らくこれは神域に近づいたものだけが到達できる真理」


 スケさんとカクさんは息をのむ。今自分たちに伝えられていることの重要さを察し、ただタナカの言葉に聞き入った。


「凶悪な力で万事を成す巨人、自然をも操るドラゴン、奇跡へと到達した魔法をふるう精霊……。様々な強者を見てきたがいずれもより強きものに敗れ消えていった。それは人間――」


 あまりにも意外な答えに驚きを隠せない二人。そんな二人を気にせずタナカは話を続ける。


「人間は確かに弱い。ならば巨人が人間を滅ぼし繁栄できたか? ドラゴンが。あるいは精霊が人間を超える文明を築くことができたか? 否! 人間だけがその地位を約束されたかのごとく享受してきた。たとえ巨人が――、ドラゴンが――、精霊が! 天災をも超える破壊を人間にふるったとしてもだ。人間は絶望的な状況からでも再びたち上がり、成長し、努力を重ね、かならず困難を乗り越えてくる。どれほど強大な敵であってもやがてはお約束のように打倒し勝利するのが人間だ」


 それは二人を納得させ得る内容だった。真理を説くタナカに圧倒される二人。


「――わかるか? 真に恐るべきは人間なのだ」


「恐るべきは人間……」


 スケさんとカクさんはその言葉を深く噛みしめる。


「さっきの兵を率いていた男を見たか? だらしなく突き出た腹。短い足。鼻の穴からひょっこり顔を出した鼻毛。すべてが一つの結論に行き着く――。ヤツは間違いなく俺たちから勝利をもぎ取れる男だった……」


「……クッ」


 カクさんから悔しそうな声が漏れる。スケさんも何も言えずただ立ち竦んでいた。


「なにを俯いている。顔をあげろ。俺達はまだ負けたわけじゃない」


 スケさんとカクさんは見た。いつも以上に頼りがいのある自分たちのリーダーの姿を。


「俺たちが目指す高みはいまだ遠いが、俺にはその道筋がはっきりと見えている。安心して俺についてこい!」


 拳をつきだすタナカ。スケさんとカクさんも拳をつきあわせる。


「自惚れていたでござるよ。最強への道はまだまだ遠いでござるな」


「頼りにしてるぜ。リーダー」


 それは漢たちの新たな誓い。これからも彼らの前には困難が立ち塞がるだろう。しかし彼らが見せた深い絆があればどんな困難も乗り越えていけるはずだ。

 再び旅の一歩を踏み出すタナカたち。そこには先ほどまであった陰りなどひとかけらも残ってはいなかった。がんばれタナカ。負けるなタナカ。


(クックックッ、計画通り。これで俺のリーダーとしての地位も安泰だな)


 なんということか。先程この漢が知らせた危機、リーダーとしての風格。それらすべてがブラフ。演技だったのだ。

 最近かなりの成長をとげたスケさんとカクさん。この漢は心の奥底で二人の成長に危機感をつのらせていたのだ。このままでは自分のリーダーとしての地位を脅かすのではないかと。街で女の子に囲まれた場合に自分より話題をさらうのではないかと。そして読者の人気投票で自分を差し置いてトップに輝くのではないかと……。

 そしてタナカは悪魔の声に耳を傾けてしまった。仲間としての絆よりリーダーとしての地位を優先させたのだ。

 なんという悪。なんという小者!

 もはや悪のカリスマとして覚醒したと言っても過言ではないだろう。いまのタナカが街中で女子高生に声をかけるという脳内シミュレーションをなんのためらいもなくこなせる域に達しているのはまず間違いない。いや、それどころではない。このまま悪の道を突き進めば女子中学生に笑顔を向ける脳内シミュレーションまで達成しかねない。そう思わせるほどの極悪ぶり。

 そして道を進むタナカの顔に浮かぶにやけ顔。それはまさしく小者の極致。その小者臭さはもはや神の域に達したといえよう。しかしそれは当然のことなのかもしれない。もともと類まれなる小者の資質をもっていた漢が神の力をも継承したのだ。もはやどれほどの小者であろうとタナカの前では美女をはべらせた大物も同然。

 そんな小者の王は考える。先程の兵たちの警戒の高さ……。なにかやばいことが起きている――と。恐るべき小者の直感である。タナカはのん気に歩みを進めながら考えた。単独での街への侵入、そして情報収集の計画を。ついでに……、いやこちらこそが本命か。美女との出会いのチャンスを今度こそモノにしようとかたく心に誓ったのだった。






 プリン王国東部で最も栄えた都市ケタバナハ・オー。そこは王国東部の政治の中心であり財の集まる娯楽の街でもあった。豊かさを象徴するかのように行き交う人々の多くが華やかに着飾り、彼らが交わす会話は賑やかで、そしてどこか退廃的な空気を漂わせていた。その退廃的な空気を最も感じさせるのが街の中心にあるこの街の象徴、国営カジノという巨大な建造物にあった。

 街中以上に賑やかなカジノ内。そこでは多くの人が様々な賭けを楽しんでいた。その様相は街中と変わらずとても賭けに興じていられないように思える貧相な者までが見られる。しかしそれはこのカジノの一面でしかなかった。階をあがるとその様相は一変する。下の階に見られた下層民は見当たらず興じる人々が賭ける額は別次元。階を上がるほどにその傾向は顕著でどこか狂気のようなものを含み始める。

 そして最上階。そこでは狂気にとりつかれた者たちが残酷な催しに夢中になっていた。狂気に満ちた目を集めるのはひとつのテーブル。そこで対峙するとある二組。

 一組はこの街を守る軍のトップ。レッド将軍とその取り巻きである。大柄でがっちりした体躯のレッド将軍はまさに軍人らしい男だった。周りには美女をはべらせ壮年を感じさせない若々しさと覇気に満ちている。

 そしてこのレッド将軍とテーブルで向き合うのは一人の青年。ひょろりとした弱々しい姿はあまりにもレッド将軍と対照的だ。その顔立ちと濃い髪色からハル皇国の人間であることがわかる。


「突然こんな場所につれられてきて戸惑っているようだね。知ってのとおり君には皇国の諜報員という疑いが懸けられている。とはいえ証拠があるわけではない。せいぜい不信な行動をとる君を見た者がいるといった程度のものだ。しかし疑わしいものは罰せよというのが我が国のルールでね。残念ながら君は処刑されることになるだろう」


 ここまでだまって話を聞いていた青年はもともと顔色の悪かった顔をさらに青くする。レッド将軍はそんな青年を安心させるかのように笑顔を浮かべ話を続けた。


「自分で言うのもなんだが私は非常に慈悲深い男でね。君に最後のチャンスを与えようと思う。うすうす気づいていると思うが方法は簡単。私と賭けをして君が勝てれば無罪。負ければ有罪というわけだ。もちろん潔く刑に服すというのなら話は別だが?」


 青年に選択肢はなかった。ここに皇国出身の遊び人トビー・ザールの命を賭けたゲームが始まる。


「トビー君だったかな。最期のゲームとなるかもしれないんだ。存分に楽しみたまえ」


 二人の前にカードが配られていく。これから行われるカードゲームは異世界の勇者により伝えられたゲーム。いわいるトランプを使ったポーカーである。しかし若干ルールが特殊であった。双方持ち点30ポイント。中央に置かれた山から1枚ずつカードを引いていく。先にストレート以上の役を揃えたほうの勝ちで以下のポイントがやり取りされる。


ストレート 1ポイント

フラッシュ 2ポイント

フルハウス 3ポイント

フォーカード 8ポイント

ストレートフラッシュ 12ポイント

ロイヤル・フラッシュ 20ポイント


 どちらかの持ち点が0を割ったときゲーム終了。めったにないこととはいえ最悪開始二連続の大物手で敗北が決まる。そのプレッシャーが青年トビーを締め付けた。緊張で震えそうになる自分の手に必死に落ち着けと言い聞かせながら手札を確認するトビー。結果はノーペア。連番もなし。そして揃った(スーツ)も一組だけのバラバラ。まさに最悪のスタート。


「私の先行で始めさせてもらおう。フフフ、私はこのゲームに目がなくてね。とくにこのゲームで賭けをするのが大好きなんだよ」


 レッド将軍が余裕の笑みを浮かべながら山からカードを引く。特に悩むことのない手際で引いたカードを手札に加え別のカードを捨てた。

 一歩前進か。あるいは自分の手が進んだように見せかけ相手が大物手を狙うのを防ぐためのブラフか。レッド将軍の表情からそれを読み解く力はトビーにはなかった。

 いまはなにより手札を進めるのが最優先。トビーは自分にそう言い聞かせながら山からカードを引く。手札は進まず。せめて相手にプレッシャーを与えるため引いたカードを手元に残し別のカードを捨てた。


(フッフッフッ、甘いねえ。隠しきれない表情、しぐさ。私には君の考えが手にとるように分かるよ)


 レッド将軍の手札はすでにツーペア。流れは最初から完全にレッド将軍のものだった。それを証明するかのように山からの一枚で速攻のフルハウス完成。しかしレッド将軍はあがらない。迷うことなくさらにその上フォーカードを狙う。

 あまりにも圧倒的な差、絶望的な流れ。そんなことは露知らず自分の手札を揃えるので精一杯なトビーの次の番。またも前に進めずノーペア。ストレートやフラッシュへの道筋も見えない。

 その後、双方足踏みし2ターンを消化。その直後のレッド将軍の一手。


「フォーカード」


 レッド将軍の先制フォーカードに観客が沸きあがった。対照的にトビーの表情は絶望に染まる。いきなりの大物手。まだロイヤル・フラッシュで一発終了にはならないとはいえ手痛い一撃だった。さすがにトビーも気付く。

 大物手をまったく気取られないレッド将軍の手際のよさ。そして僅かの時間で大物手を完成させた手腕と引きのよさ。流れは完全にレッド将軍のもの。

 勝てるはずがない――。レッド将軍の最初の一手で心が折れるトビー。それでも勝負は終わらない。レッド将軍を楽しませるため、まわりに集まった客を楽しませるため残酷なショーは続く。

 フラッシュ、ストレートと一方的にあがり続けるレッド将軍。まるでドラゴンがウサギをいたぶるような戦いが続く。トビーが絶望の淵に立たされるのに時間はかからなかった。

 残り1ポイント――。まるで狙いすましたような状況。いや、実際まわりに集まった客を楽しませるために狙ったのであろう。その証拠に客の目は狂気に彩られていた。トビーの絶望の瞬間を期待して……。

 しかしここにきてトビーにチャンスが訪れる。始めての好感触。いままでの嫌な流れが嘘だったかのように手が進んだ。そしてストレートフラッシュまであと一歩。


(……ほう。なかなかいい手札が揃ったと見える。しかしそうそううまくいくかな?)


 レッド将軍がカードを捨てトビーの番。期待を隠し手に取ったカードをめくる。

 ストレート――。トビーの手がとまる。さきほどのレッド将軍の番。山からとったカードを手札に加えたのが三度目。もはや相手の役も完成間近まで来ているとみていい。となると次の自分の番があるかもあやしくなってくる。もし次にレッド将軍があがれば役がなんであろうと死――。しかしここで大物手をあきらめれば少なくとも間近の死からは逃れられる。ストレートであがれば残り2ポイント。もっともあがるのが容易いストレートでの死がなくなる。それは絶望の淵に立たされたトビーにとってあまりに魅力的。トビーはストレートを完成させ不要となったカードを捨てる。そしてストレートを宣言しようとしたその瞬間。


「――逃げるな」


 後ろから肩にかけられる力強い手。その声にトビーはストレートの宣言を踏みとどまる。後ろを振り向くとそこにいたのは漆黒。そう呼ぶに相応しい姿の漢がいた。


「なんだお前は? この神聖たる勝負に水を差すとは」


 レッド将軍から湧き上がるプレッシャー。その矛先を向けられていないトビーですら震えあがりそうになるプレッシャーだった。それをうけてなお変わらず佇む漢が言った。


「勝負か……。そう呼ぶにはあまりにも一方的すぎると思うがな。まあ弱者をいたぶり勝利するのに満足しているというのならばこれ以上口ははさまないが」


 飄々と言い返す漢。


「ほう、言うではないか。一方的な展開に私も飽き飽きしていたところだ……。いいだろう、舞台にあがるがいい。その余裕な態度、どこまで続くか私が試してやる」


 燃え上がるレッド将軍の闘気。しかし漢はそんなレッド将軍の気をあっさりと躱す。


「いや、この青年の勝負はまだ終わっていない。それに彼にも戦う理由があるのだろう? ならば俺は彼の戦いを手伝うだけにしておこう。それとも俺がついたこの青年に勝つ自身がないのかな?」


 さらに煽る漢。


「続けるぞ! 二人まとめて地獄に叩き落としてやる!」


 勝負は再開する。自分をおいたまま話が進んでしまい混乱していたトビー。レッド将軍がカードを引きようやく我に返る。


「アンタいったい何なんだよ?」


 声を抑えて文句を言うトビー。そんな彼に漢タナカは答える。


「フッ、ただの通りすがりのおせっかい野郎さ。それよりも勝負に集中しろ。これはお前の戦いなんだからな」


 トビーを勝負の表に立たせるタナカ。そう、これこそがタナカの狙い。なんだかわけがわからないうちに適当にごまかしてテーブルにつくこと。あくまで戦うのはトビーでタナカはただの手伝い。

 この漢、タダでゲームを楽しむつもりなのだ。

 なんというセコさ。なんという小者。当然ながらレッド将軍とトビーがここで戦っている経緯など知らない。トビーの命が懸っている勝負ということも当然知らないのだ。たまたまカジノに立ち寄ったところ人が集まっていたので何事かとやってきただけ。そしてノリでゲームにタダ乗りしたのだ。

 そしてタナカは直感した。それは彼にとっては当然の結論。このイベントはいかにも強そうなレッド将軍を一見弱そうな青年トビーが逆転勝利するテンプレ展開(おやくそく)だということ。

 そうとわかれば彼の行動はただ一つ。「この大波に乗るしかない」当然そう考える。そして調子に乗る。それはもう強気になる。ノリノリで相手を挑発しまくった。彼の頭に敗北の二文字はなく勝ち馬にのってゲームをタダで楽しむ気まんまんなのだ。


「おっと忘れていた。まさか『この勝負が終わったら結婚するんだ』なんてことは言わないだろうな?」


「こんなときになに言ってんだアンタは……」


 負けフラグがないことも確認できた。タナカは勝利を確信する。しかし彼は忘れていた。世界が彼に優しくないことに。こういうとき彼に舞い降りるのは勝利の女神ではなくいつだって笑いの神だったことに。

 こうして笑いの神が準備を整えるなかタナカの静かなる戦いは始まったのだった。


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