表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/31

第8話:うちのサンタが派手すぎる!

《 前回のあらすじ 》

ベイクを倒すアイデア、閃いたぜ!

おらチビども、せっせと作れ!

ノエルたちが製造部屋に突入してから

──数分後。

邪夢は地下ドームから抜け出し、周囲を見渡す。

「……くそ、工場は壊れ、妖精も逃げたか。

だが奴らはまだ逃げ切れていない。

何としても始末する」

皮膚の硬化が解け、代わりに全身から青い炎が噴き出す。

火炎放射器のように周囲を焼き払いながら、

ノエルたちの匂いを追って製造部屋の前まで辿り着く。

「ここか……奴らの匂いがする。隠れても無駄だ!」

魂まで灼けるような激しい炎の渦と共に、

扉がアイスクリームのように溶け落ちた。


室内は虹色の光が消え、薄暗い。

ほのかな金色の光だけが、隙間から漏れている。

邪夢が足を踏み入れると、

天井までぎっしり積み上げられたプレゼントボックスの壁が立ちはだかった。

「こんな物で俺を足止めできると思ったか?」

高笑いと共に、腕を一振り。

壁は炎と共に薙ぎ払われ、無数の箱が崩れ落ちる。

その瞬間──

まるで巨大なプレゼントの包みを開けたように、

壁の向こうから眩い金色のキラメキパウダーが爆発的に舞い上がった。

「これは……!?」

邪夢が眩しさに目を覆う間もなく、

妖精たちが忙しそうに、次々とプレゼントを生み出している。

そのたびに、新たな金色の粉が頭上から降り注ぐ。

「バカな……妖精どもの粉は、全て虹色の石で吸い取っているはず……!」

部屋の奥、

虹色の宝石が設置されていた場所で、

ノエルが腕を組み、満面の笑みを浮かべていた。

「馬鹿はお前だよ、邪夢おじさん」

足元に転がるのは、

銃弾を6発撃ち込まれ、完全に砕け散った虹色の宝石。

「こんな大事なもん、放置してたらダメだろ」

「き、貴様……何て事を!」

邪夢が顔面蒼白になる。

「思い返せば、お前が魔力を使う時って、いつも虹色の光を浴びてたよな。

つまりお前自身は、キラメキパウダーの力なんて使えねえんだろ。エルフだもんな」

「それは貴様も……!」

言いかけて、邪夢は言葉を呑み込んだ。

「そう、俺も妖精の力は使えねえよ。

だが──」

ノエルがニヤリと笑う。

「この部屋でせっせとプレゼント作ってるチビどもは?」

妖精たちが、声を揃えた。

「サンタさんに、プレゼントだよーっ!!」

その合唱に応えるように、

ノエルの前に金色の粉が集まり、

巨大な渦を巻きながら、形を成していく。

「貴様らぁぁぁぁぁぁッ!!

 全員焼き尽くしてやる!!」

風が唸り、床がひび割れ、天井が震動する。

金色の粉は光の奔流となり、

圧倒的な質量と輝きを持って凝縮していく。

ズズズズズズズズッ!!

現れたのは、

砲身だけで十メートルを超える、

黄金に輝く対戦車砲。

砲身には、

「To the Worst Santa Ever ♡ From Fairie

(最悪サンタへ♡ 妖精より)」と刻印されていた。

ノエルは、嬉しそうに舌打ちする。

「……チビどもめ……なんだよこのメッセージ」

そして、

満面の笑みで、

邪夢を真正面から見据える。

「邪夢おじさん。

お前が奪った分、返してもらうぜぇ!」

引き金を引く。

ドゴオオオオオオオッ!!!!!

金色の光弾が、

螺旋を描きながら射出。

空気が焼き払われ、軌跡に巨大なクリスマスツリー型の残光が残る。

光弾は、

邪夢の胸を正確に貫いた。

「──バカな……!

 この俺が……!

 俺の野望がぁぁぁぁ!!!」

邪夢の体内で、

奪い続けた膨大な魔力と、

解放された純粋な魔力が激突。

暴走。

爆発。

虹色の業火が逆流し、

肉体が内側から黄金に染まっていく。


挿絵(By みてみん)


光の柱が、工場を貫き

北極の空を突き抜け、

オーロラを押し退けて天へと昇る。

それは巨大な黄金のクリスマスツリーのように、

北極圏全域を優しく照らし出す。

光がゆっくりと薄れていく。


静寂。

ノエルは大砲にもたれたまま、得意げに

「……世界一ド派手なツリーだろ」

と呟いて、ピースをしてみせる。

妖精たちが羽を震わせ、

涙を流しながら大きく拍手した。

クランプスは、ノエルのすぐ横に座ったまま、かすかに目を開けて、

掠れた声で、ほとんど唇の動きだけで。

「……本当に最低な……サンタですわ……」

一呼吸。

「……でも……」

もう一呼吸。

「……最高……です……」

言葉が途切れる。


ノエルはピースの手を下ろし、

何も言わずにクランプスの手をそっと握った。

雪が降りしきる中、二人の握った手だけが、

まだ確かに熱を残していた。

──ここまで読んでくれた良い子たちへ。


お疲れ様だったな。

だが、まだ帰るなよ?


・次のエピソードは12月23日、20時に投稿予定だとよ。

 メリークリスマス、良い子たち!


・ブックマークしてない奴、手あげろ。

 ホールドアップしろとは言ってねえ。


・活動報告も要チェックだ。

 小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。

 本編が待てない良い子は、そっちも読め。


──ノエルより。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ