第7話:うちのサンタがハッキリ言いすぎる!
《 前回のあらすじ 》
ブラックサンタが死にそうなので、
トナカイを死ぬほど走らせた。
半壊した工場本館は、悲鳴と羽音と火花の嵐だった。
パニック状態の妖精たちは、クランプスの姿を見ると恐怖のあまり、壁や天井を無意味に飛び回り、
「私たちを地獄へ連れてく気!?」
「ブラックサンタが工場を壊したんだー!」
と泣き叫んでいる。
ノエルは瀕死のクランプスを抱えたまま、血まみれの顔で怒鳴った。
「チビども、静かにしろ! こいつはそんなんじゃねえ!!」
だが、妖精たちはますます怯えて逃げ惑う。
その時。
ノエルの腕の中で、クランプスが血を吐きながら、
震える手をやっとの思いで上げた。
「……み、みなさん……」
ほとんど息だけの、掠れた声。
「……怖がらないで……
……私……動けません……から……」
妖精たちが、ぴたりと動きを止めた。
「え……?」
「ブラックサンタ……血だらけ……?」
「死んじゃう……?」
クランプスは、血まみれの顔で、
優しく、優しく微笑んだ。
「……だから……
……落ち着いて……
守ります……から……」
妖精の一人が、震えながら近づいてきて、
クランプスの血に染まった手を取った。
「私たちを……助けてくれるの?」
ノエルが、はっきりと告げる。
「言っとくがな。
地獄送りに相応しいのは、お前らのボス──ベイクだ。
工場が壊れたのも、お前らの魔力が枯渇してたのも、ぜんぶあいつの仕業だ。
こいつは……命懸けで戦ってくれたんだよ」
妖精たちが、涙を浮かべて、
ゆっくりとクランプスの周りに集まり始めた。
「ブラックサンタ……!」
「助けなきゃ……!」
小さな羽が震え、
残り少ない魔力を振り絞って、
虹色の光がぽつぽつと灯り始める。
「みんなで……ブラックサンタを!」
「治療……できるよね!」
妖精たちが輪になり、
小さな手を繋いで、
魔力を一点に集中させる。
虹色の光が金色に変わり、
クランプスの体を優しく包み込んだ。
傷口が光り、
折れた骨が音を立てて繋がり、
血が止まり、
息が少しずつ戻っていく。
妖精たちの頬にも涙が伝う。
「ブラックサンタ、生きて!」
「私たち、ちゃんとわかったから…!」
その光景を、
ノエルは、ただ呆然と見つめていた。
──妖精たちが、自分たちの残り少ない魔力を集中させて、大きな奇跡を起こしている。
その瞬間、
ノエルの脳裏に、閃いた。
「……そうか……これだ!!」
クランプスをルドルフの背にそっと横たえ、
妖精たちを両腕に抱え込んだ。
「ルドルフ! 製造部屋へ急げ!!」
「了解! でもノエル、この混乱でプレゼントを奪うのは無理だよ!?」
「違う、チビどもに“もっと作ってもらう”んだよ!
あいつをぶっ倒すには、これしかねえ!
1人残らず、俺についてこい!」
──ここまで読んでくれた良い子たちへ。
お疲れ様だったな。
だが、まだ帰るなよ?
・次のエピソードは12月20日、20時に投稿予定だとよ。
ベイクと最終決戦だぜ!
・ブックマークしてない奴、手あげろ。
ホールドアップしろとは言ってねえ。
・活動報告も要チェックだ。
小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。
本編が待てない良い子は、そっちも読め。
──ノエルより。




