第5話:うちのサンタが煽りすぎる!
《 前回のあらすじ 》
ベイクを追い詰めたら変身しやがった。
ネーミングセンスが壊滅的にヤバいぜ!
「名前ダサくね? ジャムって……」
「黙れ!邪悪な夢で邪夢だッ!」
「ジャムおじさん怒ってる~♡」
「黙らんかあッ!!」
邪夢が両腕を広げた瞬間──空気が歪んだ。
地下ドーム全体がゴムのように歪み、温度が一気に跳ね上がる。
鉄骨が真っ赤に焼け、溶け、ドロドロの鉄の雨となって降り注ぐ。
ズドォン!!
邪夢が一歩踏み出す。
それだけで熱波が広がった。
邪夢の口が、裂けたように拡がる。
ゴオオオオオッ!!
虹色の熱線が渦を巻いて吐き出された!
「っ——!」
ノエルはルドルフを蹴り飛ばし、同時に反動で横に跳んだ。
熱線が二人の間を紙一重で薙ぎ払う!
ズザアアアアッ!!
掠った熱風だけで、サンタ服の裾が黒焦げに炭化し、レッグウォーマーのモコモコがジュッと煙を上げた。
直撃した地面は一瞬でドロドロのマグマ溜まりへと変貌している。
「ちっ! 色んな意味でヤバいぜルドルフ」
「煽りまくったキミもヤバいけどね、ノエル」
ノエルが、笛を6回、思いっきり吹く。
影が不気味に蠢いた。
銀髪を熱風に靡かせながら、クランプスが、影から滑り出る。
「笛は1回で済ませ——」
その言葉を遮るように、邪夢の両腕がドロドロと溶け合い、
巨大な溶岩の槍へと変形!
ドゴォォォォォォン!!
轟音と共に突き出される!
先端の熱だけで空気がプラズマ化し、空間ごと焼き払う赤い軌跡が走る!
クランプスは影に潜って回避するが、熱風だけで銀髪がチリチリと焦げ、ヤギの帽子が焼き飛んだ。
ノエルが叫ぶ。
「クランプス、プレゼント袋を俺用に切り替えろ!」
「もうとっくにそうしてますわよ!」
クランプスの袋が開き、中から飛び出した物がノエルの手に、ドサッ!とおさまった。
──この袋は、ただの袋ではない。
元々は「悪い子を地獄へ送るための転送アイテム」。
だが、同時に「サンタクロースの為の、無限の倉庫」でもある。
先代ニコラウスの時にはクリスマスプレゼントの保管に使われていたが、ノエルの代になってから、この袋は完全に「武器庫」と化していた。
そこから現れたのは、両手で抱えるほどの巨大な、黒光りするアサルトライフル。
銃身には
「Bad Children Get This♡
(クソガキどもにくれてやるぜ♡)」の刻印。
マガジンは50発装填の弾丸。
引き金を絞る。
ダダダダダダダダダッ!!
50発の弾丸が、毎秒30発の速度で邪夢に叩き込まれた!
火花が爆ぜ、弾丸の雨が激しく降り注ぐ。
だが……!
弾丸は全て表面で跳ね返され、邪夢の体に傷一つ付けられない。
ノエルは舌打ちし、ライフルを投げ捨てる。
「ちっ……ならこうだ!」
再び袋から飛び出したのは、軍用の特殊閃光弾。
ピンを抜き、邪夢の足元に投げ込む。
一拍。
バアアアアアアアアアア!!!
鼓膜が破れる轟音。
視界が真っ白になる強烈な閃光。
邪夢が「ぐおおおおっ!?」と叫び、両手で顔を覆い、でたらめに拳を振り回す。
風圧だけで鉄骨が曲がり、床が波打つ。
その混乱の中、ルドルフが動いた。
赤い長靴が、まるで昔話から飛び出してきたように彼の足に収まっている。
「取り出せるのはノエルの武器だけじゃない。
一晩で世界の空を駆ける──それを可能にするのが、私の長靴さ」
シャン!
長靴の鈴が澄んだ音を立てた瞬間、金色の光が爆ぜる。
「ご覧あれ……って、ああ」
ルドルフの全身が、金色に輝く!
「残念。今のキミは、目が見えないんだっけね」
次の瞬間。
──シュパッ!!
風が、裂けた。
ルドルフの姿が消える。同時に、邪夢の巨体が「何か」に弾き飛ばされる。
超音速の突進──トナカイブースト!
隕石が直撃したかのような衝撃に、邪夢の巨体が大砲の弾のように、壁にめり込んだ。
「グオオオオッ!?」
邪夢の咆哮が遅れて響く。
衝撃波が轟音となって広がり、ドーム全体が地鳴りを上げて揺れた。
──ここまで読んでくれた良い子たちへ。
お疲れ様だったな。
だが、まだ帰るなよ?
・次のエピソードは12月16日、20時に投稿予定だとよ。
俺がマジギレしちまう展開だぜ!
・ブックマークしてない奴、手あげろ。
ホールドアップしろとは言ってねえ。
・活動報告も要チェックだ。
小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。
本編が待てない良い子は、そっちも読め。
──ノエルより。




