第30話:うちのサンタが締めくくりすぎる!
《 前回のあらすじ 》
餅と銃の相性がマジ最悪だった
ノエルが液体窒素銃のトリガーを握りしめ、ターミネーター2のワンシーンを真似て叫んだ。
「Hasta la vista, baby!!」
モチラに向かって白い霧を全力で噴射する!
スプレーのノズルから極冷の霧が爆発的に広がり、常夏の空気を一瞬で凍てつかせていく。
霧がモチラの巨体に触れた瞬間、柔らかい餅の表面がカチカチと甲高い音を立てて硬化し始める。
最初は足元から。
砂浜に触れていた部分が霜をビッシリ張り、青白く輝き出す。
モチラが「モチィ……?」と首をかしげるように体を動かそうとするが、足が固まってビクともしない。
霧は上へ上へ上がり、ミカンの背びれをシャーベットみたいに凍らせ、ボタンの黒目をキラキラの氷玉に変える。
口から垂れていたぜんざいが途中で固まり、氷柱のようにピキピキと伸びて止まる。
50メートル級の体全体が、まるで巨大な氷の彫刻みたいにカチンコチンに変わっていく。
周囲の気温が急降下し、ヤシの葉が霜で白くなり、プールの水面が薄い氷膜を張る。
妖精たちが「冷たいー!!」「でも面白いー!!」と羽を震わせて飛び回る。
ノエルがスプレーを振り回しながら、息を切らして大笑い。
「ははっ!! 効いてる効いてる!! 体がバキバキ凍ってきてるぜ!!」
ルドルフが餅まみれの体を震わせて叫ぶ。
「冷たすぎるよノエル!! 鼻が凍りそう!!」
クランプスは水着姿のまま、餅の糸を払い落としながら、身震いする。
黒のビキニに薄いパレオを巻いた体が、冷気にさらされて鳥肌立ち、銀髪が霜で少し白く輝き始める。
「この寒さ、餅まみれの体がさらに冷えて……肌がピリピリですわ……
水着でいるのが間違いでしたわね……」
息を吐くたびに白い霧が立ち、優雅に腕を抱えて震えながらも、ノエルを睨むような微笑みを浮かべる。
「ノエル、早く終わらせてくださいませ……このままじゃ、私まで凍ってしまいそうですわ……」
ミニ均衡神が欠片を食いながら、
「冷やして硬くするとは……やるのお、エロサンタ」
モチラの体が完全に凍りつき、青白い氷の巨像と化す。
「モチ……ィ……」
声まで凍ってカクカク。
ノエルがスプレーを捨ててニヤリ。
「今だ、クランプス! やるぜ!!」
クランプスが震えながらも、ルビーの瞳を輝かせる。
「サンタの銃だけじゃ、この怪獣は倒せませんものね」
ノエルが銃を構えて返す。
「ブラックサンタの影だけでも無理だろ? 一緒にやるから最強なんだよ!!」
黒い影が爆発的に伸び、ノエルのコルト・ガバメントを完全に包み込む。
影の触手が銃の表面を這い回り、銃口が禍々しく蠢めく。
闇の粒子がキラキラと舞い、銃全体が悪魔の咆哮を待つ獣のように黒光りした。
「──『ヘルズ・ガバメント』!!」
ノエルが引き金を絞る。
ドドドドドドドドド!!!!
影の力が込められた黒い弾丸が嵐となって凍ったモチラに叩き込まれる。
凍った餅の表面に弾丸が当たるたび、バキッ! バキバキッ!! と派手な音が響き、ヒビが入る。
ヒビが広がり、凍った体が内側から砕け始め、シャーベットみたいな破片が四方に飛び散る。
ミカンの背びれがポロッと落ち、黒目ボタンが転がって妖精に当たる。
モチラが最後の「モチィ……」と弱々しい声を上げて、
ドガアァァンッ!!!!
大爆発した!
破片は全部パリッパリのおかきに変質し、ぜんざいと共に、リゾートに降り注ぐ。
ノエルが銃をホルスターに納め、満面の笑み。
「ははっ!! やったぜ!! 凍ってバキバキ割れる音、映画より最高じゃねえか!!」
ルドルフが餅まみれの体からおかきを剥がしながら、
「辺り一面がおかきだらけだけど、勝ったからいいか…」
クランプスが銀髪のおかきを払い落とし、優雅に微笑む。
「ですわね…お掃除どうしましょう」
ミニ均衡神がきなこ欠片を食って満足げ。
「うまいっ!」
妖精たちがおかきをキャッチして大喜び。
「おかき雪ー!!」「美味しいー!!」「鏡開き大成功ー!!」
鏡開きは、ちょっと(かなり)派手になったけど、
めでたしめでたし……だった。
(次章、鏡開き編が大団円!?)
──ここまで読んでくれた良い子たちへ。
お疲れ様だったな。
だが、まだ帰るなよ?
・次のエピソードは1月17日、20時に投稿予定だとよ。
・ブックマークしてない奴、手あげろ。
ホールドアップしろとは言ってねえ。
・活動報告も要チェックだ。
小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。
本編が待てない良い子は、そっちも読め。
──ノエルより。




