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第26話:うちのサンタが策士すぎる!

《 前回のあらすじ 》

チビどものおかげで旅路が地獄だった

青い海。

白い砂浜。

ヤシの木が風に揺れる楽園。

贅沢な作りの宿泊ヴィラがあちこちに建ち、インフィニティプールが海とつながってキラキラ輝いている。

貸し切りなので、プライベートビーチは人影一つなく、波の音とヤシの葉のささやきだけが響く。

プールサイドにはデッキチェアと大きなパラソルが並び、BBQグリルが炭の匂いをほのかに漂わせて待機中。

リゾート全体が弁財天の「映え」仕様で、プールの底に金色の七福神マークが輝き、ヤシの木に小さな福袋がぶら下がっている。

ソリが砂浜にドカーンと着地。

砂煙が上がり、妖精たちがワーッと飛び散る。

ノエルがソリから飛び降り、息を切らしながらも満面の笑み。

「着いたぜ!! 常夏だ!! 海だ!!

最高の場所じゃねえか!!」

ルドルフが砂に突っ伏して。

「はあはあ…やっと着いた…脚がガクガクだよ…地獄の旅だった……」

クランプスが優雅に降り立ち、少し髪を乱れさせながら。

「しばらくソリは見るのも嫌ですわ…」

そのとき、砂浜の奥から穏やかな声が響く。

「おいおい、みんな無事かな? 派手な着地だったね」

黒髪を短く整えた長身の青年が、ホテル制服姿で近づいてくる。

白いシャツに黒のベスト、ネクタイがきっちり。

肌は日焼けした健康的な色で、笑顔が爽やかすぎて眩しい。

名札に「ゼクス」と書いてある。

ヘトヘトのノエルたちに、冷えたトロピカルジュースのトレイを持ってきて、みんなに配り始めた。

「旅大変だったろ? まずはこれ飲んでくれ。冷えてるよ」

ノエルがジュース受け取ってゴクゴク飲み、ニヤリ。

「おお、スタッフか! 気が利くじゃねえか! このリゾート、いい奴いるな!」

ルドルフがジュース飲んでため息。

「ふう…生き返る……ありがとう……」

クランプスがジュースを優雅に飲んで微笑む。

「お気遣い、ありがとうございます」

妖精たちが青年の周りを飛び回り、

「イケメンー!!」「ジュースありがとうー!!」

ゼクスが苦笑いしながら妖精にジュースを少し分けてやる。

「はは、みんな元気だね。

僕、このホテルのスタッフのゼクスだよ。

七福神様のイベント手伝ってるんだけど、君たちのソリ着地、遠くから見ててびっくりしたよ。

みんなゆっくり休んでね。何かあったら呼んでくれ。いつでも飛んでくるから」

ノエルがニヤリ。

「頼もしいぜ、ゼクス! また何かあったら頼むな!!」

ゼクスが親指立てて笑う。

「任せてよ」

そのとき、ビーチの奥からゆったりした声が響く。

「ノエルちゃんたち、おっそーい! もうみんなでのんびりバカンス満喫中だよ~♡」

弁才天がピンクのビキニ姿でスマホ片手に、のんびりやってきた。

後ろには七福神がそれぞれ超リラックスモード。

恵比寿は鯛を抱えたままサングラスかけてデッキチェアで寝そべり、トロピカルジュースをゆっくり飲んでいる。

「いやー、南国最高じゃのう~ 鯛もはしゃいどる」

大黒天は米俵模様の浮き輪でプールに浮かび、ビール片手でのんびり。

「浮かびながら飲む泡酒、格別じや!」

布袋は腹を出して砂浜で日光浴、アイスクリームをゆっくり舐めながら大笑い。

「ははは! 腹が焼けて熱いぞー! アイス溶けるのが早くて面白い!」

福禄寿と寿老人はパラソルの下で将棋を指し、トロピカルカクテルをちびちび。

「ふむ、長寿の秘訣はバカンスじゃのう」「知恵も冴えるわい」

毘沙門天だけはいつもの甲冑のままで汗だく。

プールサイドで槍を磨きながら、のんびり座っている。

「ぬう……この暑さ、戦場より厳しい……甲冑が熱い……しかし脱ぐと武神の矜持が……」

大変な旅路でヘトヘトのノエル一行と、超のんびりリゾート満喫中の七福神。

その差が一目でわかるほど、七福神は完全にリラックスしきっていた。


弁才天がノエルに抱きついてくる。

「ノエルちゃん、ようこそ~! 鏡開き会場はあっちの特設テントよ!

妖精ちゃんたちもたくさんいるみたいだから、みんなで食べようね!

あ、そうだ! ノエルちゃんとクランプスちゃんに、水着用意したの~♡」

弁才天がピンクの紙袋を差し出す。

ノエルとクランプスが袋を覗き込み、顔が凍りついた。

袋の中身は、紐のような細い布とリボンだけで構成された、もはや水着の概念を超越したきわどすぎる何か。

金色のハートチャームがジャラジャラついて、弁才天ブランドのタグが「Extreme Sexy ♡」と輝いている。

ノエルが袋を頭上高く掲げて絶叫。

「これ水着じゃねえ!! ただの紐とリボンじゃねえか!! 着たら即逮捕だろ!!」

クランプスが袋を遠くに放り投げて、顔を真っ赤にしながら叫ぶ。

「却下ですわ!! ふしだら過ぎます!!」

弁才天が目をキラキラさせて、

「えー! 絶対似合うのに~! 映え抜群だから着て着て~♡」

ノエルが弁才天のスマホに気づき、急にニヤリ。

「おい弁才天、チビどもを撮影してろよ。

あいつら今、海で大はしゃぎだぜ」

弁才天の目がキラーンと輝く。

「え、マジ!? 妖精ちゃんたちの水遊びシーン!? 超映える!!」

弁才天がスマホを構えて妖精たちに向かってダッシュ。

「待ってー!! 妖精ちゃんたち、こっちこっち~♡ 可愛いポーズしてー!!」

妖精たちが「えへへー!!」「撮って撮ってー!!」と大喜びで群がる。

ヘトヘトのノエルたちは、ようやくデッキチェアに崩れ落ちた。

旅の疲れがどっと押し寄せ、誰も動く気力がない。

「…海は綺麗だけどよ……旅が地獄すぎて、すぐ満喫とか無理だぜ……」


(次章へ続く! 鏡開き会場で何も起きないわけがない!!)

──ここまで読んでくれた良い子たちへ。


お疲れ様だったな。

だが、まだ帰るなよ?


・次のエピソードは1月13日、20時に投稿予定だとよ。

・ブックマークしてない奴、手あげろ。

 ホールドアップしろとは言ってねえ。


・活動報告も要チェックだ。

 小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。

 本編が待てない良い子は、そっちも読め。


──ノエルより。


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