第25話:うちのサンタが光りすぎる!
《 前回のあらすじ 》
チビどもがいつの間にか組合作ってた
──翌朝。
超音速ソリが北極の空を切り裂いて飛び立った。
ルドルフが全力で引っ張り、赤い長靴の鈴がシャンシャン鳴り響く。
だが、妖精たちが数百匹、平均6センチの小さな体でキラキラ光りながらソリの周りを飛び回り、羽音が爆音を立てて雲を吹き飛ばす。
ソリはまるで巨大なキラキラの積乱雲に包まれたようになっていた。
ノエルは後部座席にどっかり座り、膝に銃を置いて目を細める。
「ははっ、派手でいいじゃねえか!」
しかし、妖精たちの羽音がエゲツない。
ブンブンブンブン!!
まるで巨大な蜂の群れが襲ってきたみたいに、ソリがガタガタ揺れる。
妖精がソリの縁に止まって休憩したり、風に煽られてソリにぶつかったり。
ルドルフが汗だくで叫ぶ。
「ノエル!! 前が見えないよ!
妖精が光りすぎて目がチカチカする!!
風抵抗も増えてるから、かなり速度落とさないと墜落する!!」
妖精たちが「わーい!!」「もっと速くー!!」「見て見て雲ー!!」と無邪気に騒ぎながら飛び回る。
一匹がルドルフの角に止まって休憩し、ぴょんぴょん跳ねる。
「ちょっと! きちんと飛んで!
私の角は休憩所じゃないよ!!」
妖精が「えへへ!」と笑って飛び立ち、また別の妖精が止まってぐるぐる回る。
ルドルフが涙目で。
「もう限界……角が妖精の遊具になってる……」
ノエルが銃を握りしめて叫ぶ。
「チビども、ちょっと落ち着けよ! この光、最初はかっけえと思ったけど、目が回るぜ!」
妖精だけは変わらず大はしゃぎ。
猛烈な羽音が耳を刺し、飛び交う光が視界をチカチカさせる。
旅客機レベルまで速度を落としたせいで、この状態が何時間も続く事になった。
ノエルがだんだんイライラし始める。
「この羽音……頭の中でガンガン響きながらリピートされる!」
しかも、妖精が「見てあれ!雲の形面白いー!!」と興味あるものを見つけてはそちらに飛んでいくおかげで、迷子になりかける個体がちらほら。
クランプスが影の触手で迷子妖精を優しく引き戻し、穏やかだけど少し焦った声で、
「ちょっと、みんな!
雲の方に行っちゃダメですわよ。
ちゃんとソリの近くにいてくださいね」
妖精が「えへへ、ごめんー!」と笑って戻ってくるけど、すぐにまた別のものが気になる。
別の妖精が「かわいい鳥さんー!!」と遠くに飛んでいきそうになるのを、クランプスが影でそっと包んで引き戻す。
「ほらほら、みんなまとまって! はぐれたら危ないんですから」
ノエルが疲れた声で、
「クランプス、お前完全に幼稚園の先生じゃねえか……」
クランプスが少し頰を赤らめて、
「貴女のせいですわよ! この子たちを甘やかしたのは誰ですの!」
ルドルフが完全に妖精の遊具と化しながら
「せめて目だけは塞がないで……」
妖精だけは変わらず元気満々で「もっと飛ぼー!!」と飛び回る。
ほどなくして、最悪サンタの一行は、クリスマスに世界一周した時とは比べものにならない疲労にどっぷりと包まれていた。
(次章へ続く! リゾート到着でどんな騒動が待ってる!?)
──ここまで読んでくれた良い子たちへ。
お疲れ様だったな。
だが、まだ帰るなよ?
・次のエピソードは1月12日、20時に投稿予定だとよ。
・ブックマークしてない奴、手あげろ。
ホールドアップしろとは言ってねえ。
・活動報告も要チェックだ。
小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。
本編が待てない良い子は、そっちも読め。
──ノエルより。




