第24話:うちのサンタが甘やかしすぎる!
《 前回のあらすじ 》
弁財天のアホをかなり見直した!
ルドルフのカップがガタンと震え、コーヒーが少しこぼれる。
「南国…雪じゃない…熱い砂浜で日光浴…毛がふわふわに乾かせて、ビーチで走り回れる…」
クランプスもクッキーを食べる手を止め、ルビーの瞳を細めて微笑む。
「太陽の下でクッキーと紅茶を味わいながら、ビーチチェアで読書…素敵ですわね」
ノエルが拳を握りしめ、立ち上がる。
ポップコーンが床に散らばったまま、満面の笑みを浮かべる。
「よし、行くぜ! 南国バカンスだ!!
ルドルフ、今すぐソリの準備! クランプス、プレゼント袋忘れるなよ!」
ルドルフが尻尾を振りながら立ち上がる。
「了解、ノエル! 長く生きてるけど、こういうのは初めてでワクワクしちゃうね」
クランプスが優雅に立ち上がり、クッキー袋を抱え直す。
「お茶セットも持参しますわ。それに水着と…」
──その瞬間。
家中の壁や天井、暖炉の裏、キッチンの棚から、パタパタパタパタパタパタ!!
妖精たちが雪崩のように数百匹、キラキラした羽を震わせて飛び出してきた。
小さな体で部屋中を埋め尽くし、興奮した声が重なり合う。
「バカンス!?」
「南国!?」
「海!? 泳げる!?」
「サンタ達だけずるいー!!」
「私たちも行きたいー!! 有給取るー!!」
ノエル、顔を引きつらせて叫ぶ。
「お前ら…工房から出てくんなって言っただろ?」
一匹の妖精が、得意げに羊皮紙を掲げて飛んでくる。
「見て見て! 契約書だよ! ノエルサンタの字ででっかく『好きにやってろ』って書いてある!!
だから住むところも自由だし、有給休暇もバカンスも好きに取れるよね?
妖精組合の権利じゃー!!」
クランプスが紙を覗き込み、深いため息をつく。
「…本当に白紙にノエルの字で『好きにやってろ』だけですわね。
最悪な契約ですこと。組合まで作られてしまって…」
ノエルが肩をすくめて笑う。
「まあ、いいだろ。
好きに付いてこいよ、チビども。
お前らも一緒に飛ぶと、台風みたいになるだろうけどな!!」
妖精たちが大興奮の渦。
「やったー!!」「バカンスだー!!」「常夏ー!!」「水着作ろー!!」「砂のお城100個作るー!!」
ルドルフが耳を塞ぎながらぼやく。
「…羽音がエゲツないことになりそうだよ」
こうして、北極の最悪サンタ一行は、
常夏リゾートのバカンスに向けて準備を始めた。
きっと平和な旅行になる…多分!
(次章へ続く! 超音速ソリで地獄の旅路が始まる!?)
──ここまで読んでくれた良い子たちへ。
お疲れ様だったな。
だが、まだ帰るなよ?
・次のエピソードは1月11日、20時に投稿予定だとよ。
・ブックマークしてない奴、手あげろ。
ホールドアップしろとは言ってねえ。
・活動報告も要チェックだ。
小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。
本編が待てない良い子は、そっちも読め。
──ノエルより。




