第18話:うちのサンタがホイホイすぎる!
《 前回のあらすじ 》
アホ弁財天とうちのジジイ、
趣味似てんなーと思ったら、映え友だった、
ノエルはミニ袴の裾をぱたぱたと払い、胸元の巨大な金鈴がジャラジャラジャラジャラとけたたましく鳴るのを気にしながら、本殿へと足を踏み入れた。
鈴の音が廊下にこだまし、まるで「貧乏神ホイホイ」がフル稼働しているみたいだ。
七福神は本殿の手前でピタリと立ち止まり、遠巻きに見守る。
毘沙門天だけが槍を握りしめ、悔しそうに歯噛みしながら「くっ……」と唸っている。
本殿の奥は、まるで何十年も人が入っていないかのように薄暗く、埃と古い線香の匂いがむわっと立ち込めていた。
中央に、古びた賽銭箱がポツンと鎮座している。
普通の賽銭箱とはまるで違う。木は真っ黒に変色し、表面には不気味なシミが浮き、周囲には黒い霧がゆらゆらと蠢いている。
箱全体が、まるで生き物の心臓みたいに、ドクン……ドクン……と微かに脈打っていた。
ノエルは眉をひそめ、鼻をひくつかせる。
「……なんでこんな奥に賽銭箱あんだよ?
めっちゃヤバい雰囲気じゃねえか……」
試しに胸鈴を軽く振ってみる。
ジャラ……ジャラ……
瞬間、賽銭箱がガタガタガタッ!と小刻みに震え始めた。
最初は小さく、次第に激しく、まるで中で誰かが暴れているみたいだ。
箱の中から、少女の震え声が響いてくる。
「や、やめよ……!
余はそんな鈴に釣られるような神では……あうううううう!!」
ノエル、目を丸くしてニヤリ。
「こいつマジで鈴に誘引されてんのかよ!?」
鈴をジャラジャラジャラジャラジャラ!!と高速シェイク開始。
すると、ズルズルズルズルズルル!!
箱から小さな女の子が、まるで掃除機に吸い出されるゴミみたいに引きずり出されてきた。
髪は根元が灰色で毛先が金色に輝くグラデーション。
頭のてっぺりから一本だけ、ピカピカッ!!と光る金のアホ毛がぴょこんと跳ねている。
瞳は右が黄金、左が灰色。
元は豪華な和服風ドレスだったはずなのに、今は継ぎハギだらけで穴ボコボコ。
でも生地や金の刺繍の残り具合から、かつてはとんでもなく高級品だったのが一目でわかる。
ノエルは鈴を振りながら歩き回る。
右に歩くと少女が「あう……」と右にフラフラ。
左に歩くと「あうう……」と左にフラフラ。
完全にレーザーポインターで遊ばれる猫状態。
少女は半泣きになりながら、それでも必死に威厳を保とうとする。
「や、やめろおおお!! 余の威厳がぁぁぁぁ!!」
遠くからルドルフの冷静なツッコミ。
「完全に猫だ……」
クランプスはクッキーをポリポリかじりながら、冷ややかに。
「哀れですわ……」
少女が顔を真っ赤にして叫ぶ。
「ええい、このエロ巫女!!
いい加減にせぬか!!
余はこの賽銭箱から離れぬ!!
集めた福を処理するのに忙しいんじゃ!!」
ノエル、眉を上げてニヤリ。
「は? ようするにそれ、お前の貯金箱か」
少女、必死に首を振る。
「違う!! この箱は余の力そのものじゃ!!」
ノエル、ポカン→超ニヤリ。
「……つまり、この箱壊せば解決ってこと?」
少女「!?」
ノエルはダイナマイトからリボンをサッと外し、付属のマッチで導火線に火をつける。
チロチロチロ……♪
少女、顔面蒼白で絶叫。
「待て待て待て待て待てー!!
その箱は絶対に壊してはいかん!!!」
「うるせーよ貧乏神、新年くらいゆっくり休んどけ!!」
「貧乏神ちゃうわ!! 余は均衡神じゃああ!!
この箱で福と不幸を調整してる真っ最中じゃぞおおお!!!」
ノエル、一瞬固まって「……は?」と呟く。
ただならぬ雰囲気を感じ取り、慌てて導火線に水をかける。
ジュワジュワ……ジュワァァァ……って、ますます火がデカくなる。
ノエル「なんだこれ!? 消えねえ!!」
足でガンガン踏みつけるが、導火線はズイズイズイと短くなっていく。
すると、振動でピンクリボンがめくれて、リボンの裏側に金文字が。
『Benzaiten★Brand 特製
一度火がつくと絶対消せません♡
映え爆発をお楽しみください!』
──ここまで読んでくれた良い子たちへ。
お疲れ様だったな。
だが、まだ帰るなよ?
・次のエピソードは1月5日、20時に投稿予定だとよ。
こいつ、きんこうがみ、ってのかよ。
名前ややこしすぎんだろ!
・ブックマークしてない奴、手あげろ。
ホールドアップしろとは言ってねえ。
・活動報告も要チェックだ。
小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。
本編が待てない良い子は、そっちも読め。
──ノエルより。




