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第17話:うちのサンタが巫女すぎる!

《 前回のあらすじ 》

正月そうそう、日本が貧乏になりそうだぜ

超音速ソリが浅草寺の参道に、轟音とともにドカーン!と突っ込んだ。

雪煙が火山噴火みたいに爆発的に舞い上がり、境内が一瞬にして白い霧に包まれる。

その衝撃で七福神は全員派手に尻もち。

恵比寿は鯛を抱えたまま雪に顔を突っ込み、大黒天は米俵ごと横転、布袋は腹をクッションにしてバウンド、福禄寿と寿老人はジジイ同士で絡まるように倒れ込んだ。

ただ一人、毘沙門天だけは「ぬうおおお!」と気合を入れて長槍を地面に突き刺し、甲冑をガチャガチャ鳴らして仁王立ちをキメた。

が、次の瞬間、槍がズブズブズブッと雪にめり込み、抜けなくなって顔面真っ赤。

雪まみれの七福神がヨロヨロと立ち上がる。

恵比寿は鯛をぎゅっと抱きしめたまま半泣きだ。

「ノエル……来てくれてありがと……! 福が吸い取られて、俺の竿がただの竹切れになっちまった……」

大黒天は米俵をひっくり返し、中身を見て絶句。

「……米が……カビだらけだ……」

布袋は自分の腹をポンポン叩いて苦笑い。

「ははは……腹が冷えて笑えねえよ……」

福禄寿と寿老人は同時に頭を抱える。

「長寿も知恵も、福がなけりゃただのジジイじゃ……」

毘沙門天が悔しげに歯噛みしながら低く唸った。

「……恥ずかしながら、この体たらくよ。

 奴は本殿奥の賽銭箱に潜んでいる。近寄るだけで神通力が吸われる……我らでは手も足も出せん」

その横で、雪まみれの弁才天がスマホを構えながら立ち上がる。

最初は涙目だった瞳が、ノエルの姿を捉えた瞬間、キラキラキラーッと輝き出した。

「ノエルちゃん……来てくれてほんとにありがとう……!

 って、わぁぁぁ!! マジな表情最高に映える!! ちょっと待ってスマホ……はいチーズ連写~♡」

パシャパシャパシャパシャパシャ!!

ノエルが一瞬、完全に固まる。

(……あれ? あの時とは……全然違う)

胸の奥にこびりついていた、吐き気を催すような黒い霧が、スッと晴れていくのを感じた。

ノエルは小さく息を吐き、初めて肩の力を抜いた。

「……やべえ事態かも知れねえけど、あの時みたいな得体の知れない悪意は……ねえ」

静かな、でも確かに力強い笑みを浮かべる。


弁才天が満面の笑みで、ピンク×金の巨大紙袋を差し出した。

「ででーん!! ノエルちゃんにプレゼント~♡

 弁才天ブランド2025年正月限定・ノエルちゃん仕様の巫女装束だよ! 着てくれない? 絶対バズるから!」

ノエルが袋を受け取り、中身を覗き込む。

次の瞬間、顔が凍りついた。

真っ赤なミニ丈袴。

白地に金ハートと星がこれでもかと刺繍されまくった上着。

フリフリの袖。

胸元にジャラジャラ鳴る超巨大金の鈴。

ピンクハート型リボン。

そして最後に、ピンクリボンでラブリーに結ばれたダイナマイトがゴロリと転がり出た。

完全に「中学生が考えた強くてエロい巫女さん」仕様である。

「はあぁぁぁぁ!? なにこれ! 俺に着せようってのかよ!?

 こちとらニコラウスのエロサンタ服で腹一杯なんだよ!! お前、うちのジジイと趣味が似すぎだろ! 和か洋かの違いしかねえ!」

弁才天は頬を染めてキラキラキラキラ。

「あ、バレちゃった? ニコちゃんとは五百年前に映え服談義で華を咲かせた仲なのよ~ 今どこにいるのかしら?」

ノエル、頭を抱えて絶叫。

「知るかぁ!! 

てめえらのセンス、俺に押し付けるな!! ジジイのサンタ服はまだアホみたいに頑丈だからマシだけど、これは単なるコスプレじゃねえか!!」

弁才天、まったく動じずニコニコ。

「あら、実用性もバッチリよ? まずダイナマイト。ノエルちゃんらしいでしょ?

 それにこの胸鈴! インドの財宝神サラスヴァティーちゃんにバフしてもらった特注品! 鈴が鳴るたびに貧乏神がキモい虫みたいにわらわら寄ってくるの! インド人もビックリ仕様!」

「インド人もビックリって何だよ!! しかも例えが最悪すぎるだろ!! てめえマジでタチ悪いな!!」

毘沙門天がヒゲを撫でながら、珍しく苦笑いを漏らす。

「……その鈴、確かに貧乏神を誘引する。頼む、耐えてくれ」

ノエル、歯ぎしりしながら唸った。

「クソが……覚えてろよ」


挿絵(By みてみん)


──五分後。

ミニ袴にフリフリ袖、胸鈴ジャラジャラジャラ。

腰にダイナマイトを刺し、顔面が真っ赤、目は死にかけのノエルが登場した。

毘沙門天が慌てて目を逸らし、咳払いする。

ノエルはコルト・ガバメントを握りしめ、殺気じみた声で言い放つ。

「爆速で終わらせる……。もし変な目で俺を見やがったら、その瞬間ジエンドだと思っとけ」

クランプスは黒糖クッキーを優雅にかじりながら、ぼそりと呟いた。

「……恥じらうノエル、新鮮ですわ。尊い……」


──ここまで読んでくれた良い子たちへ。


お疲れ様だったな。

だが、まだ帰るなよ?


・次のエピソードは1月4日、20時に投稿予定だとよ。

・ブックマークしてない奴、手あげろ。

 ホールドアップしろとは言ってねえ。


・活動報告も要チェックだ。

 小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。

 本編が待てない良い子は、そっちも読め。


──ノエルより。


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