第15話:大晦日がヤバすぎる!
《 前回のあらすじ 》
七福神どもが深夜テンションで戦艦作り、
世界中に福を撃ちまくった。
サンタの家・リビング
1月1日 午前7:15
雪がバシバシと窓を叩いている。
暖炉の火だけがのんびり赤く揺れ、部屋をオレンジに染める。
テーブルはカップ麺の空容器で完全に埋まり、まるで戦場跡。
テレビは「七福神ワールドツアー大盛況! 世界が笑顔に!」の速報を流しっぱなしだ。
ルドルフがカップ麺をズルズルすすりながら、目を輝かせて呟く。
「……やっぱ七福神は凄いね。あの宝船で地球一周して全員ニコニコって、完全にプロの仕事だよ」
クランプスは箸を優雅に置き、長い銀髪をサラリとかきあげて微笑む。
「ええ、本当に。私たちも見習わないとですわ」
ノエルはソファの肘掛けにドカッと足を乗せたまま、舌打ちした。
「……は? ちょっと待てよ。 クリスマスに人類がパニックになったの、俺のせいみたいに言うな」
ルドルフとクランプス、思わず肩をすくめてビクッ!
「俺は妖精に『悪い子には刺激的なプレゼントを』って一言言っただけだ。
そしたらチビどもが調子に乗って『ヤバさ極めようー!』って、世界中の子どもに10キロずつ配るしかない量の極悪ジンジャークッキー作りやがった。
俺の指示なんか最初から聞いてねーんだよ、あいつら!」
ルドルフが深いため息をつき、首を振る。
「……でも世界中が泣いたのは事実だよ」
ノエルはカップ麺をズルッと一口。
「まあ、心配すんな。来年はチビ共に『良い子を笑顔にするプレゼント作れ』ってキツく言っとくよ」
クランプスが目をキラキラさせて身を乗り出す。
「まあ! 素敵ですわ。で、どんなプレゼントにしますの?」
「チョコレートならウケるだろ。シンプルでいい」
ルドルフが即座に顔をしかめ、眉を寄せる。
「……食べたら子どもがヘラヘラ変な笑顔になって、親が警察呼ぶレベルのチョコレートが出来上がりそう」
ノエルがムキになって一歩踏み出し、指を突きつける。
「はあ? 文句あんならお前がアイデア出せ!
言っとくが、あいつら猿の手みたいに扱いづれぇんだよ!
『普通のチョコレート作れ』って言ったって、妖精基準で考えてくるに決まってんだろ!」
クランプスが小さく、でもはっきり呟いた。
「……契約内容、厳密に決めておくべきでしたね」
ノエルはドサリとソファーに腰を落とし、赤いマントを広げて虚空を見上げる。
「まあ、今更それ言っても仕方ねえ。それに──」
バチッ!
暖炉の薪が派手に爆ぜて、火の粉がオレンジに舞い上がる。
ノエルがニヤリと笑って、片手をヒラヒラさせる。
「俺が貰うプレゼントじゃねぇしな」
瞬間、ルドルフとクランプスが同時に顔を覆った。
「「今年のクリスマスも詰んだあああ!!」」
窓の外、ブリザードがますます激しくなる。
暖炉の火だけが無邪気に揺れ、
テレビは七福神の笑顔をエンドレス。
北極の朝は、
今日も、来年も、再来年も、
永遠にノエルのターンだった。
──ここまで読んでくれた良い子たちへ。
お疲れ様だったな。
だが、まだ帰るなよ?
・次のエピソードは1月2日、20時に投稿予定だとよ。
日本でひと騒動起きちまうぜ。
・ブックマークしてない奴、手あげろ。
ホールドアップしろとは言ってねえ。
・活動報告も要チェックだ。
小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。
本編が待てない良い子は、そっちも読め。
──ノエルより。




