表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/31

第13話:うちのサンタがフェイントすぎる!

《 前回のあらすじ 》

変な坊主どもがわんさか現れて、

クソうぜえ連携してきやがった

そのとき。

ノエルが、両手のコルト・ガバメントを、指先からこぼすように落とした。

ガラン……ガラン……

重い音が床に響く。

毘沙門天の眉が、わずかに動いた。

「……何のつもりだ」

ノエルはゆっくり膝を折り、甲板に片手をついてうなだれる。

掠れた声で、震える唇から言葉を絞り出す。

「……もうダメぇ……

命だけは助けてください……

ノエル、もう戦えません……

何でも……しますから……」

最後の「何でも」は、ほんの一瞬だけ、

息が熱を帯びたように響いた。

潤んだ瞳が上目遣いに見上げ、汗で濡れた首筋が、わずかに震える。

敗北した少女が最後にすがるような、恥じらいと諦めの混じった甘い色気がノエルから漂う。


ルドルフが目を丸くした。

「……ノエル?」

声が裏返る

クランプスだけが、小さく舌打ち混じりに笑った。


毘沙門天の表情が、侮辱で歪む。

「……戦いの場で、穢れを振りまくか。

武神たるこの毘沙門天を、色欲で惑わそうとするとは……!」

次の瞬間、怒りが爆発した。

「許さぁんッ!!」

轟音と共に、巨体が動いた。

槍を握りしめ、突進してくる。

「退けえいッ!!」

その一喝で、108体の煩悩童子が左右に整列した。

完璧だった円陣が、たった一瞬で崩壊し

巨大な一本道が開かれる。

「この槍で直接、貫いてくれるわッ!!」

完璧な戦士が、初めて「確実に仕留めるため」に「無駄」を犯した瞬間だった。


甲板に落ちていたクランプスの影が、まるで生き物のように蠢いた。

ズズズズッ……と低い音を立てながら、影が膨らみ、まるで水面に浮かび上がるようにして、大きなプレゼント袋がせりあがる。


「中身は繋げてありますわよ、ノエル!」

クランプスの声を合図に、

ノエルは毘沙門天を見据えながら、袋に手を突っ込んだ!

引き出したのは、漆黒のリボルバー二丁。

その名は──

《ブラッディ・ギフト》

左銃身に、ピンクの筆記体で

“Kiss kiss, bang bang”

右銃身に、同じ色で。

“ bye-bye ♡”

と刻まれている。


ノエルがニヤリと笑った。

「色仕掛け? 使うわけねえだろバーカ」

毘沙門天の瞳が、大きく見開かれる。

「──なに!?」

動揺し、突進の速度がわずかに鈍る。


挿絵(By みてみん)


ノエルは二丁の銃口を交差させるように構えた。

「決めるぜクランプス!」

「分かっていますわノエル!」

弾丸をねじれた影が完全に包み込む。

「《シャドウバースト!!》」

ドガァァァァァァン!!!

二発の銃声が重なった。

毘沙門天が、とっさに槍で薙ぎ払う。

ガキィィン!!

正面から来た弾丸を弾き飛ばした。

だが次の瞬間!

もう一発の弾丸が、酔っ払った蛇のようにグニャリと軌道を捻る。

真正面から来たはずなのに、

いきなり真横へ90度、

さらに背後へ180度、

「冗談だろ?」と言わんばかりの変則カーブを描いて、虹色の光を放つ宝塔を真後ろから貫いた!

煩悩童子達が、粒子となって消滅する。

「……完璧な奴ほど、いじられると弱い。

あんた、まっすぐ過ぎるぜ」


カキィィィン!!

宝石が粉々に砕け散り、

虹色の光が爆発的に広がった。

次の瞬間、

七福神全員の目が、パチッと焦点を取り戻す。

恵比寿「……俺……何年も酒しか飲んでなかった……?」

大黒天「米俵の中身がカビておる!」

布袋「腹が……重い!」

寿老人「わしの頭が朦朧としてた、じゃと?」

福禄寿「なぜに、このような…」

弁才天「あたし、なにしてたの?」

六人の声が重なり、

まるで長い悪夢から覚めたように震えていた。

毘沙門天が、ゆっくりと立ち上がる。

甲冑が軋み、瞳に怒りの炎が灯る。

「……我らともあろう者が

 いつから、堕ちていた……?」

寿老人が、震える手で自分の額を押さえた。

「……1991年……

 あの変な虹色の光を浴びてから……

 ずっと、頭の奥に靄がかかっておった……」

ノエルの目が鋭く細まる。

「1991年?

 ベイクが石を使い始めたのは10年前だ。

 あいつじゃねえ……もっと昔から、別の黒幕が動いてたってことか」

クランプスが、影をざわめかせながら低く呟く。

「つまり……

 私たちが知らないところで、

 ずっと前から七福神すら操る“何か”がいた……?」


──ここまで読んでくれた良い子たちへ。


お疲れ様だったな。

だが、まだ帰るなよ?


・次のエピソードは12月29日、20時に投稿予定だとよ。

 宝船をド派手に改造してやるぜ!


・ブックマークしてない奴、手あげろ。

 ホールドアップしろとは言ってねえ。


・活動報告も要チェックだ。

 小話をアップしていくよう、作者を脅しといた。

 本編が待てない良い子は、そっちも読め。


──ノエルより。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ