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吾輩は邪神である~自殺志願者と死んでみる~

作者: るい
掲載日:2025/10/30

別作品でランクインしてたのを見てまずはリハビリがてらです。


とある夜。草木が風に吹かれて揺れ動き、秋の虫達が合唱をする。


一人の女学生は疲労困憊になりながらもフラフラとした足取りで山を登り進める。


顔は窶れ、髪の毛はガタガタに切られている。着ている服も所々穴が開き、不健康に細い身体には打撲、青あざや火傷の痕が見え隠れしている。


その女学生は日頃から学校や家で人格を否定され虐げられ続け心をすり減らしていた。周りの者は誰一人手を差し伸べる事無くいた。


そんな中で手にしたとある情報。


祀られた山の祠は邪神を鎮守していると言うモノだった。


苦しい人生を終わらせたい。でも、自分で死ぬ勇気もない。そんな中で僅かな希望を胸に目的の場所までゆっくりと歩き続ける。


そんな女学生を見る無数の目は彼女に察される事無く観察を続けていた。


祀られた祠は小さく、今にも崩壊しそうな様子で建っていた。


「お願いします、お願いします、お願いします」


そう何度も繰り返され、様々な感情を煮詰めた願いは確かに届いた。


『吾輩の元まで辿り着けるとは中々甘美な魂よな』


脳に直接響く声は男性とも女性とも違う、格の違うモノが気紛れで声を掛けたかのようだった。


「私を殺してください!」


邪神と思わしき声が脳内に響いた後に直ぐこの言葉が口をついた。


『吾輩はこれでも邪神として封じられているのでな。どうしてもと言うのならこの祠を壊すがよい。さすれば吾輩は封印から解かれ貴様の願いを叶えてやろう』


そう言う邪神らしきモノの言葉を理解した後は「分かりました!」と言い近くにあった木の棒を手にして祠へ向かってぶつけ始めた。


数分か数十分か。ボロボロの体の少女では永遠に続くような祠への攻撃は終わり、少女の目の前には圧倒的存在感と圧倒的美を放つモノが瓦礫となった祠に腰を掛けていた。


『よくぞ吾輩の封印を解いてくれた。褒美に貴様の願いを叶えてやろう。』


少女は目の前の存在感に声を震わせながらも願いを口にした。


「ど、どうかお願いします!私を殺してください。もう生きるのは辛くてしんどいんです。」


少女は不敬ながらも願いを邪神らしきモノに願い出る。


『ふむ?吾輩に望むのが本当にそれで良いのか?望むなら世界の破滅を見せてやるぞ?』


邪神らしきモノは少女の心の内を知るかのように伝える。


少女は思考と言葉に詰まりながらも尚自分を殺してくれと考えたが自分の事をこんな目に遭わせた世界など消えてしまえと考えた。そんな考えを見抜かれたかのように邪神らしきモノは声を掛ける。


『「決まったようだな。では吾輩は貴様の願いを叶えてやろう」』


そう言い少女と邪神らしきモノはその場から消えてなくなりそこには壊れた祠だけが残されていた。














あれから世界は少しずつ歪みを大きくして欲望と憎悪、欺瞞、様々な悪が延り人の生活文明は崩れ去り、人類は絶滅した。


そんな世界を眺める無数の目には少女の願いを叶えた結果を見届け、側にいる動かぬ少女へと二つの目を向ける。


『吾輩は貴様の願いを叶えたぞ。いや、人類の悪を引き受け続けた私の末路かもしれないがな。』


邪神らしきモノはそう呟き悠久の眠りについた。


そして側にいる少女の顔は幸せそうな顔をしていた。





読んで貰いありがとうございます!


本当なら邪神が一緒に死んだ幻覚、幻痛を与えて邪神らしきモノが人の世で一緒に過ごしてハッピーエンド予定だったのですがなんだか文章を考えていたらこうなりました。


この邪神様はそう言う役割を引き受けていたわけで、完全な悪ではないと言う設定です。


まぁ、人からしたら悪でしかなくても他の動植物からしたら善なのか?


ちなみに少女は邪神が目覚めるまで目を覚まさないし、生き返る事もなく。願わくば次は幸せな人生を。


結局は私次第か(;^ω^)

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