後押し
「……それで、一体全体何がどうなってそんな話になったの?」
「私にもわかんない。」
ルーナの呆れたような口調に私は情けない言葉を返すことしかできなかった。
生徒会室を出た後、ルーナにことの経緯を説明した反応は予想通り何故そうなった?であった。
私自身も理解できていなかったので、助けを求めるようにルーナの瞳を見つめると、肩を掴まれた。
「良い?これはチャンスだよ!」
「チャンス……?」
聞き返す私にルーナは大きく頷いた。
「そう。殿下の側近なんて優良物件、普通なら私達に降りてきたりなんてしない。エリーナはすっごいチャンスを貰ったの!」
ルーナの言う通り伯爵家というのは良くも悪くも真ん中の地位。
数だけで数えたら上の方ではあるが、玉の輿を狙えるほどインパクトがあるかと言われればそんなことはない微妙な位置にいる。
そう考えたらこれは紛れもないチャンス。
だけど私にはそう思うことができなかった。
「……でも、クラーク様は私を押し付けられる形になっちゃったんだよ?」
勢いで言ってしまった話。
もちろん本音も含まれてはいたが、半分は冗談のようなものだった。
それがこんな結果を生み出すなんて思ってもいなかったのだから。
クラーク様と話したのはつい最近で、お互いに何も知らない。
だけど、あの状況で主からの提案を断れるはずもないことは明確だ。
しかも相手は手柄を立てた人で自分はその褒美として差し出される。
そんなの、断れるはずがない!
私はなんてことをしてしまったんだと頭を抱えると、ルーナなニンマリと笑顔を作った。
「それなら、本当にしちゃえば良いんだよ。その人にエリーナを好きになってもらうの!」
それこそ絶対に無理だ。
と思った気持ちを押し込んだ。
初めからネガティブな方向に決めつけるのは私の悪い癖。
「……そうだね。せっかく殿下が機会をくれたんだし、頑張ってみる。」
「そのいきだよ!よし、じゃあ早速作戦会議だ!」
ルーナはいつだって私の背中を押してくれる。
「うん!」
私は元気よくそれに答えてから、とびきりの笑顔を作った。
いつもより短いですが、きりが良いのでここでくぎらしてもらいました。
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