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ガーネット商会

こちらも書き直す可能性大です。

大きく物語の筋を変更することはないので、こんな感じで進むんだ!となんとなく見ていただければ幸いです。

 その後は雑談が続いた。多分私を気遣って軽い話題で紛らわせてくれたのだろう。

 

「……そろそろ時間だね。行こうか。」

 

 不意に時計で目を止めた殿下がそう言ったことで緊張感が走る。

 

 だけど怖いという気持ちは先ほどよりも薄れていた。

 

 このメンバーならきっと大丈夫。

 

 そう思わせてくれた。

 

 商人を待たせているという部屋は今いる部屋のちょうど真上にあるらしい。

 

「……最終確認だよ。皆、自分の役割は大丈夫だね?」

 

 私は一度見た画家や絵画を偽物か本物か瞬時に見分けることができる。

 

 でも裏を返せば見たことのない作品や技法はわからないし、比べようがない。

 

 だから私はあくまでもサポート的な役割で、メインはブラウンさんだ。

 

 あとやらないといけないのは、鑑定士と護衛をつけるのは当たり前だけど、無関係の人がくっついて来るのは疑念を抱かせてしまう。

 

 ということで私は殿下の恋人っぽく振る舞うように言われてしまった。

 

 買い物に恋人を突き合わせるのは不自然ではないということと、私の我儘という名の攻撃で相手を困らせてボロを出させて欲しいとのこと。

 

 うん、ものすごく重要だ。

 

 部屋に近づくにつれてドキドキと心臓の音が大きくなる。

 

 巻き込まれる形になったとはいえ被害者がいるこの事件を放っておけるはずもなかった。

 

 だから、覚悟を決める。

 

 私は私にできることをやるんだ。

 

 ぐっと拳を握った。

 

 先導していた殿下によって開かれた扉から光が漏れた。

 

 いよいよだと、知らしめるために顔に笑顔を貼り付ける。

 

 目の前には中年の男性と背の高い細長の男性が二人。

 

 どちらも悪人には見えず、人の良さそうな印象だ。

 

「今日はよろしくね。」

 

 殿下が声をかけると、二人とも礼をとった。

 

 商人で確か貴族の身分は持っていないとのこと。

 

「お初にお目にかかります。ガーネット商会会長のヒルダと申します。」

 

「同じくガーネット商会副会長、マルクスでございます。」

 

 自己紹介が済むと、まるで値踏みするようにこちらを見られて背筋にゾワッと悪寒が走る。

 

 会長さんの方は私で僅かに目を止めてキラリと瞳を輝かせた。

 

 私は知っている。

 

 今の顔はカモを見つけた時の商人の顔だ。

 

 視力が良いおかげか他人の表情は人よりも見えた。

 

 僅かな変化も目に映ったら絶対に見逃さない自信がある。

 

 それが他人の気持ちを読めることに繋がっているのかもしれない。

 

 そう思いながらさらに気を引き締める。

 

 でも付け込みやすそうな雰囲気を出すことを忘れずに笑顔を作っていると、思いの外会長さんは食いついてくれた。

 

「おや、殿下。そちらのお方は?」

 

「あぁ、彼女は私の特別でね。是非城に飾る絵は彼女の好みも取り入れたいと思って来てもらったんだ。」

 

 グイッと肩を寄せられた私は正直思考が飛びそうになるのをなんとか抑えながら、殿下にもたれかかるようにした。

 

「そういうことですの。今日はとびきりの作品を用意していると聞きましたわ。ガッカリさせないで下さいね?」

 

 ニッコリと笑顔でそれっぽいことを言えば、商人の目はさらに輝いた。

 

 殿下は難しくとも私なら騙せそうと思われたに違いない。

 

 まあ、そんな簡単に尻尾を出すとは思っていないけど。

 

 と思いながら殿下をチラッと見ると、その耳はほんのり赤く染まっていた。

 

 モテると思っていたけど、意外に女性経験に乏しいのかななんて思った所でハッとした。

 

 私は今かなり大胆なことをしている。

 

 ルーナが言っていた通り、変に度胸のある私はこういう時に後先考えないで行動するがある。

 

 それを反省して直そうと思っていたのに、まさに今やらかしてしまっているのではないかと笑顔を保ちながらも冷や汗が流れた。

 

「……すみません、殿下。」

 

 小声で謝ると無言の笑みを返され、更に抱きしめるようにぎゅっと肩を握られる。

 

 これは、あれかな。

 

 もっとちゃんと演技をしないとダメっていう合図?

 

 これ以上は恥ずかしいんだけどと思いながら、取り敢えず商人に絵を見たいと言えば、ケースのようなものから取り出してくれた。

 

 私もちゃんと頑張りますから。

 

 そんな意味を込めて殿下の方を見ると少しだけ悲しそうな顔をされたのは何故だろうか。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

もし続きが気になる!と思ってくださったらブックマークで教えてくれると励みになります。

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