7話 花言葉
・「助けて頂きありがとうございます。私はトリカ ルピナスと申します。」
紫族の男はアーリスにお礼を言う。
・トリカ「そしてこちらが……」
・「センノ ヴァミリオでございます。助けて頂きありがとうございます。」
朱族の女もお礼と自己紹介をした。
トリカとセンノはアーリスに深々とお辞儀をした。
トリカとセンノは気品良く身なりもきっちりとしていた。
・アーリス「オレはアーリス!困っている人はなんだか見過ごせなくてね。それにしてもどうして追われていたの?」
アーリスはトリカに質問をした。
・トリカ「私共はこの国の王族ローズ家に仕える者でして、私ルピナス家は代々ローズ家の主治医として医療の分野で仕えております。」
・トリカ「そして今回はその時に使う医薬品を狙われました。」
・アーリス「お薬ってこと?」
・トリカ「はい。簡単に言えばそうです。私は色技で毒を精製することが出来ます。ですが毒として使うのではなく他の物質に変換して麻酔薬などとして扱います。」
・アーリス「へー!そんなことできるんだ!」
・トリカ「はい。ですがこれができるのはルピナス家でも花言葉【想像力】を持って産まれた私だけになります。」
・アーリス「花言葉?」
・トリカ「はい。花人が産まれる際に稀に一つの言葉を授かり産まれる者がいます。その言葉には能力が付与されるというもので特別な体質であったり特別な力を使う事が出来ます。それが【花言葉】です。」
・アーリス「いいなー。オレにもないかなー。」
・トリカ「気付いていないだけで後からわかるケースもあるそうです。何かのきっかけで後天的に授かることができるという噂もあります。もしかしたらアーリスさんにも有るかもしれませんね。」
・アーリス「あるかな!あるかな!そしたら正義とかだといいなー!かっこよくない!!」
・トリカ「はい。それならアーリスさんにピッタリの花言葉です。」
・アーリス「それはそうとアイツらはいったい何者なの?」
アーリスは気絶しているフード男達を指差して話を戻す。
・トリカ「あの者達は【新緑の会】と呼ばれる組織に属し王族や貴族に不平不満を持っている者達が集まっていると言われています。」
・トリカ「主に緑族中心で構成されており、ボスも緑族という情報が有ります。何よりの懸念なのが乱咲とも繋がってるだとか。」
・アーリス「らっ乱咲!!」
・トリカ「はい。今回の襲撃も乱咲からの命令で動いてるのではと推測しております。」
ゴソッゴソッ
フード男達は目を覚ました。
・「痛ってー。おい!お前ら起きろ!ボスの所に戻るぞ!テメーら俺達に逆らってただで済むと思うなよ!!」
フード男達は捨てゼリフを吐きながら急いで去って行った。
・アーリス「アイツら逃がして良かったの?」
・トリカ「大丈夫です。あの者達を泳がせてアジトを特定します。センノ!」
・センノ「はい。トリカ様。 追跡の綿毛 」
・トリカ「あの者達が気絶している間にセンノが追跡の種を付けておりました。これでその内アジトがわかるでしょう。」
・アーリス「凄いや!センノ!」
・センノ「ありがとうございます。アーリス様。」
センノは少し照れながらそう言った。
・アーリス「ねぇ!アイツらのアジトを見つけようとしてるってことはアイツらやっつけるんでしょ!!ならさ、オレにも手伝わせてよ!!」
・トリカ「でっ、ですが、」
・アーリス「実はオレも乱咲を追ってんだ!」
・トリカ「そうなのですね。アーリスさんがいてくれたらとても心強いですが……」
・トリカ「分かりました。ではお言葉に甘えて。ぜひよろしくお願いします。」
アーリスはトリカ達を手伝う事にした。
・アーリス「じゃあまずはオレの仲間を紹介するね!あっ…時計塔ってどうやって行くの?」
・トリカ「時計塔はここのすぐ近くですよ。案内しますね。」
5分後。時計塔の下。
・アルテミシア「遅いなの!!!二時間も待ったなの!待ちくたびれたなの!もう!!なの!」
アルテミシアは怒りながらアーリスにそう言った。
・アーリス「へへへ…ごめん。ごめん。」
・アルテミシア「今度甘いものご馳走するのなの!」
・アーリス「わ、分かりました。」
アーリスは少し、しゅんとした。
・アルテミシア「ちゃんと反省するのなの!!……で、そちら様は?なの。」
アルテミシアはトリカ達を見た。
・アーリス「この人達はトリカとセンノ!!さっき出会ったんだ!!」
アーリスはアルテミシアに二人を紹介した。
・アーリス「でっ!この怒ってるのがアルテミシア!!」
アーリスは続けてトリカ達にアルテミシアを紹介した。
・アルテミシア「もう!!なの!!」
・アーリス「へへっ!」
アーリスはおちゃらける。
・トリカ「初めまして。トリカ ルピナスと申します。」
・センノ「センノ ヴァミリオでございます。お初にお目にかかります。アルテミシア様。」
二人は気品溢れる挨拶をした。
・アルテミシア「よろしくなの。ルピナスってあの貴族のルピナス家なの?なんでアーリスと?なの。」
・トリカ「そうでございます。アーリスさんには困っているところを助けて頂きました。」
トリカはアーリスと出会った経緯とこれからについて説明した。
・アルテミシア「なるほどなの。それはボク達にも関係ありそうなの。でも今日はもう遅いから作戦会議は明日にするなの。」
・トリカ「分かりました。では明日私共の別荘で作戦を立てましょう。アルテさんこちら住所になります。」
トリカはアルテミシアに別荘の住所が書いてある紙を渡した。
・アルテミシア「じゃあまた明日なの。」
・トリカ「それでは失礼します。」
トリカ達は時計塔を後にしてアーリスは手を振った。
・アーリス「ばいばーい!」
アルテミシアはそんなアーリスの袖を引っ張った。
・アルテミシア「甘いの食べるなの!!」
アルテミシアはまだ拗ねている様子だった。
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