4話 目的地
・アーリス「ねえ!オレと一緒に旅をしない?!!!」
アーリスはアルテミシアに問いかけた。
・アルテミシア「ボクと??どうしてなの?」
・アーリス「ほら。オレこの世界のことあまり知らないし、仲間も友達もいないし……それに何よりアルテミシアに恩返しがしたい!!!」
アーリスは真っ直ぐとアルテミシアの目を見た。
アルテミシアは数秒間黙り込んだ。
そしてこう切り出した。
・アルテミシア「ボクは独りで大丈夫なの。でもアーリスがどうしてもって言うなら、ついて来ても良いかもなの。」
・アーリス「え!!ほんとー!やったー!」
アーリスはベッドの上を飛び跳ねた。
・アルテミシア「あっ!まだそんなに動いちゃダメなの!!」
・アーリス「平気平気!もう治ったみたい!!全然痛くないよ!アルテミシアのおかげだ!」
・アルテミシア「びっくりなの。もう治ってるなの。」
アルテミシアは呆気にとられていた。
・アーリス「じゃあこれからよろしくね!!!」
アーリスはアルテミシアに握手を求めた。
アルテミシアは照れくさそうにアーリスの手を握って、
・アルテミシア「よろしくなの。ボクのことはアルテって呼んでいいなの。仲良い人はそう呼んでるなの。」
・アーリス「うん!わかった!アルテ!!」
ここからアーリスとアルテミシアの旅が始まった。
・アルテミシア「今日はもう遅いなの。明日旅の行方を決めて出発するなの。」
・アーリス「そうだね。オレもお祈りしなきゃ。」
・アルテミシア「お祈り?……太陽神?」
・アーリス「違うよ!月の女神ルーナ様!なんかこれだけは日課なんだ。よくわかんないんだけどね。体が覚えてるって感じかな。」
この世界には二つの神が存在する。一つは【太陽神ソレイユ】もう一つは対となる存在【月の女神ルーナ】である。国や花人によってどちらかを信仰してる事が多い。どちらも同じ神だと言う者もいる。
・アルテミシア「そうなの。お外に行くなの?」
・アーリス「うん。月が見えやすいところを探してくる。アルテは先に休んでて。おやすみ!また明日ね!」
・アルテミシア「分かったなの。おやすみなの。」
そう言ってアーリスは外にでて行った。
・アルテミシア「ふふっ。なんだか慌ただしいなの。」
アルテミシアは笑った。
次の日の朝。
・アーリス「アルテ!おっはよー!」
・アルテミシア「ふぁぁ。おはようなの。」
アルテミシアは眠そうに目を擦りながら返事をした。
二人は顔を洗って朝食を済ませ外に出た。
・アーリス「それでどこに行くの?」
・アルテミシア「昨日、色々考えたなの。アーリスは陽炎石探しでボクは乱咲を追ってるなの。だから向かう先は藤の都を目指そうと思うなの。」
・アーリス「藤の都??」
・アルテミシア「そうなの。昨日三大陸については説明したなの。その三大陸はそれぞれ治めている国があるなの。まずは赤族が治める国 太陽の帝国 今ちょうどボク達がいる所なの。次はボクらの目指す先、黄国が収める国。それが 藤の都 なの。そして最後は青族が治める国 雪國スノードロップ なの。ここはちょっと閉鎖的な国だからボクも詳しくは知らないなの。」
・アーリス「藤の都には何しに行くの?」
・アルテミシア「藤の都を収めている姫に会いに行くなの。」
・アーリス「姫?」
・アルテミシア「片喰 向日葵 通称向日葵姫なの。藤の都の宝物庫には古文書があると言われているなの。それを管理してるのが片喰家なの。向日葵姫はとっても物知りなの。会えたらもしかしたらだけどアーリスの過去も何か分かるかもなの。」
・アルテミシア「それから陽炎石が初めて採掘された場所だと言う説もあるなの。」
・アーリス「うんうん!そっか!そっか!アルテが言うなら間違いなしだね!ならその藤の都を目指そう!」
・アルテミシア「ちゃんと考えてるなの?」
アルテミシアは楽観的なアーリスに呆れていた。
・アーリス「なんだか楽しくなってきたね!!それじゃーしゅっぱーつ!!」
・アルテミシア「もーなの!!いきなりなの!!」
アーリスとアルテミシアは目的地をさだめて歩き出した。
・アルテミシア「ふふふ。変なのなの。」
アルテミシアは少し嬉しそうに微笑んだ。
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