3話 花園
・アーリス「うん?」
目を覚ましたアーリス。見知らぬ天井が見える。
アーリスはベッドの上で寝ていた。
・アーリス「ここはどこ? 痛っ!!」
アーリスはお腹に痛み感じ上半身を起こした。
・アルテミシア「おはようなの。まだ動かない方がいいなの。治癒の色技をかけたけど完治はまだもう少しなの。」
・アーリス「!!」
アーリスは声の方に振り向く。
するとそこには知らない女の子が座っていた。
・アーリス「……」
アーリスは一瞬ポカンとした。そしてすぐに、
・アーリス「君は?」
そう尋ねる。
・アルテミシア「ボクはアルテミシアなの。この町に来たらあなたが血を流して倒れていたなの。その傷はボクが治したなの。」
・アーリス「傷?」
アーリスは傷を見ながら思いだした。急に謎の男に刺されたことを。
・アーリス「あっそういえば……」
・アーリス「これを君が?」
・アルテミシア「そうなの。」
それを聞いた瞬間、
・アーリス「ありがとう!!なんだか助けられたみたいだね!!!」
アーリスはそう言いながらアルテミシアの手をぎゅっと握った。
・アルテミシア「ちょっ、ちょっと…」
アルテミシアは少し顔を赤くした。
・アーリス「オレはアーリス!!君は命の恩人だね!!」
・アルテミシア「あっ、アーリス。へっ、変な名前なの。」
アルテミシアは手を握られたことに照れながらそう言った。
・アルテミシア「それにしてもあっ、アーリスは無色?なの。」
・アーリス「へへへ。そうみたい。実はオレ記憶がなくてオレ自身のこと分かってないんだよね。」
・アルテミシア「そうなの。」
そうやって2人が話していると、
ガチャ。
部屋の扉が開く音がした。
・フォルビア「起きたのですね!!」
入ってきたのはフォルビアだった。
フォルビアはアーリスの元に急いで駆け寄った。
・フォルビア「良かった!本当にに良かった!」
フォルビアは泣きそうになりながら言った。
・アルテミシア「治療でフォルビアの血を使ったなの。フォルビアに感謝するなの。フォルビアが居なかったら今頃、死んでるところだったなの。」
アーリスはフォルビアを見ながら、
・アーリス「ありがとう。フォルビア。」
アーリスはフォルビアにお礼を言った。
・フォルビア「いえ。こちらこそです。」
ヒョコッ
そんな話しをているとフォルビアの後ろから小さな男の子が顔をだした。
・「お兄ちゃんありがとぉう!!」
男の子は言った。
・フォルビア「息子のエウビアです。あなたのおかげでこの子の病気は良くなりました。」
・アーリス「エウビアって言うのか。病気治って良かったな!!次はエウビアがお母さんを守れるくらい強くなるんだぞ!!」
・エウビア「うん!!絶対強くなる!!」
エウビアは元気な声で変事をした。
アーリス達はこの後、小一時間ほどの談笑をした。
・フォルビア「それでは私たちは失礼します。」
・エウビア「お兄ちゃん達、ばいば〜い!」
フォルビア達は深々とお辞儀をして扉から出ていった。
・アーリス「そう言えばアルテミシアはどうしてこの町に来たの?」
アーリスはアルテミシアに尋ねた。
・アルテミシア「実は…ある男を追ってるなの……」
・アーリス「ある男?」
・アルテミシア「そうなの。レインって言う男なの。」
・アーリス「レイン?それってレイン ハイドラとか言
う??」
アーリスは首を傾げながら聞き返す。
・アルテミシア「!!!!!」
・アルテミシア「そうなの!!レインを知ってるなの?!!」
アルテミシアは驚いた様子だった。
・アーリス「知ってるも何もこれ、そいつにやられたんだよね。」
アーリスは自分のお腹の傷を指で指しながらそう言った。
・アルテミシア「やっぱりなの。やっぱりこの町にいたなの。」
・アーリス「アルテミシアはなんでレインを追ってるの?」
・アルテミシア「……ボクの故郷は乱咲に襲われたなの。」
・アーリス「襲われた?」
・アルテミシア「理由は……ボクの一族、灰族の創る灰の薬は万病に効くなんて言われていて、それを狙われてのことなの……そして乱咲にレインって言う名前の男がいることだけは分かったなの。だから……。」
・アルテミシア「ぼっ、ボクの話はいいのなの。それよりアーリスは何故この町に?なの。」
アルテミシアは自分の話を途中にアーリスに質問をした。
アーリスは少し続きが気になったがそれ以上は聞かなかった。
・アーリス「オレ、5年前以前の記憶が丸々なくて。気づいた時にはある森に居たんだ。その森で恩人に出会い育てて貰ったんだ。で、初めてその森を出て記憶を思い出す為の情報収集をしにこの町に来たってわけ!」
・アルテミシア「初めてなの!?アーリスは何の情報を集めてるなの?」
・アーリス「陽炎石と言う石を探していて。乱咲って言う組織が集めている情報だけ知って……」
・アルテミシア「なるほどなの……陽炎石は陽光石よりも、もっともっと貴重な石なの。それに乱咲はすごくすごく危険な組織なの。」
・アルテミシア「なんで所属しているか分からないけどレインも乱咲なの。それにレインはあの青族なの。」
・アーリス「青族?それにさっきの灰族ってのもなんなの?」
・アルテミシア「そんなのも知らないなの!?」
・アーリス「へへへへ。」
・アルテミシア「そっか、森から出てきたばかりだったなの。ならボクがこの世界、花園について教えてあげるなの。」
アルテミシアは無知なアーリスの為に説明をし始めた。
・アルテミシア「この花園は3つの大陸と幾つかの小島でできてるなの。今その3つの大陸を治めてるのが王族の赤族、青族、黄族なの。」
・アルテミシア「そしてガーデンには色階級と言うものが存在するなの。さっき言った王族は最高位で"三原色"と呼ばれているなの。それから下に下がっていって、貴族の紫族、橙族、平民の緑族、後はあなたみたいな異民と呼ばれる無色他には中立の妖精 白族なんてのもいるなの。」
・アーリス「アルテミシア。アルテミシアは??」
・アルテミシア「ボクの一族はこれには属さないなの。その他ってところなの。」
・アルテミシア「分かりやすく説明するとこんな感じなの。」
花園の色階級
最高位 王族 赤 青 黄 (レイン)
貴族 紫 橙
平民 緑 (フォルビア、エウビア)
異民 無色 (アーリス)
※ 他にもたくさんの色の種族が存在する
ガーデンで最も多いのが平民で6割を占めている
中立 白 (妖精)
その他 灰 (アルテミシア)
・アーリス「なるほどぉー。」
アーリスはふむふむと頷いた。
・アルテミシア「これでこの世界については分かったことなの。」
そう言うとアルテミシアは身支度を始めた。
・アルテミシア「ボクはもう行くのなの。あとは頑張ってなの。ボクもやることがあるなの。」
・アーリス「待って!待ってよアルテミシア!」
アーリスはアルテミシア手を引っ張ってを引き止めた。
・アーリス「ねえ!オレと一緒に旅をしない?!!!」
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