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酒飲み語らう愛と金

作者: つむぎ

なんでもない話です。さらっと読めます。

それでも読んで頂ける方見ていって下さい!

土曜日の昼下がり、マンションのベランダにて、缶ビール片手に寛ぐ男女2人。



 男が椅子の背もたれに寄りかかり気だるそうに言った。


 「なぁ、そう言えばさぁ」

 「うーん?」

 「この前、テレビでニュースしてて。なんか、愛と金、どちらか選ぶならどっち?みたいな」

 「何それ」

 

 女はふっと笑いビールをひと口飲む。


 「それで、そーんなに愛と金で大差あるわけでもなく、年齢と男女でまた結果が違ってて」

 「ほー、それで?」

 「イチならどっち?」


 イチと呼ばれた女は迷いなく言った。


 「え、お金でしょ」

 「えっ」

 「え?」

 「……」


 「……なんで?」

 「お金がなければ何もできないじゃん」

 「……」

 「そもそもさ」

 「うん」

 「愛と金、同じ土俵に上げるのが間違ってる」


 男は口を変な形に結んだまま上を見る。


 「だって、お金なければ生きていけないじゃない。その上で愛やら恋やらできる」

 「うん?……いやいやいや、違う違う。必要最低限、生活できている上での愛と金よ」

 「何それ、じゃあ、その条件を先に提示すべき」

 「じゃあ、それらを踏まえてどっち?」


 イチはしばし考える。

 うーん、めんどくさい。


 「ぶっちゃけると、その時その状況で変わると思う。だって、貧乏だったらお金欲しいし、金持ちと結婚してて愛人宅に篭りっきりの旦那がいたら、愛が欲しい」


 イチはさらりと言う。それに、


 「子供がいたら、愛やら何やら言う前にお金ないと子供に十分な生活させられない」

 「いや、だから、十分な生活できる前提よ」

 「そんな前提あれば、愛って言うんじゃない?てか、そんな前提作る時点で、愛選ばせる気じゃん」

 「だから、愛が大事なんだよ」

 「そう言わせたいんでしょ、リュウは」

 「でしょうよ」


 2人無言で酒を飲む。

 

 「そもそもの話だけどさ」

 「うん」

 「この手の話は、結果より過程だよね?」

 「どういうこと?」

 「だから、愛とお金どちらを選ぶにしても、その人の性格、価値観、状況によってその選択は大きく変わってくるし、どれを選んでも間違いではない。そして、この手の話をする事自体、つまりその過程を楽しめばいいだけ」

 「ほー!!」


 リュウが感心したように拍手する。

 イチはそんなリュウを見て「馬鹿にして」と笑う。


 「んで、結局、リュウは何が言いたかったの?」

 「うん?まぁ、こうやってさ、イチと週末に昼から酒を飲んで、どーでも良いことを話すのが幸せだなーって思っただけ」

 「おー。乾杯しとくか」


 カチン、と缶を合わせる2人。


 「結局、2人で過ごす愛と酒を買う金、どっちも必要ってことだね」

 「まだ続けるのか」

 「奥深いねぇ、この手の話は結果を出さずとも、延々と語れる」

 「それは、間違いない」


 話の結果なんかより、どうでもいい話題をあーでもない、こーでもない、そう話せる平和な日常が必要ってことだな。


 そうリュウは考えた昼下がりの土曜日だった。

お読み頂きありがとうございました!

私は今、切実に給料あげてほしい。

色んな形の意見があっていい話題だと思います。だから、語り合うのが楽しいですよね、ということです笑

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