興味は目の前にある?
「ここに来たらどんな事でもして下さると聞いて」
ゲームだ。止まらない。話聞けない。
「すみません、間違えました」
「あー、ごめんなさい。そこの椅子座っといて」
人間の男は10分待った。
「何事も無かったかの様に始めます、こちら何でもします屋さんです。どんな相談ですか?あ、私の名前はリウです。こちらはパト」
客には何も出さない。だらしなく座っているソファは高そうな感じ。
「えーと、あの、私、人間の学校で教師をしていまして、そこの生徒が言うことを聞かなくて、元々酷かったんですが、最近手が付けられなくなりまして、保護者の方も何も言わず、教師もみんな疲弊している状況です。」
「それで俺らには疲れを癒して欲しいと。」
パト、見当違い。
「いや、その生徒をどうにかして欲しくて」
リウは状況を詳しく聞き、メモにまとめた。急に真面目な感じ。すぐに男を帰らせる。夜11時。
「みんな、席に着いてください」
うるさい。早く終われ。めんどくさい。あの二人?二匹?はなんだったんだ。あの後何も連絡なし、何でもしますとか胡散臭すぎたか。
「先生!教室出て!」窓の外からの声。
ドカーン!爆発か。
扉を破壊して入ってきたのは、馬に乗ったリウとパト。
「結構静かですね」
教師は怯えて腰を抜かしてしまった。
ガタイのいい男子生徒が一人歩いてきた。
「なんだお前ら」
「ここの生徒がヤバいって先生から聞いてきたんだよ」
ほぼ全員が教師を睨みつけた。生徒たちは盛り上がり始めた。8時50分。
不格好なファイティングポーズ。棒立ちの犬。先に仕掛けたのは男子生徒、ふかふかのクッションを殴ったのか。犬の拳はどうだ。一撃。相手はその場で突っ伏してしまった。時計の針の音が数秒聞こえ、すぐに非難轟々、また数秒、皆が戦慄。
「お前らが学校に来る意味は何だ?」
「楽しいからでしょ」
口が震えてるのなんてお見通し。
「他の生徒や先生は迷惑しているんだ、辞めてくれないか」
「学校を?」
「そう」
揚げ足取りたかったのかな。自分が笑われるべきだ。
「じゃあ私からお前たちが好きそうなことを提案するよ。パト、先生どこに行った。」
パトは教室を走って出た。あれ、馬もいなくなってるよ。
「ちょっと待っててね」
柱のようなものをどこからか出して、ビスを打って床に固定した。重りも乗せた。
先生だけ帰って来た。パトはどこ?
リウは、先生の腕を縄で固定してさらに腰のあたり、足首、胸を縄で柱に固定した。
「じゃあみんな、先生を思う存分殴っていいよ」
大声を上げて手を叩く。飛び跳ねる。さっき気絶した男子も起き上がっていたみたいだ。
「じゃあ俺からいきまーす」
元気だね。順番に数回殴ってたり蹴ったり。先生は声も出さない。女子も参加するんだ。この子はあんまりそういう雰囲気じゃないけどな、後ろに急かされてるよ。男子二人と女子一人が席に座ったままだ。血も結構出てる。みんな夢中。さっきまで列になって順番待ちしてたのに。
「おい、ネコ、縄外してもっと自由に殴らせろよ」
「無理だね」
睨みつけるなよ。力が弱そうだからか。
席に座ってた3人はもう教室出ちゃったか。
「ねえ!みんな!」
一人の女子の叫びにはみんな気づかない。9時25分。いや、一人女子が気づいた。
「ねえ!みんな!」
もっと大きい声で叫ぶとみんな彼女を向く。すぐに彼女の指す方に振り向く。全員が言葉を失いただ立っていた。柱に固定された先生を再び確認したくなかった。
壊れた教室の入口には先生と、パトが立っていた。いつからだろうね。