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第9話 兄妹の過去、そして未来。

俺と玲華は小学三年生の時に初めて会い、小学四年生の時に兄妹になった。

俺は小学一年の時に母親、玲華は小学二年の時に父親をお互いに事故で亡くしている。

玲華は元々アイドルが好きで、兄弟になった頃にはすでにアイドルになることが夢になっていた。しかし、玲華の母親は強く反対していた。俺の父親は賛成というか、好きにしなさいと言った感じで肯定的だった。

しかし、当時この家の派遣は母が握っていたため玲華のアイドルになると言う夢は叶いそうには無かった。そこで力を貸してくれたのが愛美さんだった。愛美さんは元は玲華側の親戚で、幼い頃からよく一緒に遊んでいたらしい。そしてとある日、愛美さんが説得してくれた。その後母は渋々受け入れその代わりに、もう面倒は見ないと言い出した。そこで愛美さんが生活費を出してくれる事になり、玲華は別に住むことになり俺も当時の家の中があまり好きではなかったから、玲華と一緒に家を出て行った。そして愛美さんに引き取ってもらい、高校に入学したタイミングで二人暮しが始まった。とにかく俺と玲華は愛美さんには頭が上がらないのだ。


そして、玲華のアイドルになりたいと言う夢は高校生になって叶うことになった。

アイドルになりたいって言ったて、まあそんな簡単になれるわけもなく高校までやってきた。高校に入学してまず部活動勧誘と言うものが行われた。二年生や三年生が所属している部活動について紹介するあれだ。それをきっかけに玲華が『アイドル部作りたい』と言い出した。と言うのも、その時この高校にはアイドル部は存在しなかった。ただ、人数を集めれば部活動として活動することができる。そこで玲華は部員を集めることにした。そこから俺も半強制的に手伝わされた。部として承認するには最低五人が必要だった。最初は五人を目標に部員を集めることにした。そこから四人までは何故か簡単に集まった。しかし、五人目が集まらない。そこで玲華が『優くんがマネージャーとして入部すれば良いんじゃない?』と言い出した。確かに男子禁制という訳でもないしと言うことで、これもまた半強制的に入部させられた。それで今に至る訳だ。今はスクールアイドルと言うのを売りにして活動しているが、高校を卒業した後も同じように活動しているか分からない。今はアイドルとしてしっかり活動出来ているが、高校卒業後はメンバーそれぞれ違う道を歩むことになるだろう。アイドルと言っても今はあくまで部活動の一貫だ。勿論高校卒業後もアイドル活動をすることは可能だが、正直な話あまり現実的ではないと俺は思ってる。実際これは玲華やほかのメンバーの将来に関係する大事なことだ。普通に大学生して普通に就職するのも全然いいし、アイドルを続けるのも全然いい。俺には俺以外の人の人生を決める権利はないからだ。しかし、俺たちは決して人気がある訳では無い。ファンも数え切れるくらいしかいない。このままアイドルを仕事にしても絶対に食っていけないだろう。だから、メンバーの皆には真剣に考えて欲しい。


「どうしたの、優くん?そんな怖い顔して」

「ん?あ、いや。ちょっと考え事しててな」

「ふーん」

「なあ」

「なに?」

「玲華は高校を卒業した後もアイドル続けていたいか?」

「分かんない。続けたいかもしれないし、続けなくてもいいかもしれない。実際こうして今、私の夢はもう叶っちゃったわけだし」

「そっか」

「玲華ってさ、これからも俺と一緒に暮らしていきたいか?」

唐突にそんな言葉が口から出た。理由は分からない。けど、どこか怖かったんだ。玲華が離れていってしまうんじゃないかと。

「私はずっと優くんと一緒にいたいかな」

「ずっと?」

「ほら、私って家事が出来ないでしょ?だから優くんにやってもらわないと」

「それもそうだな」

「今日の優くんなんか変だよ?」

「そうだな。変かもしれないな」

「どうしたの?」

「なんか、玲華の将来が少し不安と言うか、心配でな」

「そ、そうなんだ?」

「悪いな。急に変な事聞いて」

「いや、別にいいけど」

「あれ、もうこんな時間か」

「そうだよ?」

「寝るか」

「うん」

読んで頂きありがとうございますm(_ _)m

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