表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/17

第8話 週末に妹たちと合宿③

布団の中の妙な違和感に気づき、目が覚めた。

「玲華……?」

そう言えば、一緒に寝てたんだったな。と言うか、玲華ってこんなに寝相悪いのか。俺は仰向けに寝ている。その上にうつ伏せの状態で玲華が乗っかっている。何をやったら俺の上に乗っかって来るのだろうか。とりあえず起こさないように起床した。


今日が、合宿最終日。しかし、窓の外を見てみると大雨だ。天気予報は晴れだったが、豪雨と言えるほどの量の雨が降っている。ここまで降ってると帰るのも面倒臭そうだな。そんな事を考えてると、愛美さんから電話がかかってきた。

「もしもし」

「はい。なんですか?」

「優たちって今、合宿みたいな事してるんだっけ?」

「はい、そうですけど」

「今そっちって雨降ってるんでしょ?」

「土砂降りですね」

「良かったら、車で迎えに行こうか?」

「え、いいんですか?」

「うん。暇だしね」

「じゃあ、お願いします」

「了解。じゃあ今から向かうね」

「はい」


部屋にいてもやる事がないので、リビングに向かう。

「おはようございます」

「ああ、おはよう。って、葉月だけか。凛はまだ寝てるのか?」

「さっきまで起きてたんですけど、色々あって三度寝中です」

「三度寝って……」

「そう言えば、玲奈ってお兄さんといる時はあんな感じなんですか?」

「やっぱ気づいた?」

「そりゃ、気づきますよ」

「確かに家ではあんな感じだな。結構ベタベタくっついてきたりする」

「へー、そうなんですか」

「葉月も大幹と二人暮らしなんだっけ?」

「はい、そうですよ」

「やっぱ、二人暮らしって大変じゃないか?」

「ほんと、大変ですよ。お兄ちゃん家ではダラダラしてるし」

「あー、なんかダラダラしてそうだな」

「飯とかも葉月か作ってるのか?」

「基本はそうですね」

「家事やるって大変だよな」

「お兄さんも家事してるんですか?」

「ああ」

「玲奈って家事しないんですか?」

「めちゃくちゃたまにしかしないな」

「へー、意外」

葉月と話をしていると、華がやって来た。

「おはよー」

「おはよう」

「そういえば、玲奈消えてたけど、もう起きてるの?」

「ああ、玲華なら俺の部屋で寝てる」

「え……まさか兄妹でそんなことするなん……」

「いやただ一緒に寝ただけだぞ!?」

「ほんとに〜?」

「仮にそうだったとしても、玲華から俺の部屋に来たんだぞ?」

「それもそうか」

「てか、玲華からだったら良いのかよ」

「何となく、お兄さんからってよりは」

くそ、何て不平等な世界なんだ。

「なんで、一緒に寝てたんですか?」

「玲華が寝付けないって、俺の部屋に来て一緒に寝ようって」

「なんか、可愛いですね」

「そうだろ」

「……それで、今日雨降ってるけど、どうするの?」

「なんで無視されたかは、ほっておいておくが……愛美さんが迎えに来てくれるらしいから、適当に帰る準備しながらこの別荘の中で待機だな」

「へー、愛美さん優し」

みんな同じ高校に通ってるから、愛美さんのことはみんな知っている。

「だから、とりあえず片付けしとけよ」

「はーい」

「じゃあ、俺は玲華たちを起こしてくるから」

「わかりました」

リビングを後にした時、こんな話し声が聞こえた。

「高校生の妹って、兄と一緒に寝るもんなのかな?」

「いや、寝ないと思う」

だよな。そうだような。玲華の距離感がおかしいんだよな?


自分の部屋に戻ると、玲華がうとうとしながらベッドに座っていた。

「おはよう、玲華」

「んん……おはよ、お兄ちゃん……」

玲華は、寝ぼけていたりすると『お兄ちゃん』呼びになる。昔は『お兄ちゃん』って呼ばれてたが、中学頃から呼び方が変わった。中学に入学したタイミングで『お兄ちゃん』は子供っぽいし、『兄さん』は冷たい感じするしってことで、名前で呼ぶことになった。

「あれ……何で私優くんの部屋にいるの……?」

「寝れないって、玲華が来たんだろ?」

「あ、そう言えばそうだった。変なことしてないよね……?」

「してねーよ」


その後、昼頃に愛美さんがやってきてみんな車で帰った。

順番に家にメンバーを送り届け最後が俺と玲華になった。電車ではなく車だったため、帰りが少し遅くなってしまった。そのせいか、玲華は俺の肩に寄りかかり眠ってしまった。妹の寝顔をこんなに間近で見られるのは兄の特権だろう。

「着いたよ」

愛美さんの声で、玲華は目を覚ました。

「今どこ……?」

「丁度家に着いたところだ」

玲華は欠伸をしながら、小さく伸びをする。

「じゃあ、私はこれで」

「はい、ありがとうございました」

「ありがと、お姉ちゃん。また明日?」

「そうだね」


結局雨は、車に乗ってすぐに止んでしまった。

読んで頂きありがとうございますm(_ _)m

面白かったから、ブックマークや評価をして頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ