第7話 週末に妹たちと合宿②
「合宿と言う名目だが、遊びに来た訳では無い」
「はあ……、まあ、それはそうでしょうけど」
「修学旅行だって、遊びじゃないって教師に言われるだろ?」
「まあ、言われますけど……」
「つまりだ、まあ少しは遊んでも構わないが、あくまで遊びに来た訳では無いって事は頭に入れておけ。ここに来たのは、チームワークや技術の強化が目的だ」
「優くん、凄い真面目だね……」
「これでも、一応マネージャーだからな」
「とは言っても、何やるんですか?」
「わざわざこんな所まで来たんだから、ここでしか出来ないことだな」
「と言うと?」
「何だと思う?」
「ピンと来ないですけど」
「いつもの場所じゃ、出来ないことだな」
「うーん……」
「さっきもやったが、まずは走りだな」
「別に、走るくらいどこでも出来るくないですか?」
「こういう自然に囲まれた環境は都心にはないだろ。でかい公園とかならあるけど、車の音とかうるさいからな」
「なるほど」
「まあ都心だと、こういう環境はないから実際変にふざけなければ、何してもいいが」
「そうなんですか?」
「ああ。別に運動部の合宿とかって言う訳でもないしな。でも今日は移動の疲れとかも多少はあるだろうし、午後は自由時間でいいぞ」
「いいんですか?」
「ああ」
さて、俺は何をしようかな。特にやることもないんだよな……。本でも読んでるか。
◇
あっという間に夜になった。夜ご飯は昼に作ったカレーの残りを食べ、風呂に入る順番を決めることになった。
「優くんは最後でいいよね?」
「別にいいけど」
「で、私達はどうする?」
「お風呂大きいから二人ずつ入る?」
「いいんじゃない?」
「じゃあ、ルームメイト同士で入ろっか」
◇
本当に二人で入ったな。なんかただの旅行みたいになってる気がする。
「なあ玲華、女子って一緒に風呂に入ったりするもんなのか?」
「うーん、普通じゃない?」
「そうなのか」
女子ってそんなもんなのか。俺は特に男と一緒に風呂に入り態度は思わない。
「葉月って、意外と胸大きいんだね」
そんな声が風呂場から聞こえてきた。この建物の構造上、風呂場とリビングが隣になっているため若干声が聞こえたり、シャワー音が聞こえてしまう。
「女子って、こういう会話するもんなのか?」
「それ、セクハラ」
「いや、違うって」
「セクハラでしょ」
「まあいいや。なんか居づらいから、部屋に戻る」
「じゃあ、優くんの番になったら呼びに行くね」
「ああ。頼む」
◇
女子って、あんな感じの会話苦手だと思ってたけど、女同士だとまた別なのかな。
そんな事を考えてると。コンコンとドアがノックされる。
「優くーん、お風呂空いたよー」
「わかったー」
◇
「おお、結構広いな」
あれ、お湯が溜まってないな。
「なあー、お湯が溜まってないけどどうしたんだー?」
リビングにいる玲華たちに聞こえるように大きめの声を出す。
「私たちの残り湯堪能されるのなんか嫌だったから、抜いといた」
「なんでやねん」
仕方ないな。もう一回張り直すか。
その後、しっかりお湯を張りゆったりと浸かった。
そして時刻はもう日付が変わろうとしていた。
「そろそろ、寝るぞ」
「はーい」
「夜更かしとかするなよ」
「分かってますって」
俺も自分の部屋に戻り、寝る準備を始めた。すると
コンコン
「優くーん。入っていい?」
「玲華か?いいぞ」
玲華はどこか、不安そうに扉を開け俺の部屋に入ってきた。
「どうしたんだ?」
「なんか寝れなくて」
「そ、そうか」
「一緒に寝てもいい?」
「いいけど……」
「じゃあ、端っこ寄って。私入れないから」
「お、おう……」
玲華は一切の躊躇いもなく、俺のベットに入ってくる。
「なあ」
「なに?」
「その、兄妹とは言え抵抗とか無いのか?」
「うーん。別に」
「そ、そっか」
「ほら。早く寝よ」
「ああ……」
お待たせさせてしまって、申し訳ありません。
今日からまた、執筆を再開致しますのでよろしくお願い致します。