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ハメられるレオン


 席に座った、アンジュリーンとアリアリーシャは、わざと、レィオーンパード達の席を見える位置に座っていた。


 本来なら、アンジュリーンとアリアリーシャは、向かい合う様に座らないと、ジューネスティーンとシュレイノリア、それと、ユーリカリアとウィルリーンがペアで座っているのだから、3対3になる様に対面に座るのだろうが、2人は、ユーリカリアとウィルリーンが座った、壁際の席に、4人が並ぶ様に座っていた。


 ジュエルイアンは、1人、テーブルの先に1人で座っているので、それが、ジューネスティーンの横に来て、3人が並ぶ様に座れば、バランスも良いと思うのだが、ジュエルイアンを囲む様に、壁際に4人と内側に2人となっていた。




 レィオーンパードには、アンジュリーンの目が、ニヤリと笑った様に見えた。


 慌てて、アリアリーシャに助けを求めようと視線を向けると、レィオーンパードの視線に気がついたアリアリーシャが、ニコっと笑顔を作ると、声には出さずに口を動かしだした。


 それは、明らかに、“が・ん・ば・れ” と、動いた。


 してやられたと思っていると、レィオーンパードの手を誰かが握った。


 その触れられた手の柔らかさと、所々にある手の剣だこを感じる。




 慌てて、その手を見ると、チーター系の亜人であるヴィラレットが、レィオーンパードの手を取って、席に着かせようとしているところだった。


 フェイルカミラとフィルルカーシャが、カミュルイアンとシェルリーンをテーブルの上座の方に対面で座らせているので、カミュルイアンの横にヴィラレットがレィオーンパードの手を撮って招いている。


 ヴィラレットがカミュルイアンの横の席の前に立って、レィオーンパードをカミュルイアンから、離してすわらせようとするが、レィオーンパードは無理にカミュルイアンの隣に座ろうとする。


 しかし、ヴィラレットが、それを許さない。


 レィオーンパードを握る手に力が入る。


 レィオーンパードには振り解けない様な力では無いが、ヴィラレットがそこの席に座るなと訴えている。


 ヴィラレットは、笑顔をレィオーンパードに向けると、一言言う。


「貴方の席はこちらです。」


 そう言って、カミュルイアンと引き離して、レィオーンパードを一つ離れた席に座れと言っているのだ。


 レィオンパードは、せめて、カミュルイアンの隣に座って、少し少し、カミュルイアンに近付いていこうと考えたのだろうが、ヴィラレット達にはお見通しだったようだ。


 レィオーンパードは、ヴィラレット以外の2人の女子の顔を見るが、2人とも、隅の席の方をチラリと見てから、レィオーンパードに視線を移して笑顔を向ける。


 2人も、そこが今日のお前の席だと、目で訴えているのだ。


 3人の女子の思惑は、シェルリーンとカミュルイアンの邪魔は絶対にさせないというオーラを感じてしまうのだった。


 レィオーンパードは、女子3人の視線の中で、それに逆らう気概は持ってないのだ。


 どうも、女子3人となると、レィオーンパードには、部が悪いのは、いつもの事のようだ。




 仕方がなく、レィオーンパードは、指示された席に座る。


 座ると、女子3人も席に着いて、3人がレィオーンパードに笑顔を向ける。


 レィオーンパードには、その目が怖かった様だ。


(あーっ、あれって、絶対にカミューとシェルリーンさんの恋路を邪魔するな! お前は、私たちの相手をしろと言っているだよな。)


 レィオーンパードには、3人の女子の笑顔の裏にそんな思いが見えたのだ。




 レィオーンパードは、困ったと思った顔で、向こうのテーブルを見ると、アンジュリーンと目が合う。


 すると、アンジュリーンが笑顔を浮かべると、手を振ってきたのだ。


(クソォっ! あの女、絶対にハメやがった。 絶対に楽しんでいる。)


 目の前の3人の女子のいる前で声に出すわけにはいかないのだ。


 レィオーンパードは、仕方なさそうにすると、今度は、一度、アンジュリーンを睨み付けると、テーブルの3人に笑顔を向けた。




 レィオーンパードの反応にアンジュリーンは、自分の思った通りになったと思い、更に嬉しくなったのか、笑いを堪える仕草をする。


 すると、小声でアリアリーシャに声をかける。


「見た? レオンの顔。」


「見ました。 あの子が手玉に取られてました。」


「やっぱり、おバカよね。 次の展開を考えてない典型ね。」


「でも、文句を言わないだけ立派よ。 おバカなら、この状況にさせられたら、卑怯だとか、喚き散らすものよ。」


「まあ、そうよね。 あの子も、それだけ成長したって事かしら。」


「そうね。」


 そう言って、2人はクスクスと、自分達のテーブルに居る人達に遠慮がちに笑い出した。




 腹を立てるレィオーンパードなのだが、隣のヴィラレットが、レィオーンパードの表情が気になり声をかける。


「どうかなさいましたか? 」


 今、自分の思った事をこの3人に話すわけにはいかないので、お茶を濁す。


「いえ、何でもありません。」


 レィオーンパードは落ち着いて、周りをよく見ると、向こう端に対面で座るカミュルイアンとシェルリーンの場所と自分が座る4人との間が、少し広く開いていて自分達4人は近づいている。


 先程、ヴィラレットがレィオーンパードが考え事をしていたときに、椅子の配置や、テーブルの上の食器の位置を少し動かしたのだ。


 この女子3人は、レィオーンパードとカミュルイアンとの間に隔たりを作り、完全にグループ分けをしたのだ。


 レィオーンパードは、やれやれと思ったのだろう、その思いが顔に出た。




 だが、なってしまったものは仕方がないと思いつつ、レィオーンパードは女子3人とのハーレム状態を楽しむことにするのだと、開き直るのだった。


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