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帝都に入るジュエルイアン


 ジュエルイアンは馬車に揺られて、大ツ・バール帝国の帝都に入る。


 馬車4台が一列に並んでいる。


 3番目に荷馬車が1台、その前に高級そうな馬車が1台と、前後には一般的な馬車が先頭と最後尾に1台ずつの商隊になっている。


 馬車には、それぞれ、御者の他に1人、武装した護衛が一緒に座っており、周囲を警戒しつつ座っている。


 前後の2台馬車は、簡単な屋根が付いるが壁は無く、中には、屈強そうな冒険者が座っているのが外から分かる。


 万一の場合は、直ぐに外に出れる様になった馬車になっており、明らかに隊商の護衛の任務に付いていると分かる。


 しかし、2台の馬車の護衛には多すぎる護衛に見える。




 途中で盗賊に見つかった時、この商隊を襲っても、成功できないと分からせる為の、示威行為の様でもある。


 通常、この人数の護衛をつけるなら、大規模な商隊になる。


 2台の馬車の護衛に、1パーティーを後ろに連れているだけでも多く、通常なら御者台に1人と馬車の中に数名なのだが、前にも後ろにも、各1パーティーと厳重な警備を敷いている。




 南門で入国の手続きを行なって、門を抜け、そのまま北に向かって進むが、次の交差点で、大通りを西に向かう。


 目的はジューネスティーン達の様子を確認すること、カインクムに会うことだが、その前にギルド ツ・バール支部に寄り、自分の到着を連絡するためだ。


 ギルドの門を入り、建物の脇に馬車を止めると、ジュエルイアンだけが建物に入っていく。


 建物に入ったジュエルイアンは受付に行って、受付嬢に声をかける。


「電信を打ちたいのだが、頼めるか。」


「かしこまりました。 ご用件をお伺いします。」


「あぁ、内容は、“帝国に到着した。” それだけだ。 送信先は、南の王国のジュエルイアン商会のヒュェルリーン・トゥルレン・トルハイマン宛だ。」


「かしこまりました。 では、中黄銅貨5枚になります。」


 ジュエルイアンは支払いを済ませて、ギルドを出ると、乗って来た馬車に乗り込むと、ギルドを出ていく。




 馬車はカインクムの店の前で止まり、ジュエルイアンが馬車から降りると、乗っていた馬車は、カインクムの店の前で、止まって、馬を休ませている。


 残りの3台の馬車は動き出した。


 予め馬車を店の裏に回す様に指示を出しているので、御者は指示通りに動いている。


 カインクムの店のドアを開けると、直ぐに声をかける。


「カインクム、居るのか? 」


 開けると同時に声を掛けると、奥からカインクムが出てくる。


「早かったな。 もう少し先かと思ってたが。」


「丁度、次の荷物も完成したので、一緒に届けに来た。」


「それは、兄ちゃん達も喜ぶだろう。」


 カインクムは、そう言いながら、ジュエルイアンの脇をすり抜けて、入口のドアノブに閉店の看板を出してドアの閂を掛ける。


「それより、お前の台車を見せてくれ、どんなもんなんだ。」


「あぁ、荷物も届いたのなら、それで確認してみると良い。」


 そう言って、店の奥に案内すると、途中で、フィルランカに、裏にまわって馬車を入れる様、裏の門の扉を開けてもらうようにお願いして、ジュエルイアンを工房に案内する。


「この台車だ。 裏に魔法紋を描いてもらっただけだが、100kg位なら指一本で動かせる。」


 ジュエルイアンは、台車の裏の魔法紋を確認すると、軽く前後に動かしてみる。


「何も乗ってない台車じゃあ分からないだろう。 今日届いた荷物を乗せてみて確認してみてくれ。」


「あぁ、そうする。」


 そう言うと、工房の荷物搬入口のドアを開ける。


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