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観察眼


 ギルドはの高等学校の格闘技の授業では、観察眼の事が分かってなのか、戦うにあたって、同じ相手と何度も戦わせる様な事をさせなかった。


 冒険者は、依頼をこなし、魔物をより多く、強い魔物を倒すことで、収入が増えるので、積極的により多くの人と対戦する様に指導する。


 それは、人それぞれが体の使い方の微妙な違いによって初動動作の違いが出る。


 より多くの人と対戦することで、その色々な癖を見抜く事を目的として行う。


 ただ、ギルドの高等学校の教官がその事に気付いていて指導しているかは分からない。


 指導要領にそうなっているのでその様に指導している可能性は高い。


 だが、そのおかげで自分は、観察眼が磨かれたのかもしれないとジューネスティーンは考える。


 学校でも、時々、同じ相手としか組まないのが時々居たが、その相手と、たまに、練習を組まされると、その相手には、動きに多様性が無く単調な攻撃の繰り返しだった様に思える。


 対戦してなかったとしても、その相手の攻撃パターンが誰かと似ていたら、そのパターンから今の相手のパターンに補正していく。


 多種多様の相手と交戦していく事で攻撃パターンを自分の体に染み込ませる。


 いくつかの攻撃パターンの応用を使えば、最初は上手くいかなくても攻撃を受けつつ、補正を加えることで対処できる。


 その為に同じ相手と何度も組む事は無く、何度も相手を入れ替える事で、様々なパターンを覚える。


 その為に必要なのは、観察眼なのだったのかもしれない。


 それが、シュレイノリアの様な説明下手の魔法を観察して得たのが、フィルルカーシャやウィルリーンに手順を説明できたのかと




 ジューネスティーンが、観察眼について考えていると、ウィルリーンも出来上がったアイスランスを回転させて撃ち出していた。


 フィルルカーシャと比べてみると、回転も撃ち出し速度も、ウィルリーンの方が早い。


 魔法を50年に渡って使っていたウィルリーンと、今初めて魔法が使えたフィルルカーシャでは、経験の違いなのだろうと、ジューネスティーンは理解した様だ。


 形にするのは、目に見えるアイスランスの形にするのは問題無いみたいだが、回転させる、撃ち出すは、それを回転させるとか撃ち出す力について、フィルルカーシャには、イメージがし難いみたいだ。


 だが、それを時々フィルルカーシャは、ウィルリーンに聞いたりしているので、ウィルリーンに任せておけば、近い将来には、シュレイノリアの砲弾型アイスランスと同じ様にできるのではないかと思えた様だ。


 それなら、これ以上自分からアドバイスはしなくても、自分で解決できるだろう。


 ジューネスティーンは、安心した表情を見せる。




 ジューネスティーンは、ユーリカリアのパーティーが自分達の魔法を使って練習をしているので、今日はこれ以上魔物との戦闘が出来るか分からなくなってしまったと考えると、彼女達を横目に、今日の戦闘について反省を行っているのだろう。


 ジューネスティーンは、何かを考えるような顔をしている。


(ユーリカリア達のパーティーでは、同じ6人パーティーでも前に出て前衛として機能できる人が多い、前衛として魔物と対峙できる人数が4人だが、うちはどうなる? )


 ジューネスティーンは、自分のメンバー達を見る。


(自分達には、前衛として3人、俺、アリアリーシャ、レィオーンパードと3人居か。 俺以外は、防御力が低いので、可能な限り組み合ったりはできない。 1対1で向き合ってという事になると、相手の攻撃を躱しつつ、相手の隙を伺って攻撃するって事になる。)


 どちらかというと、2人は動き回って攻撃を加えるが、倒すと言うより時間稼ぎを行なって、仲間が自分の魔物を倒すのを待ち、複数で1体の魔物に対峙する様にしている事を考えている様だ。


 強者の法則に則って複数で攻撃を加えるのは、圧倒的に有利に戦えるとは感じているのだが、それも今までの様に南の王国でなら、それも良かっただろうが、ユーリカリアに連れて来られたこの場所の魔物と対峙してみて、個々の能力の向上が必須だと実感させられたのだ。


(東の森へ行く前に強力な魔物と対峙した事で、課題が見えてきた。 ユーリカリアと一緒に狩ができたことはありがたかったな。)


 これから、自分達が向かおうとしている東の森は、帝国に来る時に遭遇した魔物が数多く居る場所だ。


 人がおいそれと入って行って問題が無い場所では無い。


 むしろ、危険が増しており、しかも、複数と対峙したらどうなるかと考えると、最低でも1人で1対1で対峙して、勝てないまでも負けないようにする必要はあるのだ。


 他のメンバーにもジューネスティーンの様な太刀を持たせても良いが、それだと、アリアリーシャやレィオーンパードの良さが失われてしまうかもしれない。


 機動性の高い2人には、今の速度を生かした攻撃で、魔物の攻撃を躱して、致命傷とまではいかなくても、ある程度の重傷を与える事が出来る様にする必要があると感じるのだった。


 その攻撃方法を考えて2人には習得させる必要がある。


 また、中衛のアンジュリーンとカミュルイアンにも弓以外にも接近戦に慣れてもらう必要が有る。


 2人には、レィオーンパードやアリアリーシャの様な機動性は期待できないが、ジューネスティーンの様に組み合って格闘させる訳にはいかない。


 ある程度離れて戦闘させた方が、自分としても離れて別の魔物と対峙しなければならない事もあると考えると、魔物に捕まえられる範囲で戦わせるのはリスクが高い。


 そうなると中衛の2人にも前衛とまではいかないが、それに準ずる程度のスピードが必要になる。


 基礎的な体力の問題は、在学中に嫌と言うほどに鍛えられているのだから、戦略的に剣による攻撃陣に組み込んでも問題は無い。


 むしろ、今まで組み込まなかった事が、これから行くであろう東の森での戦闘を考えたら、今まで剣による戦いをさせないでいた事がマイナスになっている。


 東の森に入ってから久しぶりに剣を使う事になる事は避けなければならない。


 そうならない為にも、早めに剣を使う戦いをさせて感を養う必要が有る。


 また、4人においては、シュレイノリアの様に、魔法をロスタイム無く撃てる訳では無いので、接近戦における防御として剣の腕を磨いてもらう必要が有る。


 ジューネスティーンは、今後の課題が見えてきた様だ。


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