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フィルルカーシャのリクエスト


 しばらく様子を見ていると、ユーリカリア達は、土魔法も習得できた。


 それを見て、風魔法も教えたところ、それ程時間がかからずに習得できた。


 それは、1人ができると、できた1人が、残りの誰かを見る。


 2人ができれば、それぞれができてない残りのメンバーにできた時のイメージを伝える。


 1人だけ出来たと喜んでいるわけではなく、直ぐにメンバーに自分できた事で、他のメンバーにもできた喜びを味わってもらおうと、助ける様にしている。


 できたら、出来たで終わるより、その時の状態を自分の頭の中で考えて教える事になるので、教える側の魔法が使えると考える力は大きくなる。


 そうなると、より大きな魔素を扱える事になるので、もっと強力な魔法を使う事もできる様になる。


 ただ、ユーリカリアとシェルリーンの火魔法は、トラウマと火に慣れてないことから、習得には至らなかった。


 しかし、他の魔法が習得できたので、心の問題を取り除けば習得はできるだろうと、ジューネスティーンは考えているのだった。




 後は、何度も繰り返して使える様になれば良いので、カミュルイアンとアンジュリーンにも5人の魔法を見てもらう事にする。


 魔法の使い過ぎにならない様にする。


 初めて使えた時は、最初は恐る恐る使うのだが、徐々に慣れてくると、過激に使いすぎる事もあるので、見てもらう事にする。




 一通りの魔法を教えて、回数を重ねるための練習を始めると、フィルルカーシャがジューネスティーンに聞いてきた。


「すみません。 ちょっと聞いてもよろしいでしょうか? 」


 その問いにジューネスティーンは、構わないから続けてと伝えると、フィルルカーシャは嬉しそうに続ける。


「さっき、シュレさんが、大きなアイスランスを使っていましたけど、あれを覚えてみたいんですけど・・・。」


 フィルルカーシャは話しているうちに、何だか失礼なことというか、身の程を知らない事を言っている様になり、最後の方は、声が小さくなってしまった。




 それを聞いて、ジューネスティーンは、魔法に対して欲が出てきたと感じる。


 知識については貪欲になればなる程、疑問が浮かび上がる。


 もっと知りたいと思う心が、疑問を浮かび上がらせる。


 それなら、アイスランスも教えてしまった方が良いと思うのだが、自分にシュレイノリアと同じ物が出来るのか心配になる。


「そうですね。 砲弾型アイスランスも、覚えられるなら覚えた方が良いですね。」


 それを聞いて、フィルルカーシャは、自分にも新たな戦力が持てると喜ぶ。




 ウサギ系の亜人であるフィルルカーシャは、身長が低いので、その分を刃と同じ長さの柄を持つ薙刀の様な武器を使って、身長の低い分リーチも短いので、その分の足りない長さを武器で補っている。


 リザードマンのフェイルカミラや他のメンバー達と比べて、自分には、120cmしかない身長は大きなハンデになっていると自身は考えているのだった。




 ただ、メンバー達は、その身長がハンデになっているとは考えておらず、それを補って、あまり有る瞬発力を買っている。


 間合いを一瞬で詰め、魔物の攻撃を掻い潜りながら攻撃する素早さは、誰も追いつくことは出来ないと考えているのが、2番目に背の低いユーリカリアとの差でも、40cmの身長差があるので引け目を感じているのだ。


 もし、先程見たシュレイノリアのアイスランスが自分にも使えたら、低い身長でも関係なく、しかも、遠距離攻撃が可能になるので、攻撃力の向上につながると思ったのだ。


 だが、ジューネスティーンは、微妙な顔をしているのが気になる。




 ジューネスティーンは、自分に砲弾型アイスランスが作れるか心配していた。


 シュレイノリアの魔法の才能なら、イメージしていた物を、1発で作る事も可能だが、自分にそれが出来るのか心配になっていたのだ。


 そんな状態で、彼女に教えても良いのかと考えてしまった。


 そんな事を考えていると、不安そうに見ているフィルルカーシャと視線が合う。




 ジューネスティーンは、一度も使った事のない魔法をフィルルカーシャに教えられるのか?


 初めて見た魔法が、見ただけで使えるのか不安な心が、表情に出てしまったのだ。


 ジュネスティーンの不安そうな表情を見て、その不安がフィルルカーシャにも伝わってしまった。


(やっぱり、あんな強力そうな魔法だから、私には、教えてもらえないのかなぁ。)


 ジューネスティーンを見て、フィルルカーシャも不安な表情をしていたので、ジューネスティーンは、慌てて自分の考えていたことを伝える。


「すみません。 砲弾型アイスランスが、自分に作れるかと考えたら、ちょっと心配になってしまったんですよ。」


 それを聞いて、フィルルカーシャは安心した顔をする。


 ついでに、自分も一緒に砲弾型アイスランスを練習してしまおうとジューネスティーンは考える。


「さっきの砲弾型アイスランスですけど、自分も、さっき初めて見たんですよ。 だから、作った事が無いのでうまく作れないかもしれません。 その時は、一緒に練習してくださいね。」


 フィルルカーシャは、ジューネスティーンが、素直に自分も作れるかどうか分からないと、率直な気持ちを言ってくれた事に親近感を感じた様だ。


 緊張がほぐれた様な態度で、ジューネスティーンを見上げていた。


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