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火魔法の影響


 ユーリカリア達5人は、信じられないと、いった感じでオナラが燃えるのかと疑問に思っていた。


「あのー。 オナラって燃えるのですか? 」


 シェルリーンが聞いてきた。


 最初は、ユーリカリアだけが喋っていたのだが、徐々に他も話をする様になってくれたと安心しつつ、ジューネスティーンは答える。


「ええ、オナラには、腸内細菌の活動によって、そういった成分が出てくるのです。 だけど、オナラをすると直ぐに拡散してしまうので、燃える事は有りませんけど、オナラが出る時、お尻に火があれば、ボワって感じで火がつきますよ。 まあ、それを試すなんて人は居ないと思いますけど。」


 そう言われてみて、お尻に火を持っていってからオナラをするなんて考える人は居ないだろうと、5人も納得して頷いている。


 そんな話をしていると、ふと、自分が想像していた事が、何だかイヤラしい事の様に思えて、少し顔を赤くしている。


 女性には少しデリカシーの無い例えだったと、その5人の表情を見て、さっき、アンジュリーンが怒った様な素振りをしたのが何でなのか分かった様な気がした。


「すみません。 ちょっと、デリカシーの無い話ですみません。」


 ジューネスティーンが謝ると、少し顔を赤くしたユーリカリアが答える。


「いや、構わない。 ちょっと、驚いただけだ。 でも、そんなものが燃えるとは驚いた。 でも、イメージをするには良いかもしれない。」


「すみません。」


 ジューネスティーンは申し訳なさそうに答える。


「構わんよ。 それより続けてもらえるか。」


「そうですね。 じゃあ、続けます。」


 ジューネスティーンは気を取り直して、次に進むことにする。


「とりあえず、燃える気体の成分についてはイメージできると思いますので、さっきの水蒸気を集める様な感じで、燃える気体をイメージして集める様にします。 その集まった気体に火を付ければ燃え上がるんです。」


 そこまで話すと、フェイルカミラが質問してきた。


「あのー、気体を集めるのは分かったのだが、火を付ける方法はどうすれば良いんだろうか? 種火でも有れば燃えるとは思うんだが、何も無いところで火を付けるなんて、集めてもできないのでは? 」


 ジューネスティーンは当然の疑問だと思うのだが、それを理解させれば火魔法も使えるだろうと考える。


「ええ、確かに火種が無いと火はつきませんけど、火をつける方法は他にも色々あるんです。 例えば摩擦熱なんですけど、乾いた木をゴシゴシと擦り合わせていくと火が出ますし、気体を極限まで圧縮したら発熱しますので、着火点まで気体を潰してやれば燃えます。 それと振動も熱を発生させます。 寒い時に自然に体が震えることが有りますが、あれも振動させることで、体温を保とうとしているんです。 なので、摩擦・圧縮・振動のどれかか、その中の2種類を使うか、または、全部を使って発火させるんです。 ただ、圧縮で発熱させて発火させるのは爆発になるので、今回は、圧縮するのは無しで考えた方が良いと思います。 慣れないと爆発は怪我をする可能性もありますので、集めた気体を強く振動させると思って貰えば良いと思います。」


 そうは言ったが、最初から分子か原子レベルでの振動を思いつけるのかと少し疑問に思う。


「ひょっとすると、集めた気体に火を付けるとか、炎をイメージだけで燃えるかもしれませんね。」


 単純に炎をイメージした方が簡単かもしれないのかと思い、そう伝える。


 すると、フィルルカーシャとフェイルカミラから奇声が上がる。


 何事かと思ってみると、2人が髪の毛や顔を手で叩いている。


 すると、髪の毛を焼いてしまった時の独特の匂いが漂ったので、火魔法が成功したのだと理解する。


「あっ、すみません。 火は危険なので、あまり体の近くで使わない様にして下さい。」


「「遅い!」」


 慌てて言うのだが、2人には遅すぎた。


 その事を2人に突っ込まれる。




 2人を見ると、フェイルカミラの眉毛が無くなって、フィルルカーシャは前髪が少し縮れている。


 考えれば、水魔法の時にヴィラレットが説明している最中に成功させてしまったのだから、今回も同じ様に先走って成功させる事が考えられたのだ。


 始める前に言っておくべきだったと反省する。




 だが、それを見て飲み込みの早い人達だと思っていると、ヴィラレットが頭上の方に炎を発生させると、一瞬炎が広がってから消える。


「あっ、できました。 でも、直ぐに消えてしまいました。」


「それができれば、後は、炎に追加で集めた気体を流し込めれば炎は持続します。 または、集めた気体とは別のところに火種をつけて、そこに集めた気体を細い管から流し込んでやるようにすれば、炎の大きさも調整できますし、燃えてる時間も長くする事ができます。」


 ヴィラレットは、さっきもそうだったが、案外、魔法のセンスが良いとジューネスティーンは思う。


 そう、感心していると、視線を感じるので、その視線の方に目を向けると、フェイルカミラとフィルルカーシャが睨んでいた。


「それも、もう少し早く言ってくれれば、私の前髪も被害が無かったのでは?」


「そうです。 私の眉毛も無くならないで済んだかもしれません。 私は、眉毛無しだと怖い顔になってしまうと思うんですけど。」


 以外に、2人は少し根に持っている様に思える。


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