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魔法の原理


 ジューネスティーンは、ウィルリーンの様子をみて、さっきの様な取り乱しにはならないと思うと、魔法についての講義を始める。


「魔法というのは、自分の頭の中にあるイメージを、この周りに漂っている魔素と融合させて具現化させるんです。」


 ジューネスティーンの一言を聞いて、ユーリカリアとシェルリーンは、次の言葉を食い入るようにジューネスティーンを見ている。


 魔法を使えない残り3人は、真剣に聞いてはいるが、いまひとつ覚えたいという気持ちが伝わってこない様に感じた様だ。


 ジューネスティーンは、2人の表情を伺う様にするが、直ぐに説明に入る。


「それで、特に必要なのは自分が魔法が使えると思う事が特に重要になります。 なので、自分には魔法が使えないという思いが残っていると魔法は発動しません。 恐らく、子供の頃に魔法適性が有るか無いかを、国が確認すると思うのですけど、その時に、魔法適性が無いと伝えられた人は、誰も魔法が使えないと思い込んでいるだけなのです。」


 話を聞いて、ユーリカリア達は、唖然とする。


 そんな事で、魔法が使えなかっただけだと思うと、やり切れない思いを襲った。


「じゃあ、何かぁ。 その時に適性無しと言われたから、使えないと思い込んでいただけだって事なのか? 」


「そういう事です。」


「たった、それだけのことだったというのか。」


 それを聞いて、ユーリカリア達はお互いの顔を覗き込んでいる。




 今まで、魔法的性が無い人は魔法が使えないと思われていたのだが、ジューネスティーンは、それを否定したのだ。


「魔法というのは、自分の考えた内容を、大気中や地面にある魔素と結合させて発動させるので、魔法紋を発動できるという事は、魔素を扱うことができるという事になります。 だから、魔法紋を発動できる人は魔法も発動できる証明になります。」


「あのー、すまない。 魔素なんだが、魔法を発動するのに必要な物だとは知っているが具体的には何なんだ。」


 ユーリカリアが聞いた。


 魔法が使えなかった残り4人も、その事にに付いて聞きたかったのだろうが、言い出せそうもなかったので、ユーリカリアが聞いてくれたので、その質問を自分も聞きたかったと言うような顔をしている。


 人伝に聞いた事は有るが、その程度の知識なので、具体的に魔素とは何か、とかどんな物なのかを聞いた事が無かったので、話を聞けるのはありがたいと感じている。


「うーん。 魔素は、多分、素粒子だと思うのですけど、素粒子として考えるより、魔物を倒した後に魔物の体から出てくる、黒いモヤというか、霧の様なものがあります。 あれが魔素だと思ってください。 魔物から出てきた時は、ゆらゆらと揺れる様に、黒いモヤが出てくると思いますけど、徐々に黒さが薄くなって見えなくなりますけど、あれが魔素だと考えてください。 大気と混ざり合っていくと魔素が見えなくなってしまうんです。」


 それを聞いて、最初は素粒子がと言われて、全く聞いたことの無い単語に戸惑うが、話を聞くうちに魔素が何となくイメージできたのか、頷く様な素振りを見せるものも出てきた。


 それを見て、ジューネスティーンは、聞いていた6人に、魔素が何となくでもイメージが出来た様に思えた様子を見て、魔法が使える様になると思った様だ。


 成る程と納得している中で、1人、シェルリーンが、何かを聞きたそうにしていたので、ジューネスティーンは助け舟を出す。


「魔素は、何となくイメージできましたか? 分からないところが有れば、聞いてもらって構いませんよ。」


 そう言うと、シェルリーンが、恐る恐る聞く。


「あのー、魔物って倒すと出てきた黒いモヤが、魔素だって事なら、魔物は魔素で出来ているって事なのでしょうか。 それと、魔物が消えた後にコアが残ってますけど、あれも、魔素で出来ているんでしょうか? 」


 ジューネスティーンは、やはりなという顔をする。


 魔素は、一般的には聞いた事が有るかもしれない。


 しかし、それが何なのかとかは、研究されてはいるかもしれないが、詳しく調べられてはいない。


 それは、基礎的な事を研究するより、魔法の威力を上げたり、広範囲に影響を及ぼすといった方が、為政者達は喜ぶ事。


 研究者達は、スポンサーとなる為政者達の要求を満たすために研究を進めている為、地味な基礎研究について研究する、魔法研究者は少ないことから一般には、魔素という物が有る程度にしか伝わってない。




 一般知識としては、魔法を使う時は魔素を使っているらしい程度にしか知られてないので、ジューネスティーンは、その部分についても説明を加える事にした。


「これは、自分達の仮説でしかないので、 証明されてないので正解とは言い切れませんが、魔物は魔素の塊なのだろうと考えてます。 魔物のコアが魔素で出来ているのかは不明です。 ただ、魔物が発生する魔物の渦には何も無い状態の所に、魔物が発生しているので、魔素の結合状態が異なるもので、元は魔素なのかもしれません。」


「結合状態? 」


「ああ、ダイヤモンドと炭って、同じ元素だって聞いたことがありませんか? 」


 6人は不思議そうな顔をする。


 宝石のダイヤモンドと炭が同じとは到底思えない。


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