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前衛の戦い

 

 魔物は3匹までに減らしてもらえたので、ジューネスティーン・ユーリカリア・ヴィラレットが魔物を受け持つことになる。


 フェイルカミラとフィルルカーシャがそれぞれ、前の2人と連携する様に動く。


 ジューネスティーンも動くが、1人だけ外に、前掛にでる様に動くと、その後ろを、アリアリーシャとレィオーンパードが合わせて動き、大きく回る様に動き、魔物の後ろに回り込もうとする。




 ジューネスティーンに向かった魔物は、右腕を引いて拳を撃ってきた。


 ジューネスティーンは腰の剣を抜くと、拳が頭を狙っているので、剣を顔の手前に立てる様にして魔物の右拳を受ける。


 拳が刃に当たった瞬間に拳を頭の上に流す様に切先を後ろに下げて、拳の方向を上にあげる。


 魔物の右拳は剣の刃に沿ってジューネスティーンの頭の上に向かい、魔物の体が伸びたところにそのまま、魔物の右脇から斜めに剣を斬りかかる。


 肋に剣がそう様に入るが、肋を斬るまでには至らなかったが、腹部が斜めに斬り裂かれる。


 魔物は悲鳴をあげる。


 ジューネスティーンは、剣が腹部を抜ける瞬間に左にステップを踏んで、魔物が自分に最後の足掻きをする前に間合いを取る。


 魔物は、両手を地面に付くと、回り込んできたレィオーンパードが、魔物の左後ろから肋の下に剣を突き刺し、ホバーボードを斜め左に立てながら、地面に腕を付けた左腕をホバーボードの底で払う様に当てる。


 腕にホバーボードが当たって速度を落とすと、魔物に刺した剣を引き抜きながら左に回る様に回避する。


 魔物はレィオーンパードの攻撃が致命傷を与えたのか、そのまま、蹲み込んだ状態で前に倒れる。


 後からアリアリーシャが、最終攻撃を加えようとしたが、魔物の状況を見て黒いモヤが出始めていたので、攻撃をやめてジューネスティーンの傍に来て止まる。




 ジューネスティーンは、自分の担当した魔物から黒いモヤが出たので、他の2匹の魔物はどうなのか確認する。


 ユーリカリアは、魔物との身長差が一番大きい。


 魔物が拳でユーリカリアの顔を目掛けて殴ってきたのを、膝を曲げて下に躱すと、踏み込んで腹部に戦斧を叩き込んでいた。


 振り回すのではなく殴ってくる時は、身長の低さを利用して下から腹部を狙っているのだろう。


 かなり手慣れた感じで戦斧を叩き込んでいる。


 魔物の顔はジューネスティーンからはよく見えないが、頭が後ろに反った様に見えたので、かなり痛烈に戦斧が入ったのだろう。


 ユーリカリアが左にステップしながら戦斧を引くと後ろに居たフェイルカミラの槍が口から刺さって後頭部に出る。


 だが、槍先が後頭部に出たと思うと直ぐに槍は引き抜かれる。


 これだけ大きな魔物なので、倒れて槍が引き抜けなくなってしまったら使い物にならない。


 槍は突いたら直ぐに引き抜く。


 そうする事で槍に掛かる左右の応力が掛からない様にしている。


 口から後頭部に抜けた槍をそのままの状態で魔物が前に倒れてしまったら、魔物の体重で槍が折れてしまうこともある。


 槍は絶対に刺しっぱなしにはしない。


 その鉄則を守っている。


 槍を引き抜かれた魔物は、人でいう小脳の辺りを槍で突き抜かれている。


 運動を司る小脳に槍の様な大きなものが突き刺さってしまえば、運動機能は停止する。


 確実に倒すには持ってこいの状況をユーリカリアが作り、魔物が口を開いた瞬間に口から後頭部に槍による一撃を与えた。


 かなり慣れた連携攻撃に見えた。




 もう1人、ヴィラレットは、腰の剣は抜かずに殴ってくる魔物の拳をフットワークで躱している。


 最後の1匹になった魔物なので、その魔物以外から攻撃を受ける事は無いが、後ろでフォローに入っているフィルルカーシャはシェルリーンのステップに付いていけないのか、少し離れ気味になって辛うじて付いていく感じである。


 シェルリーンは、何かタイミングを測っている様に思える。


 すると、腰の剣を手にすると、剣を引き抜き、殴ってきた魔物の右腕を剣で上に跳ね上げる。


 シェルリーンは魔物と正面を向き合った状態になると、魔物は右腕を引きながら左拳をヴィラレットの顔目掛けて殴ってくる。


 ヴィラレットは、右に跳ね上げた剣を今度は、右上から袈裟斬りに下ろして魔物の左拳を刃で受ける。


 ただ、刃は、斜めにして受けているので、魔法のシールドで覆われている拳は、刃に沿ってヴィラレットの頭の上に軌道を変えさせられる。


 そのせいで魔物の体は、上に開き気味になる。


 切先が魔物の左腕を這わせて、魔物の左胸から右脇腹に斜めに刃が抜けていく。


 地面に刃が付く寸前に右肩を開きながら、腰を右に回す。


 すると、今度は、地面に切先が付きそうになった所で、刃が上に向くと一気に斜めに切り上げる。


 今度は、魔物の右脇腹から、左肩に抜ける様に逆袈裟で切り上げた。


 左腕を勢いよく出した魔物はかなりの深傷を負い、左腕の勢いが勝っていたので体も前に体重が掛かっていたので、前に倒れ込む。


 ヴィラレットは、左ステップで倒れてきた魔物を避けると、ヴィラレットの後ろからフィルルカーシャの薙刀の様な剣が下から魔物の首目掛けて振り上げられる。


 薙刀の刃は、見事に魔物の顎を避けて首に入って、そのまま、魔物の首を切り落とす。


 切り落とされた首は縦に回ると、魔物の体が地面に倒れた少し先に落ちる。


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