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ウィルリーンの変化

 

 ウィルリーンも前方を見ると、20匹以上の魔物が動き出して自分達の方に来る。


「私達は、前衛が接敵するまでに数を減らすのが仕事だ。 好きな魔法で思う存分、叩き込む。」


 そう言うと、シュレイノリアは杖をかざす。


 ウィルリーンに好きな魔法で対応する様にと言ったのは、想定していた数の倍は現れてしまった。


 自分のアイスランスで3匹まで数を減らすには、弓の3人と隣のウィルリーンの攻撃力が必要と判断したからで、不確定要素の多い状況で、ウィルリーンに当たらないアイスランスを撃たせるわけにはいかない。


 万一、前衛の誰かに怪我をさせてもいけないと考えれば、確実に数を減らす必要があると判断したのだ。




 シュレイノリアの対応は早かった。


 無詠唱の魔法で砲弾型アイスランスで、1匹ずつ魔物の数を減らしていく。




 魔法紋が現れると、そこに先程と同じ様にラクビーボールの氷塊が現れ直ぐに消える。


 氷塊が消えると魔物の頭が一つ消え、頭の消えた魔物は倒れる。


 シュレイノリアの魔法には驚かされるばかりである。


(シュレの魔法は凄いわ。 それに加えて、自分のフォローまでしてくれる。)


 隣にいるシュレイノリアの凄さに改めて実感させられた。


(シュレという魔法職に出会えた事で、私にも新たな魔法を覚えるチャンスが訪れているのよ。 今は、この砲弾型アイスランスなのよ。 きっと、これ以外にも、もっと何かあるはず。)


 ウィルリーンは、師匠から教わった魔法で、50年の歳月を魔法職として生きてきた。


 その間、色々な、魔法職の人と出会ったが、自分を超える魔法を持つ者は居なかったのだ。


(魔法について、私を超える魔法職はこの世に居ないと、心の底で思い込んでいたのかもしれない。 そのせいで、最初はシュレの魔法が、受け入れられなかったのかもしれないな。 でも、50年ぶりに、自分に教えを解いてくれる人物が見つかったのだ。 今は、おばあさんの魔法を、その魔法を超える様に、魔法の力をあげる事を考えよう。 もう生きているのか、分からない師匠を、今は、生きているかどうか分かってないが、機会が有ったら訪ねてみよう。 そして叶うか、どうかは分からないが、新たな魔法について報告をしよう。)


 ウイルリーンは、自分も短い詠唱を始めて魔物を雷魔法で倒し始める。


 ウィルリーンの放った雷魔法は、魔物に命中すると、魔物の体が跳ねる様になるのは同じだったのだが、魔物の体が、膨れ上がると、体のあちこちから、破裂が起こる。


 魔物の体内の血液や体液が、電撃によって、一瞬で沸騰して、細胞を破裂させたのだ。


 前回より、威力が増した事によって、体の細胞を壊す程度だったものが、破裂するほどまでに電撃の威力が増したのだ。


(今までの魔法というより、さっきの戦いの時より、威力が増したわ。)


 ウィルリーンは、自分の放った魔法をみて、威力の違いを実感した様だ。


 ウィルリーンは、顔色を少し変えたように、周りから見えた。


(何だか違うわ。 ・・・。 良い方向に改善しているなら、そんな事を考えるのは後回しにして、魔法で次々と魔物を倒す。 それだけだわ。)


 ウィルリーンは、いつもより威力の増したと感じる雷魔法を連続で放っていた。


(そうよ。 これから、私の魔法は、もっと、進化していくのよ。 師匠に魔法を教えてもらい、シュレから、違いを見極めて、その違いを私のものにしていき、師匠の魔法をシュレの魔法の域にまであげるのよ。)


 ウィルリーンは、自分の魔法に新たな方向が見出せた事に喜んだ。


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