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ウィルリーンを見たメンバー達

 

 ウィルリーンの代わりようを見て、周りに居たユーリカリアのメンバーは少し恐怖を感じている。


 だが、誰も、ウィルリーンに大丈夫かと、声をかける事は出来ないでいた。


 しかし、そんな事は気に留めずに、ウィルリーンは喋り出す。


「すまなかった。 あまりに衝撃的だったもんで少し動揺した。 だが、もう大丈夫だ。 私は、大魔道士と言われた師匠の弟子だ。 その大魔法士に、私は、お前に教える事はなくなったと言わせたのだから、私に出来ない魔法は無い! 」


 そう言っている顔が怖いと、ユーリカリア達は感じている様だ。


 ユーリカリアのメンバー達も、この変わり様には流石に引き気味になっている。


 そんなユーリカリア達の反応を機にすることも無く、ウィルリーンは、シュレイノリアの元に行って、何やら話を始めだす。




 ウィルリーンが、ユーリカリア達から離れた事で、残ったメンバー達は、その場に取り残された様になる。


 ウィルリーンの先程の落ち込み様から、一転して大魔道士の弟子だと言い出したのだ。


 今まで、聞いた事の無い話と、みた事も聞いた事も無い話し方と、その態度をしていたウィルリーンをみて、ユーリカリアのメンバー達は、自分達が、どうしたらよいのか困った様子をしている。


 それは、ユーリカリアも一緒だった。


 それを見て、フェイルカミラがユーリカリアに聞く。


「あのー、リーダー。 ウィルリーンは大丈夫なのでしょうか? 」


 それを聞いて、シェルリーンもユーリカリアに囁く様に尋ねる。


「カインクムさんの店の時より、凹んだ後のテンションが違う様なのですけど。」


「ああ、ちょっと、壊れ気味の様な気がします。」


 シェルリーンの話にフィルルカーシャが同調する。


「リーダー。 私は付き合いが短いのですけど、あんなウィルリーンさんを見るのは初めてです。 今までにもこんなことがあったのですか? 」


 心配そうにフェイルカミラがユーリカリアに尋ねるが、ユーリカリアはそれには答えずウィルリーンを見ている。


 ウィルリーンは、引き攣った顔で、笑い声を出しながら、シュレイノリアに何か声をかけている。


 ユーリカリアが、心配そうにその行動を見ながら答える。


「知らん。 あんなウィルリーンは初めてだ。 カインクムの店での凹み様だって初めて見たんだぞ。 それだけシュレの魔法にショックを覚えたんだろう。」


 ユーリカリアは、少し投げやりな態度で答えた。


 メンバー達も、やっぱりそうなのかと思ったのだろう、それが、メンバー達の表情に出ていた。


 それをフェイルカミラが、フォローする様にメンバー達に話だす。


「私も、この中では2番目に古いと言っても、リーダー達の半分も付き合いはないが、今まで、あんなに取り乱したのは、見た事が無かった。 別のパーティーの魔法職の話していた時でも、相手の話を聞いても、あっさり流していたから、今までは、自分の知った範囲内の話だったんだろう。 だが、シュレイノリアの魔法は、それを超えているのでしょうね。」


 フェイルカミラが、自分の知っているウィルリーンについて話すと、それを聞いて、ユーリカリアも話し出した。


「そうだな。 ウィルリーンの魔法に敵う魔法職は、今まで見たことが無かったな。 でもそれは、シュレを見るまでの話だな。」


 フェイルカミラに言われて、ユーリカリアも思い出してみるが、ウィルリーンを超える魔法職は、シュレイノリアを見るまで、居なかったと確認した様だ。


「そうですよ。 魔法についての話を、今までのどこのパーティーの魔法職の人としても、余裕の顔で聞き役に徹していたのですよ。 表情には、“そんな事私には分かっているわ。 でも、あなたの優越感を満足させてあげる。” って、感じで聞いていたのですよ。」


 シェルリーンが、他のパーティーの魔法職と話していた、ウィルリーンを思い出して話した。


 だが、シュレイノリアと対峙して、話をしているウィルリーンには、その余裕が全く無いのだ。


「ああ、人は限界を超えてしまうと、あんな感じになってしまうのかもしれないな。」


 フェイルカミラが、シェルリーンの話を聞いて答えた。


 以前のカインクムの魔法紋の話を聞いた時にもそうだったが、自分の理解を超えた事に直面すると、それに当てられた様に凹んでしまう。


 誰かに励まされると、直ぐに戻る。


 なんだか、今後、ジューネスティーン達と接触していると、同じ事が起こりそうだと、ユーリカリアとそのメンバー達は思った様だ。


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