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様子を伺うヒュェルリーン


 イルーミクは、フィルランカとエルメアーナの様子を見てから、リズディアを見る。


義姉様おねえさま。 お兄様達の事、どうしましょうか?」


「あら、イルーミクも、知っていたの。 ……。 うん、もう、イルル達も執事達も、動けないみたいだから、明日の朝まで放置ね。 まぁ、風邪をひかないようにだけはさせておいたわ」


 リズディアは、困ったような表情で答えた。


「明日、大丈夫かしら?」


「えっ!」


「ああ、二日酔いで、頭が痛いとかにならないといいのだけど」


 イルーミクは、リズディアの答えを聞いて納得したような表情をした。


 すると、途中で、フィルランカとエルメアーナの様子を見ていた、ヒュェルリーンが、モカリナを誘って、リズディア達の座っているテーブルの方に来た。


「2人とも、座って」


 リズディアが、ヒュェルリーンとモカリナに着席を促すと、2人も席についた。


 しかし、エルメアーナは、天幕付きのベットが気になっており、柱も掛かっている布、天井の様子などをジロジロと眺めていた。


 フィルランカは、ベットに座って、エルメアーナを確認するような表情をしているのだが、ベットの柔らかさを堪能しているようだった。




 その様子をテーブルに居る4人は、何も言わずに、ただ、見ているだけだったのだが、ヒュェルリーンには、一つ気になることがあった。


「ねえ、リズ。 ジュエルイアン達は、どうなっているの?」


 それを聞いて、リズディアは、嫌そうな表情をした。


 イルーミクは、その様子を見て、リズディアの心中を察した表情をした。


「うーん、飲みすぎて、酔い潰れているわ」


「えっ、2人とも?」


 リズディアは、追加の質問を聞いて、更に表情を硬らせた。


「それが、執事達と一緒に飲んで、酔い潰れたみたい」


 そこまで聞くと、ヒュェルリーンも、肩を落としていた。


「分かったわ。 ごめんね、リズ。 ジュエルイアンには、後でしっかり言っておくわ」


「ええ」


 ヒュェルリーンは、申し訳なさそうにしているのを、リズディアは、ちらりと見た。


「ヒェル、あまり気にしないで、話を聞いていると、どうも、大して飲んだようでもないのよ。 それに、試作品だったみたいじゃないの。 あのお酒は、いつも飲んでいるお酒と同じように飲んだら、こうなるのだと、分かったのだから、売る時に注意を促すなり、売り方を考えればいいでしょ」


「ありがとう。 そう言ってもらえると、助かるわ」


 リズディアは、気にしてない事を、ヒュェルリーンに伝えたので、ヒュェルリーンは、自分の責任が少し軽くなったようだ。


「今日は、もう、軽くおしゃべりで終わりにしましょう」


「そうね。 そうしてもらえるかしら」


 ヒュェルリーンは、何か考えた表情をする。


(今日は、ミルミヨルの衣装の研究の為の女子会だったのに、ジュエルイアンのお陰で、台無しだわ。 あーっ、これ、きっと、いつまでも、今日の事は言われることになるわね)


 ヒュェルリーンは、モカリナをチラリと見た。


(そういえば、モカリナ様の衣装も、なんだか、ミルミヨルの衣装っぽかったわね)


 ヒュェルリーンは、少し困ったような表情をした。


(10代の女子の衣装をベースに、20代以降の女性用の服をとなっていたのだから、モデルも衣装も3種類用意できたのだから、リズもサンプルを多く見られたのね。 ……。 ああ、旦那達の飲酒が無かったら、お風呂に入るのではなく、あの場で、フィルランカ、モカリナ、エルメアーナの衣装の確認を行ったのよね。 そこで、基本方針になりそうなものを明確にしてと思っていたでしょうね)


 ヒュェルリーンは、少し、気を落とした様子で、天井を見上げた。


「ヒェル。 人は、休む事も大事なのよ。 今日は、このまま、続けていたら、ミスが出たかもしないの。 だから、旦那達の飲酒は、きっと、意味があったのよ」


「ありがとう、リズ」


「きっと、一つ、間を置くことが、重要だという事なのよ。 だから、今日は、のんびりしましょう」


 リズディアは、落ち着いた様子で、ヒュェルリーンに言うので、ヒュェルリーンも力が抜けたようだ。


「そうね」


 ヒュェルリーンは、落ち着くと、フィルランカとエルメアーナが、目に入った。




 フィルランカは、エルメアーナを心配して付いているようだが、エルメアーナは、天幕用の柱の飾りやら、天幕やら、頭の部分の飾りなどと、ベットのデザインが気になって、確認しているようだが、フィルランカは、エルメアーナが移動するたびに、そのベットに座ると、そのベットの硬さを確認しているようだった。


 フィルランカとしたら、自分の使っているベットと比較している様子で、座った時に自分のお尻が沈む様子を確認していた。


 それを、テーブルに座っている4人が、出されたお茶を飲むのではなく、時々、とってを触っては、方向を反対側にして、フィルランカ達を気にしてないといった様子をしていた。


 4人は、フィルランカとエルメアーナの2人が、ベットの様子を確認し終わるのを待っていた。


「それに、今日は、モカリナの話を聞けたから、私としては、旦那達の飲酒のお陰で、ミルミヨルの衣装以上のものが、得られたわ」


 リズディアは、そう言うと、モカリナに視線を送ると、モカリナは、恋人にでも見られたような表情で、顔を赤くしていた。


 リズディアの様子を見ると、さっきまでの食事で、モカリナと、色々、話せたとこが、とても有意義だったようだ。


(ああ、リズったら、モカリナ様の事を、色々、聞けて、眼鏡にかなったみたいね。 ……。 あ、かなり、気に入ったみたいね)


 リズディアと、モカリナを見て、ヒュェルリーンは、安心した表情をした。


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