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リズディアの常識と、他の人の常識


 リズディアの悪戯によって、フュェルリーンの着替えだけ遅れたのだが、サイズの大きな衣装を持って来させた事で、一安心した。


 しかし、ヒュェルリーンのグラマラスなスタイルは、10代の女子には、とても魅力的だったようだ。


 それも、リズディアが、配慮してくれたことで、終わった。


 リズディアは、悪戯をするにあたり、悪戯しただけで終わらせずに、締める所は締める事によって、悪戯されただけで終わるのではなく、悪戯した相手の気持ちを戻す事で、嫌だと思わせるのではなく、仕方がない、また、やられてしまったと、思わせることにも長けていたのだ。


 腰が隠れるかどうかのミニを着させて、楽しんだ後は、ギリギリのタイミングを狙って、ヒュェルリーンにホッとさせる場面を演出する事で、次の悪戯を行っても、仕方が無いと相手に思わせるようにしている。


 嫌だ、もう絶対に近寄りたくないと思わせない、ギリギリの悪戯をするのだ。




 そんな、リズディアのアフターフォローに付き合わされたフィルランカ達に、恥ずかしそうな表情のフュェルリーンが合流した。


「ヒェル、これだったら、恥ずかしくはないでしょ」


「リズのばか。 ……。 でも、下が、スースーするのは、ちょっと、抵抗があるのだけ、ど」


 フィルランカとエルメアーナは、ヒュェルリーンの一言を聞いて、怪訝そうな表情をした。


(お風呂を出た後は、下着を付けないのかと思っていたけど、違うのか?)


(なんで、ヒュェルリーンさんは、あんな事を言うのかしら? 私は、てっきり、これが当たり前なのかと思っていたわ)


 フィルランカは、エルメアーナを見ると、エルメアーナもフィルランカを見たのだが、どちらも、下着を着けては、いけないのかと思っていたようだ。


 そんなフィルランカ達を他所に、リズディア達は、話を続けている。


「あら、ヒェルったら、私は、てっきり、プライベートは、その格好かと思ってたわ」


「そ、そんなわけ、ないでしょ」


 ヒュェルリーンの必死の抵抗を、リズディアは、不思議そうに思ったようだ。


「ジュエルイアンは、もっと、露出度が高い方が好みだったのかしら、うちの人は、この格好で、軽くターンしたりすのよ。 時々、内側が、チラリと見えるか、見えないか程度にすると、とても喜ぶわよ。 その後も、刺激的だけど」


 リズディアは、何か思い出したような表情をして、ニヤリと笑うと、クルリと回って、ワンピースの裾が広がるようにした。


 イルルミューランと2人の時のつもりで、その場でターンをしたようだ。


 すると、その勢いで、裾が上に上がるようにして、自分の足の膝上を披露した。


「ほら、もう少しで、お尻とかが、見えそうでしょ」


(義姉様、お兄様と2人の時に、どんな事をしているの)


 1人、イルーミクは、げっそりした表情をしていたが、モカリナは、嬉しそうなのか、恥ずかしいのか、よく分からない表情をしていた。


 そして、フィルランカとエルメアーナは、見てよかったのか悪かったのか分からないのか、どう、表現したら良いのか、困った表情をしていた。


「もう、リズったら、若い子がいるのだから、旦那との夜の話は、やめておきましょうよ」


 顔を赤くして、止めに入った。


「あら、そうなの。 私が、その歳の頃は、親戚の新婚のお姉様方から、旦那様との仲直り方法とか必要だからと、教えてもらったわよ。 だから、常にこういった格好にも慣れておくようにって言われたけど、ヒェルは、そんな事ないの?」


「あるわけないでしょ。 それは、リズとリズの周辺の人達だけよ」


 ヒュェルリーンは、恥ずかしそうに反論した。


「変ねぇ。 ミュラヨム母様は、お父様の執務中の、お世話をする時は、スカートの下に下着は付けないと言っていたわよ。 だから、イヨリオンをみごもれたと言っていたわ」


 ヒュェルリーンは、固まったが、リズディアは、気にする事なく、話を続けた。


「あら、ひょっとして、ジュルイアンは、1枚ずつヒェルの服を脱がしていく方が、趣味だったのかしら。 お母様方は、お父様との時間が、あまり取れないから、大急ぎで、お情けをもらう必要があるからって、直ぐに出来るようにって、いつも、何も付けないって言ってたわよ」


「それは、政略的に子供が必要だからでしょ。 この子達は、そんな必要なんて無いのだから、リズの常識に合わせないで!」


 流石に、皇族内部の政治的なやりとりもあるので、子供を作ることも政治に絡んでくるのだ。


 リズディアは、政治的なことも、小さな時から、皇族としてのあり方を覚え込まされていたのだ。


 それが、下級貴族や、ただの帝国臣民と、ただの商人にとっての常識とは、大いにかけ離れている。


 ヒュェルリーンに、色々言われて、リズディアも少し、周りに合わせるつもりになったようだ。


「あら、そうだったの」


 そう言うと、リズディアは、残りの4人の顔を確認した。


 リズディアは、少し考えると、メイドを呼んだ。


 一言二言話すと、メイドは、下がっていった。




 戻ってきたメイドは、リズディアに小さな布のようなものを渡す。


 そして、残りの5人にも同じ物を渡した。


 リズディアは、渡された布を広げると、かがんでから、その布に足を通し、ゆっくりと上げる。


 スカートの両脇を持ち上げるようにして、腰まで上げると、スカートの裾が捲れ上がってないか、両手を前後に回して、スカートの裾が、履いたものに引っかかってないことを確認して、身なりを正した。


 周りは、まさか、リズディアが、自分で下着を、そのまま着けるとは思わなかったのか、呆然として、みていた。


 リズディアは、その場の空気に耐えられなくなった。


「え、何よ。 私だって、下着位、自分で着けられるわよ」


「ごめん。 てっきり、下着も履かせてもらうのかと思ったので、ちょっと見てみたいと思ったわ」


 ヒュェルリーンは、思わず、本音を言葉にしてしまったようだが、周りも、同じ事を思っていたといった様子で、ヒュェルリーンに同意すると思ったのか、視線をヒュェルリーンに向けた。


「もう、私だって、自分で、下着も服も着れます」


 そう言って、少し膨れていた。


「ねえ。 あなた達は、着けないの? だったら、回収させるわよ」


 リズディアを見ていて、渡された下着を、5人は、そのまま、手に持っていたことに気がつくと、慌てて、自分達も、下着を履き始めた。


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