表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

701/1356

恥ずかしがるヒュェルリーン


 フィルランカは、ヒュェルリーンを見るのだが、なんと言ってフォローすればよいのかと戸惑った様子でいる。


 フィルランカは、エルメアーナと同じ160センチであり、リズディアは、それよりも低い、155センチである。


 リズディアは、膝が隠れる程度の長さだが、フィルランカ達は、膝が出るか出ないかとなっている。


 イルーミクは、158センチとフィルランカとリズディアの中間程度で、モカリナは、フィルランカより、少し大きい162センチなので、膝が見える程度だった。


 それに対して、ヒュェルリーンは、長身の180センチであって、なおかつ、肩幅も広いこともあり、余計に、ワンピースの裾が上に上がってしまったのだ。


 膝上、20センチどころか、膝上25センチ程になっているのだ。


 少しでも屈んでしまえば、後ろは丸見えになるワンピースを、下着も無い状態で着せられている。


 実年齢99歳とはいえ、見た目は20代半ばのヒュェルリーンが、本当に恥ずかしそうな表情で、リズディアを見ていた。


「ヒェル。 なんだか、とても、エロいな」


「ちょっと、エルメアーナまで、面白がらないでよ。 本当に恥ずかしいんだから」


「うーん。 ヒェルの恥ずかしがる姿なんて新鮮だわ。 南の王国で出会って以来、そんな姿を見たのは、初めてかもね」


 エルメアーナは、何だか男の子が恥ずかしがる女子を見て嬉しそうにしているような表情をしており、リズディアは、ヒュェルリーンの困るところを見てご満悦の表情を浮かべている。


 その2人の態度が、ヒュェルリーンには、恥ずかしさを、更に増してしまったようだ。


「あのー、義姉様。 流石に、あの姿は、ヒュェルリーンさんでなくても、恥ずかしいと思います」


 イルーミクが、リズディアをなだめるように言うのを見て、モカリナもホッとしていた。


(良かった。 イルーミクが、言ってくれた。 あのヒュェルリーンさんの胸の大きさ、結構、緩めに作られているのに、ヒュェルリーンさんだけ、胸周りがはち切れんばかりになっているわ。 あれも、ワンピースの裾を引き上げる原因よね)


 モカリナは、何かを考えた表情をすると、何だか、やり切れないといった表情をした。


「もう、仕方がないわね」


 リズディアは、一言言うと、メイドに視線を送ったので、そのメイドが、移動した。


「私は、ヒェルの、その姿の方が、魅力的で好きなんだけどね」


 リズディアは、残念そうに言った。


 そんな中でも、ヒュェルリーンは、スカートの裾の股間の前と後ろを両手で引っ張りながら、恨めしそうにリズディアを見ていた。


 その様子を見て、リズディアも少し申し訳ないと思ったようだ。


「わかったわよ。 ごめん。 すぐに、ヒェルの衣装を用意させるから、少し待っててね」


 反省した様子のリズディアを見た、ヒュェルリーンは、少し落ち着いたようだ。


 恥ずかしさは、少し和らいだ様子で、少し、体から力が抜けた。


「も、もう、あまり、いじめないでよね」


 ヒュェルリーンは、恥じらった様子で答えた。




 周りは、リズディアとヒュェルリーンの仲が、とても親密なのだと理解したようだ。


 すると、メイドが戻ってくると、その手には、同じような衣装を持っていた。


 それを、ヒュェルリーンの目の前に広げて見せてくれた。


 デザインは、同じだが、丈の長さが明らかに違う。


 それを見て、ヒュェルリーンは、ムッとした表情をした。


「リズ。 なんで、同じデザインで大きいサイズが、こんなに早く出てくるのかしら?」


「あら、大きなサイズも有ったのね」


「リーズゥ」


 ムッとした表情で、ヒュェルリーンは、リズディアを睨んだが、リズディアは、悪戯っ子がシラをきるような表情をしてそっぽをむてしまった。


 仕方なさそうにヒュェルリーンは、今、着ているワンピースを脱いだ。


 その姿を、フィルランカ、エルメアーナ、イルーミク、モカリナが、ボーッと見ていた。


 4人とも、ヒュェルリーンのスタイルに魅入っているのだ。


 ヒュェルリーンは、視界に入った、モカリナを見る。


 その視線が、自分の胸に釘付けになっていると思うと、慌てて、胸の前で両手を交差するようにして肩を抱いた。


 そして、モカリナとは反対の方に一歩移動する。


 ただ、ヒュェルリーンは、他にも視線を感じた様子で、反対側を見るとイルーミクもモカリナと同じようにヒュェルリーンを見ていた。


「エッ!」


 ヒュェルリーンは、顔を赤くすると、更に、視界の端の方に、人影が見えたので、そちらを見ると、フィルランカとエルメアーナもボーッとヒュェルリーンを見ていた。


 4人に見られている。


 それも、4人ともワンピースを着ているのだが、自分は、何も着けていないのだ。


 ヒュェルリーンは、その状況に耐えきれなくなった様子で、その場にしゃがみ込んだ。


「ちょ、ちょっと、な、なんで、みんな、私を見ているのよ」


 ヒュェルリーンは、抗議をしたが、4人は、見惚れていて、ヒュェルリーンの抗議にすぐに気付かないでいた。


 ヒュェルリーンは、半ベソ状態になる。


「もう、仕方がないわね。 ほら、ヒェルが、恥ずかしがっているから、4人ともジロジロ見ないの」


 リズディアが、今度は、ヒュェルリーンに助け舟を出すと、フィルランカとエルメアーナの手を取って、移動をする。


「ほーら、イルーミクもモカリナも、こっちに来るのよ」


 そう言うと、リズディアは、メイド達に目配せした。


 メイド達は、イルーミクとモカリナを移動させて、ヒュェルリーンの着替える時間を与えてくれた。


 女子達が移動すると、ヒュェルリーンは、落ち着いた様子で、持ってきてもらった、大きめのワンピースを着るのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ