少年と少女
メイリルダは、寮の食堂で少年と少女に夕食を取らせると、部屋に戻り2人を風呂に入れる事にした。
「それじゃあ、お風呂に入りましょう。……。おふろに、はいりましょう」
少年とは、昨日も一緒に入っていたので、少女も含めて3人になり同性が1人増えた事から、昨日よりは恥ずかしさは無かく、言葉の後半は、言葉を一つ一つ区切りはっきりと発音した。
2人は、メイリルダの様子をジーッと見ていた。
「おふろ、はいる」
少年が答えると、その様子を少女が見ていた。
「お、ふ、りょ、は、い、りゅ」
少し変な発音だったが少女も答えた。
その様子をメイリルダは、笑顔で見ていた。
「うん、じゃあ、服を脱ぎましょうね」
「ふく、ぬぐ」
メイリルダは、少年が一言言って自分の服を脱ぎ始めたので、感心した様子で見てから隣の少女を見た。
少年の様子を見ていた、少女も、少年に倣って服を脱ぎ始めるのだが、止められているボタンを上手に取れず苦戦していた。
メイリルダは、2人とも服を脱ぎ始めたので自分も服を脱いで裸になるが、少女の方は、ボタンを外せずにいたので納得したような表情をした。
(そうよね。昨日、転移してきて私が初めて服を着させたのだから、上手く脱げるわけないわね。でも、破いたりボタンを引っ張って服から取ってしまわないのは驚いたわ)
そして、感心した様子で少女の前にしゃがむと、服を脱ぐのを手伝い全部脱がせてあげると、身体に残っている傷痕を見て可哀想だと思ったのか表情を少し顰めた。
少女の隣で服を脱いでいた少年も脱ぎ終わると、3人は、部屋に備え付けてあるお風呂に行った。
お風呂から出ると、メイリルダは少年と少女に新しい乾いたタオルを渡した。
そして、身体を拭かせている間に自分の体も軽く拭くと2人の着替えを用意した。
メイリルダは、ふと少女の傷痕について少年が傷付けるような事をしないかと心配だったのだが、少年は少女の傷痕を気にする様子もなかったのか、お風呂の最中も、今も気にするような態度は取っておらず、少女の表情が変わる事も無かったのでホッとしていた。
そして、自分の髪を拭きつつ戻ると、2人の体に濡れている所がないか確認してタオルで拭き取れなかった水滴を拭いてあげてから2人に下着を渡した。
そして、自分の体も、また、確認するように拭きつつ、2人の様子を見ながら自分も下着を着けていった。
メイリルダは、下だけ着けると、今度は少女の下着を着けるの手伝った後にパジャマを渡してあげた。
少年は、昨夜はメイリルダが着替えを手伝ったのだが、今日は自分で着替えていたので、メイリルダは安心しつつ少女の着替えを手伝った。
そして、メイリルダは少女の着替えを手伝った後に自分のパジャマを着た。
着替え終わると、メイリルダは何かを考えるように部屋の中を見た。
部屋の中のベットは、2段ベットが二つ有ったので、3人をどうやって振り分けようかと考えていたようだ。
(3人とも、別々のベットにしようかしら?)
それは、昨日は、少年と2人だけだった事もあり、少年と一緒のベットで寝たのだが、今日は3人なので、3人一緒だとシングルベットでは、流石に少し狭いとメイリルダは思ったようだ。
メイリルダは、ベットを全部確認するように見た。
(どうしよう。今日は、私と少女が一緒に寝て、少年を1人で寝かせようかしら?)
メイリルダは、ベットをどうやって使おうか考えていると、少年と少女は、手を繋いでメイリルダの前に立って見上げていた。
メイリルダが、2人に気がつくと、少年と少女はメイリルダの手を取った。
3人が円になるように手を繋いだようになったのを見て、メイリルダは仕方ないなと思った様子でしゃがむと2人に視線を合わせた。
「今日は、3人で、寝ましょう」
そう言って、2人に笑顔を向けた。
(そうよね。昨日と一昨日、転移してきた2人だものね。まだ、夜1人で寝るのは寂しいのかもしれないわ。ちょっと狭いかもしれないけど、密着して寝たら安心して寝れるかもしれないわね。それに2人が寝たら、私が別のベットに移動すれば良いわけよね)
メイリルダは、考えるような表情をしつつ笑顔を向けていた。
今度は立ち上がってベットに腰を下ろすと、メイリルダは一番奥に行くと最初に少女がベットに入ってきた。
そして、その後に少年がベットに入ったのだが、メイリルダは流石に狭さを感じていた。
(やっぱり、3人だと厳しいわね)
少女は、メイリルダは身体を横にしてギリギリまで、ベットの端に寄ると少女がピッタリと身体を寄せてきた。
そして、反対側には少年が少女の方を向くように横になったのだが、少年もベットの端ギリギリにいた。
仰向けに寝るには、少し狭く感じたようだった。
(このまま寝たら、私か少年か何方かがベットから落ちるかもしれないわね)
すると、メイリルダは2人の上を跨ぐようにしてベットから出たので、2人はメイリルダの空いたスペースを有効活用するように移動すると、2人とも仰向けになった。
メイリルダは、ベットの脇にお座りをして少年と少女を見た。
「狭いから、2人で、寝るのよ」
すると少女は寂しそうな表情をすると、少年の腕を胸に抱くようにした。
(やっぱり、この少女は寂しいのかもしれないわね)
メイリルダは、2人の様子を確認した。
少女は、少年にピッタリとくっついているのだが、それが落ち着くようだった。
そして、メイリルダは掛け布団を直してあげた。
(2人が仲良しなら、それで構わないのかな)
その様子をメイリルダは微笑ましく思ったようだ。
しかし、それは毎日続く事になるのだが、このギルド内でトラブルになる事は無かった。




