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水魔法を使ったカインクムの未来


 カインクムが、水魔法を覚えた事を、フィルランカと一緒に喜んでいる。


 そんなカインクム夫妻を見て、ジューネスティーンは、喜ばしく思うと、水魔法以外の魔法について考え始めた。


 鍛冶屋であるカインクムなのだから、火魔法も、そして、武器や防具への付与魔法というなら、魔法紋付与の魔法を使えるようになれば、カインクムの鍛冶屋での生産量も品質も上がる事になる。


 水魔法なら、焼き入れ用の水の手配にしかならないのだから、水以外の魔法を覚えた方が都合が良いだろう。


(鍛冶屋のカインクムなら、火魔法を覚えれば、仕事も捗るだろう。 それに、後は、魔法紋の付与か。 だけど、それには、魔法紋にどんな効果を与えるのかも、しっかりと自分の中にイメージさせる必要があるな。 とりあえず、台車に付与する軽くする魔法を覚えてもらって、魔法紋付与の魔法を使えるようにして、武器に与える付与魔法の内容、防具に必要な、物理防御、魔法防御、筋力強化等についてイメージを膨らませることができれば、カインクムさんも、武器や防具に魔法紋を刻めるようになるだろう)


 カインクムが、水魔法を使えるようになった事で、ジューネスティーンは、次の魔法について考えていたのだ。


 考えている最中は、真剣な顔つきになったが、結論が出ると、笑顔になった。


「そこまで出来れば、火魔法も覚えてしまえば、鍛治が楽になると思います。 それが出来れば、剣に火魔法の付与もできるようになりますよ」


「おお、そうだ、火魔法も使えるようになれば、仕事も楽になる。 おお、そうか、剣に火魔法を付与するのか、そんなこともできるようになるのか」


 興奮が醒めないカインクムは、ジューネスティーンに言われて火魔法を覚えれば、鍛治仕事も捗ることに気がついたのだろう。


 さっきまでの不安そうな顔はせず、新たな魔法にも挑戦する様子を示した。




 人の自信とは、何かができたとか、結果が見えると、自信に繋がる。


 それを、今、カインクムが示したのだ。




 さっきは、フィルランカに覚えてもらおうと思っていた、魔法紋付与の魔法だが、今では、自分で覚えるつもりになっているようだ。


「じゃあ、一息ついたら、シュレの魔法紋付与の魔法も試してみましょう」


「そうだな、じゃあ、急いで飲んで食べて始めよう。 だが、今日は、パワードスーツの組立が仕事だからな。 それが終わったら、始めよう」


 何だか、気持ちまで前向きになってきている。


 ジューネスティーンは、この変化を喜ばしく思っているようだ。




 そんな、カインクム達のやり取りを見ていたアンジュリーンも、その光景を見てつぶやくように話す。


「初めて魔法を使えた人は、皆んなこうなのよね」


 ちょっと、呆れたアンジュリーンだが、自分自身でもその感覚が理解できるだろう。


 何だか、自分自身の事を思い出すような感じで声に出していた。


 そんなアンジュリーンの、つぶやきを聞いたがフィルランカも同じように思ったのだろう。


 アンジュリーンのつぶやきに反応した。


「私も、初めて魔法が使えた時はこんな感じでしたねぇ。 でも、今の話だと、私にも水魔法以外も使えるって事なのでしょうか」


 カインクムが魔法を使えたことで、単純に自分にも、他の魔法が使う事が出来るのではと、思ったのだろう。


 独り言のように言うが、ジューネスティーンは、それに答える。


「多分、使えるようになると思います。 カインクムさんが作った剣や防具に、フィルランカさんが、魔法紋の付与も出来ると思いますよ」


 何気無い一言だったのだが、それにジューネスティーンが答えてくれた。


 フィルランカは、ジューネスティーンの言葉に少し驚くが、その答えとして、自分にも色々な魔法が覚えられる。


 そして、魔法紋の付与と言われた事にも喜んだ。


「まぁ、それは嬉しいですわ。 私にも鍛冶屋のお手伝い出来る日が来そうです。 キャハ」


 今までは、家の仕事か店番しか出来なかったフィルランカだったが、工房で自分も手伝う事ができそうだと思うと、胸が弾んでいるのだろう。


 ただ、別の部分で微妙な反応を示した者がいた。


「羨ましいですぅ」


 カインクムとフィルランカの姿を見て、羨ましいしがるアリアリーシャだった。


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