アリアリーシャを見た2人の男子
降りて手前を見ると、目の前には、アリアリーシャのふくよかなお尻が突き出すようになっているので、ミニスカートの縁が上がって、お尻が丸見えになっている。
スカートの下は、インナースーツを着ているので、下着が見えているわけではないが、それを目の当たりにして、少し恥ずかしくなったのか、顔を赤くしている。
それにアリアリーシャは亜人の為、インナースーツは、尻尾がだせるようにデザインされている。
尻尾の出口は、わずかに尻尾を包むような袖のような物が付いてはいるが、その尻尾は、お尻の穴のすぐ上についていることと、アリアリーシャが、尻尾を左右に振るので、お尻の谷間が、その尻尾によって見え隠れしていた。
だが、それ以上に、揺れる尻尾によって、尻尾の袖口から奥の地肌が見えそうになっている事に、アンジュリーンは、気がついたのだ。
(きゃっ、いやだ。 こんなに近かったら、尻尾の袖の隙間から肌が見えちゃいそうよ)
アンジュリーンは、アリアリーシャの尻尾から目が離せなくなった。
一般的な亜人の尻尾の直ぐ下には、お尻の穴があるのだ。
(イヤだ。 ちょっと、アリーシャったら、この事分かっているのよね)
アンジュリーンは、恥ずかしさが倍増した。
亜人の尻尾は、腰骨の下から出ているので、お尻の穴の直ぐ上から尻尾が出ている。
亜人用の下着は、穴が空いてそこから尻尾を出す。
そして、そのわずかな隙間を隠すように穴には袖がついて入るが、尻尾の根元を僅かに覆う程度なので、上着のズボンには、腰回りの後ろ半分を覆うスカートのような物が、男子用でも女子用でも付いている。
アリアリーシャは、その状態のまま、アンジュリーンの合図を待っているのだろうが、一向に声をかけてくれない事に少し不安になったのだろう。
「ねえ、アンジュ。 もう、降りてもいい?」
アリアリーシャは不安そうにアンジュリーンに声をかける。
「えっ、ああ、い、いいわよ」
アンジュリーンは、アリアリーシャのお尻を見惚れていた訳ではなく、自分が同じような姿でパワードスーツから出るときの事を考えていたのだ。
今、この状態で後ろに男子は居ないから良いが、いつも居ないわけではない。
この状態の自分を想像してみて、万が一にも誰か男子がいた場合の事を想像すると、恥ずかしくなってしまったのだ。
そんなアンジュリーンの恥ずかしさなど知らずに、アリアリーシャは、腰に掛けていた足を、ふくらはぎ裏の第二装甲に乗せて、床に降りる。
アンジュリーンは、ホッとすると、周りに視線を動かす余裕ができた。
すると、横にいたカミュルイアンとレィオーンパードの視線を捉えた。
アンジュリーンは、2人が、今までの一連の動きを隈なく見ていたことに気がつくと、アンジュリーンは、焦った様子を見せる。
「ちょっと、あんた達、何見てたのよ」
アンジュリーンに声を掛けられた、レィオーンパードとカミュルイアンは、今までの惚けた表情から、慌てた表情に変わる。
「えっ、いや、そのぉ」
カミュルイアンが、返事に困っていると、レィオーンパードが答えた。
「あ、ああ、姉さんが、どうやって、パワードスーツから出るのか気になっただけだよ」
「そ、そうだよ。 ジュ、ジュネスは、腕だけで足を引き抜けるけど、アリーシャは、ど、どうなのかと思って、見てただけだよ」
その2人の顔は、赤くなっていた。
明らかに、それだけで見ていたのではなさそうだと、アンジュリーンは思ったようだ。
そんなアンジュリーンの様子から、アリアリーシャも自分が、パワードスーツから出る時の様子を頭の中で考えて、2人の側からどのように見えていたのか想像したようだ。
すぐに、アリアリーシャの目が、レィオーンパードとカミュルイアンの2人を捕らえて、ジト目で見る。
アンジュリーンも2人が嫌らしい目で見ていたのかと思った様子で、2人を見る。
「ごめん。 姉さん。 姉さんが、パワードスーツから体を反らすのを見たら、とても綺麗で、それから後は、目が離せなかったんだ」
レィオーンパードが、素直に説明すると、カミュルイアンも慌てて話し出す。
「そう、何だか、妖精が生まれてくるような感じで、オイラも目が離せなかった」
それを聞いたアリアリーシャは、顔を赤くする。
(えっ! 綺麗。 妖精)
アリアリーシャは、2人の言葉に反応してしまったようだ。
だが、アリアリーシャのジト目は、そのまま、レィオーンパードとカミュルイアンを見ていた。
「ふん。 どうせ、嫌らしい目で見てたんでしょ」
アンジュリーンが、不満そうに言う。
「うん。 今の、アンジュと、姉さんだけど、何だかとても綺麗に見えたよ。 カミューも上手いこと言うよね。 妖精かあ。 うん、妖精を抱き上げるエルフ。 両方とも美人だから、何だか、絵になるよね」
パワードスーツからアリアリーシャが出るのを、前の方から見ていたジューネスティーンが、感想を述べる。
その言葉に、アンジュリーンも毒気を抜かれたように顔を赤くしていた。
「2人も、綺麗だと思って、2人に見惚れていたんだよ」
ジューネスティーンの言葉に、カミュルイアンもレィオーンパードも同意するように、首を縦に振っている。
アンジュリーンの気持ちも落ち着いたようなので、ジューネスティーンは、パワードスーツをしまう事にする。
「じゃあ、アリーシャ姉さん、パワードスーツの背中、閉じて」
「はいぃ」
アリアリーシャは、元気よく答えた。
妖精だの美人だのと、囃し立てられたので、少し舞い上がり気味である。
そんな、アリアリーシャは背中に手を当てて、魔力を流すと、パワードスーツは、前屈みの状態から背中を閉じると、直立姿勢に戻る。
ジューネスティーンが、シュレイノリアに向くと、収納魔法の中に入れてもらうように頼む。
「シュレ、収納、頼む」
シュレイノリアが、アリアリーシャのパワードスーツを収納するので、アリアリーシャは後ろに下がろうとして振り返ると、アンジュリーンの顔が目に入る。




