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帝都の西の狩場


 ルイゼリーンに照会された場所は、冒険者らしき人は誰も居なかった。


(いい感じだ。 訓練には丁度良い)


 ジューネスティーンは、先日の、東の森の魔物との戦いでの、反省点の修正を行おうと思っていたようだ。


 さっき、レィオーンパードに話していた事も含めて何かを考えているようだ。


 すると、アンジュリーンが話しかけてきた。


「ねえ、私とカミューなんだけど、2人で、ちょっと、試してみたい事があるのよ」


 今日は、珍しい事が続くと、ジューネスティーン思ったようだが、それには触れずにいると、アンジュリーンは話を続けてきた。


「この前、シェルリーンさんが言っていた、矢の軌跡が見えるって話が有ったのよ。 それで、そんな事ができるのか考えながら、弓を使ってみたいの。 だから、今日は2人で別行動をさせてもらえないかしら」


 ジューネスティーンは、納得したような表情をした。


(自分で考えるってことは、良いことなのだが、問題は、奴隷商の監視の目になるのか。 帝国軍の監視は、あまり上手じゃなさそうだが、奴隷商の監視も同じとは限らないな。 2人が離れた時に、奴隷商達が、どういった動きをするのか、心配があるのか)


 ジューネスティーンは、別行動について考えていたのだ。


 それは、帝国だけは、亜人の奴隷制度が認められていたこともあり、そこには、エルフも含まれていたので、直ぐには結論が出ないみたいだ。


 アンジュリーンは、ジューネスティーンの様子を不安そうに見ているのだが、直ぐにジューネスティーンの表情は、結論を出したようだ。


「それは構わないけど、メンバー達と離れて弓を使うのはやめておこう。 その代わり、弓矢で、遠くに離れている魔物に向かって撃たないか? 当たらなくても、魔物は攻撃されれば向かってくるはずだから、そうやって、魔物に、こちらを意識させてくれないか? 遠くの魔物を、弓矢で威嚇して、こっちの方に誘き寄せてもらえれば、後は、レオンとアリーシャ姉さんと俺の3人で仕留める。 それでどうだろうか?」


 話を聞いていたアンジュリーンは、それでも問題ないのか考えている様子だ。


 少し時間は掛かったが、アンジュリーンは、納得するような表情をした。


「分かったわ。 じゃあ、それで行きましょう」


 2人の話が終わると、ジューネスティーンは、残りのメンバーにも今の話を伝える事にしたようだ。




 だが、1人だけつまらなそうな顔をしている。


 今の話だと、魔法を使う場所がどこにも無いのだ。


 すると、突然、強い口調でシュレイノリアがジューネスティーンに話しかけてくる。


「おい! ジュネス! それで、私は何をすれば良い!」


 ジューネスティーンは、しまったという顔をシュレイノリアに向ける。


 完全にシュレイノリアの事を忘れていたみたいだ。


 そんなジューネスティーンを、シュレイノリアは恨めしいそうに見上げる。


「ああ、ごめん。 忘れてたわけじゃないんだ。 ただ、何か課題になりそうな事が見つからなくて、どうしようかと悩んでいたんだ」


 その答えを聞いてもシュレイノリアの目は変わらない。


 その視線に晒されているジューネスティーンは、心が痛いのか引き攣った顔が、もう少しひどくなる。


「ああ、そうだ。 この間のアイスランスは、良かったよねぇ。 あれをもっと工夫してもらえれば、戦闘も戦いやすくなると思うんんだがぁ。 そうだ、一発必中のアイスランスなんて面白いんじゃないのかなぁ。 一発のアイスランスだけで魔物を倒せるなんて事になれば、カッコイイと思うんんだけどなぁ」


 ジューネスティーンは、シュレイノリアの魔法の事が頭から抜けていたのを隠すように、慌てて思いついたことを並べて言った様子だ。


 しかし、それを聞いたシュレイノリアは、興味を持ったみたいである。


(一発必中。 一撃必殺。 カッコイイ)


 シュレイノリアの頭の中で、そのワードがグルグルと回っている様である。


 そして、シュレイノリアは、ニタリと笑うと、ジューネスティーンの顔を見る。


「そのアイデア、面白い! ちょっと試してみる」


 ジューネスティーンとすれば、言い訳まがいのでっち上げのつもりで、時間稼ぎ程度の話をしただけだったのだろうが、その話がシュレイノリアには新たなアイデアに繋がったようだった。


 ジューネスティーンは、シュレイノリアの機嫌が直った事に安堵するようにため息を吐いた。




 ジューネスティーン達のパーティーの方針も決まった事で、狩りの方針が決まった。


 小型の魔物をアンジュリーンとカミュルイアンの弓で、遠距離攻撃を行う。


 向かってきた、魔物を、シュレイノリアのアイスランスで魔物を狙って狙撃させる。


 誘き寄せて向かってきた魔物を、シュレイノリアが倒しきれなかった時は、アリアリーシャとレィオーンパードとジューネスティーンの3人が、近接戦闘で、魔物を剣で突き刺して倒していく事になる。


 東の森の魔物に対して、斬る方法では、アリアリーシャもレィオーンパードも筋力が足りないと思われるので、2人には、突く攻撃にも慣れておく必要が有るのだ。


 その為に、簡単に倒せる魔物で、武器の使い方を訓練するのだ。


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