入学時のパーティー決め
このパーティーメンバーが、ギルドの高等学校に、入学した当時は、兎の亜人にしては身長がある方だが、130センチと、一般的な冒険者に比べると低いアリアリーシャは、当時、ガリガリだったこともあり、周りから、戦力外と見られていた。
それに、アンジュリーンもカミュルイアンも、年齢的には、40代とはいえ、見た目は、人属の10代半ば程度なので、体の線が細く、子供の体型と見られた事で、アリアリーシャ同様に、周りからは、戦力外と見られていた。
アリアリーシャは、今でこそ、グラマラスな体型になっているが、入学前は、資金集めの為に、食べる物も抑えて、ギリギリの生活をしていた為、入学当時は、ガリガリだった事も、周りから敬遠された理由でもある。
そんな3人は、周りから相手にされる事は無かっただけでは無かった。
入学当時なら、レィオーンパードも転生して3年目だったので、完全な子供だったのだが、ジューネスティーンについても、一般人の様に体の線が細かった。
現在では、筋肉の塊の様なジューネスティーンだが、入学当時は、まだ、体が出来てなかったので、周りの学生から、パーティーに誘われる事は無かった。
ただ、シュレイノリアの魔法適正の高さから、誰もが、彼女を魔法職として引き抜こうとしたのだが、ジューネスティーンの、後ろに隠れて話す事ができなかった事、たとえ話せたとしても、まともに話が通じなかったり、ジューネスティーン達と一緒が条件となっているので、周りが断念していた。
アリアリーシャは、入学当時のことを考えて、少し、凹んでいた。
(私たちは、入学当時は、ミソッカスだったんです。 だから、当時は誰も相手にしてくれなかったんです)
1人、その時の、真相を知っているアリアリーシャは、少しやりきれない想いになる。
また、一般的にエルフの女子は容姿淡麗で有り、アンジュリーンも、かなりの美人に属するのだが、性格的な問題があり、男子は1度声をかけるのだが、それ以降はアンジュリーンに声をかける事はなかった。
その為、浮いてしまっていた事を、当人は分かってなかったのだと、アリアリーシャは思っていたのだ。
ギルドの高等学校に入学した当時、元々、ジューネスティーン、シュレイノリア、レィオーンパードは、始まりの村で一緒に行動したこともあり、入学後も、最初から3人で居たのだ。
ただ、魔法職であるシュレイノリアだけを、引き抜こうとしていた学生も居たのだが、それは、シュレイノリアが頑なに拒否していた。
シュレイノリアをメンバーに入れるとして、ジューネスティーンとレィオーンパードのオマケは、不要だと、周りの学生から、そう判断されていたのだ。
入学時のパーティー編成の際に、浮いていた、若く見える、アンジュリーン、カミュルイアンのエルフ2人と、ガリガリに痩せこけて、身長も低いアリアリーシャは、他のパーティーからメンバーに誘われる事は無かった。
ジューネスティーンは、5人以上というパーティーの条件を満たす為に、3人に声を掛けたのだ。
最初は、1人で浮いていた、アリアリーシャに声をかける。
授業に差し支えが有るので、アリアリーシャは、当然、有り難く、ジューネスティーンの誘いに乗るのだが、カミュルイアンとアンジュリーン達に声を掛けると、アンジュリーンが、最初、難色を示した。
当時のジューネスティーンは、大して強そうに見えなかった事を、アンジュリーンが、ジューネスティーンは、前衛職として不向きだとみて、難色を示したのだ。
ただ、いつまで経っても、アンジュリーンとカミュルイアンを、パーティーメンバーにという話が来なかったのだ。
クラスの中のメンバーが、次々と決まっていくと、最後に取り残させたのは、ジューネスティーン達4人と、アンジュリーンとカミュルイアンの2人だけになる。
アンジュリーンは、先ほど、断った事もあり、ジューネスティーン達に声を掛け難いのだが、どちらも、条件を満たすには、お互いにパーティーメンバーになるしかなかったのだ。
最後まで、残った事もあって、ジューネスティーンは、もう一度、2人に声をかけて、渋々、受諾してパーティーになったのだ。
この6人が集まったのは、入学時に、他のパーティーから、あぶれたことが原因だったのだ。
シュレイノリア自身も、まともに、人と話す事は苦手なので、パーティーに誘われても、大した話はできずに、場合によっては、ジューネスティーンに断らせたりしていたのだ。
アリアリーシャとも、アンジュリーンとも、シュレイノリアは、パーティーになって、やっと、話ができる様になったのだった。
シュレイノリアも、その時のことを思い出したのかポロリと、言葉にした。
「私も、その時から、アンジュと初めて話した」
シュレイノリアが付け加えるのだが、アリアリーシャが、イラついたような顔でシュレイノリアに突っ込む。
「シュレ、それってぇ、入学当時の話ですうぅ。 それまで、別々に行動していたのだから、私もぉ、最初に話したのはその頃ですぅ」
言われて、少し考える様にするシュレイノリアは、指摘されて納得する。
「そうなるのだな」
(何が、そうなるのだな、なのよ。 少し考えればわかる事なのにぃ)
シュレイノリアの、天然ぼけにアリアリーシャは、少しイラついたようだ。




